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渡辺明の思考:盤上盤外問答 [本(将棋]

『渡辺明の思考:盤上盤外問答』
渡辺明(将棋棋士、永世竜王)
河出書房新社(2014)


手堅く、普通に、慎重にというのが僕のモットーなので。
きのこは洗わないがナメコは洗う
電線にとまっているスズメの数をぱっと当てた升田幸三
他人に将棋を教えて自分には将棋の才能があったと気づいた
将棋の神様は存在しない
記録かがりのアルバイト代は奨励会級位者で6000-9000円
サッカー審判四級の資格を持つ
僕もあまり将棋が好きじゃないもん。
義務感で嫌々やっている人のほうが強い
銀二枚縦に並ぶのは好形、横に並ぶのは悪い
歩切れの香車は角以上
角と桂香の交換は互角
銀と桂の交換は桂が駒得。中原
玉の早逃げ八手の得。図面例。実際には一手かニ手得する

渡辺将棋。金銀で玉を固め少ない攻め駒で攻めを繋ぐ
羽生さんはフラット
加藤一ニ三は大山は盤外戦術をしていないという
ニ歩に好手あり
底歩は香に弱い
矢倉囲いに対して銀をかけるタイミングは、ここ20年くらいで半手くらい早くなった
角は持ち駒に温存しておくのが一番よい使い方

☆☆☆☆☆
升田幸三って直観像があったんだな。
質問者は誰だろ?後藤元気?

難易度2/5 推薦度5/5



『怒濤の関西将棋』
谷川浩司(将棋棋士、永世名人)
角川oneテーマ21(2014)


阪田先生は読み書きができず、
書けた字は三、吉、馬の三つのみ

小学二年で大山後援会を父が作る

ああ、これまで。錯覚いけない、よく見るよろし。升田
水急不流月
大山は最善手でなく嫌がる手を選ぶ

詰将棋を数多く解くと読み筋が直線的になる

中原の自然流。
攻めるべき時に攻め、受けるべき時に受ける、
まるで大河の流るような自然な指し手

福崎文吾は練習将棋では歌いながら指す

糸谷の反則。奨励会時代、
相手の駒台に自分の取った駒を乗せた、
駒が成れないところで成った

西本馨七段。失明し、C2降級後も三段リーグで指し二級まで。
引退せずにとにかく将棋が指したかった

明治生まれの棋士小堀清一九段。1986年に羽生と順位戦を戦う

☆☆☆☆☆
関西を中心に将棋界の歴史を語る

難易度1/5 推薦度3/5

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ドキュメント コンピュータ将棋:天才たちが紡ぐドラマ(角川新書) [本(将棋]

『ドキュメント コンピュータ将棋』
松本博文(将棋観戦記者)
角川新書(2015)


コンピュータが棋士を負かす日は、
羽生は2015年、森内は2010年

ボンクラーズ、ボナンザ・クラスタ、
あずまんが大王の女子高生三人組
クラスタ並列は、お金を棋力に変える技術

負けましたは将棋の神様に言うもの。中原
隕石が降ってくるのを期待してもしょうがないので。永瀬
森下のリベンジマッチは実験対局で三連敗した
羽生さんに角落ちが勝てないならプロをやっている意味がない
Apery=猿真似の意味
今努力できないのであれば、10年後もできないと思います。永瀬
偶然短歌bot
習甦、ponanza、ツツカナに勝った稲庭将棋
カルネージハート、プログラミングがわかるゲーム
磯崎、五歳でプログラミング、小3でオセロプログラム
激指を研究ツールとして使う村山
3駒関係、玉とその他二つの駒の関係がいい形の判断に

数学がどの芸術にもまして、若い人のものであることを、数学者は一時たりとも忘れてはならない。ハーディ
mathematics, more than any other art or science, is a young man's game.
任何数学家都不应该忘记,数学比任何其他的艺术或科学更加是年青人的游戏。

チェスは知の試金石。ゲーテ
Chess is the touchstone of the intellect.
国际象棋是人类智能的试金石。

☆☆☆☆☆
難易度3/5 推薦度3/5

開発者と棋士の紹介。

87金がいい形ってわからんなあ。
飛車の横からに弱いのだけども……

永瀬がいい!言葉も格好いいし、やることも格好いい。
というか、電王戦16対局の5勝の内、
阿部光瑠、豊島将之、斎藤慎太郎、阿久津主税の
四人が研究で有利な序盤に誘導して勝ったのに、
事前研究による局面誘導なしに
終盤の入口で局面をひっくり返して
ソフトに勝ったの永瀬拓矢一人なんだぜ!
しかも勝ちが決まってからバグを起こさせて、
"ほっとくと投了すると思うんですけど"だもん。
さすが対羽生全勝男だわ。

・今日の一言(本文より、マーク・ザッカーバーグ)
Young people are just smarter. Why are most chess masters under 30?
若者の方が賢い。なぜ多くのチェスのマスターは30歳以下なのか?
年轻意味着更聪明。为什么大部分象棋大师都在30岁以下?
나는 젊은 기술자들의 중요성을 강조하고 싶다. 왜 대부분의 체스 마스터가 30세 이하 일까?

タグ:松本博文
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勝負心(文春新書) [本(将棋]

『勝負心』
渡辺明(将棋棋士)
文春新書(2013)


羽生さん以外に天才の名に値する棋士はいない
強い棋士ほど負け将棋の内容が良い

読み筋が全く合わない佐藤康光、よく合うのは羽生善治

2011年対郷田順位戦では本の通りに展開して勝利
羽生さんとの竜王戦以来一分将棋になったことはない

研究が仕事、対局は集金。森下
七番勝負と五番勝負では振り駒の意味が全く違う。谷川

10秒で20~30手読める
五手一組でまとめて読むことも
ざっと千手ぐらい読める
自分の手番のときは、おおむね二つの手を考える。
本筋、裏切り、奇想天外の三種の手

終盤の敗着は研究しない。二度と出ないので無意味

電子機器を預けることを提案
将棋ソフトを研究相手として活用している

対局中に居眠りをしたことがある
大きな駒音で指すのは下品
おやつは自分の手番で食べる

☆☆☆☆☆
難易度1/5 推薦度4/5

渡辺明の羽生善治への意識の強さがよくわかる。
おやつを気にするなどとても繊細な人ではないかとも思う。

・今日の一言(本文より)
万能ということは、言い換えれば個性がないとも言える。
만능이란 것은 바꿔 말해 개성이 없다고도 할 수 있다.
"万能"换个说法可以说是没有个性。
Being an "all-around player" in other words can also mean that they don't have originality.

タグ:渡辺明
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覆す力(小学館新書) [本(将棋]

『覆す力』
森内俊之(将棋棋士)
小学館新書(2014)


自分より強い相手に挑むときは
ふだん以上の力が出せるのだが、
その一方で、
自分が有利ではないかという自覚を持つと、
とたんに安定しなくなる

自分の特性を知り、受け入れることができたときに何かが動き始める
自分の特徴を気づき、適切な努力をする

将棋のタイトル戦において、
年上の挑戦者が年下のタイトルホルダーに勝ったという例は、
過去一割にも満たない

若手とやる怖さは、
どのような研究をしているか分からないところ。

2009年の挑戦では新手を恐れすぎた
例年よりコンディションがよかった
第二局は渡辺の棋士になって初めての錯覚が出た
第三局は新手で負けたが納得
二日目の昼食はすべてカレー

将棋は小学三年から
祖父もプロ棋士
大会では羽生を探して対戦を申し込んだ
先崎は小四で米長の弟子。当時の同学年で一番有名、先に奨励会入り
羽生、郷田、森内は奨励会同期
奨励会時代に将棋大会の手伝いで日当三万

調子には波がある。
スランプはインプットの時期、
勝つときはアウトプットの時期

対局後にスーツに革靴で30キロを走って帰った
アタック25に出演。クイズに費やした時間が差に出た
森内、羽生ともに理系と感じる。文系から理系の羽生世代へ
序盤は研究の成果に頼る
妻は三原まきは。平安時代の和歌の研究

13年の名人戦のテーマは新しい自分を試す。
先手番で得意の矢倉を指さない、後手番では相手の攻めを待つ。
第四局の三手目に評判の悪い手を指す。第五局でソフトが発見した手を試した

将棋に"逆転の妙手"は存在しない。大逆転は悪手のみが生む
二回目のミスが致命傷
名人位で11連敗も焦りはなかった
敗戦は勝利のための必要経費

相手を打ち負かそうという意識が低い

毎日散歩、睡眠は七時間以上、風呂にゆっくり入る
羽生がいつも元気なのはタイトル戦で頻繁に地方に行き温泉に入っているからだ。

☆☆☆☆☆
難易度1/5 推薦度4/5

渡辺がどんどん指すのに自分はゆっくり指すタイプとしているが、
渡辺は逆に森内がどんどん指すのに困惑させられることを述べていて
相手の印象と真逆なのが面白い。

・今日の一言(本文より)
NHKのスタッフから「リハーサルどおりにお願いします」と言われた私は、リハーサルと全く同じように駒を進めた。
NHK의 스탭이 "리허설대로 부탁합니다"라고 말했기 때문에 저는 리허설과 완전히 똑같이 말을 움직였다.
NHK的职员对我说;"请按照彩排做",所以我和彩排一模一样地下棋了。
Since the NHK staff told me, "Please preform like in rehearsal." I moved a shogi piece just like in the rehearsal.

タグ:森内俊之
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迷いながら、強くなる [本(将棋]

『迷いながら、強くなる』
羽生善治(将棋棋士)
三笠書房(2013)


棋士になるにはとにかく環境が大切。石田芳夫

目隠し将棋では場面を四分割して記憶する

美しい手順は
ほんの少しでも構想や順番を間違えてしまうと
成立せずに収拾がつかなくなります。

方向音痴。

☆☆☆☆☆
一つ一つキーワードを挙げて、
それについての意見を述べている。

将棋は空間認知なのに方向音痴というは面白い。

・今日の三言(本文より)
朱に交われば赤くなる。
one rotten apple spoils the barrel
Evil communications corrupt good manners.
He that touches pitch shall be defiled.
(He) who keeps company with the wolf, will learn to howl.
근묵자흑.
사람은 사귀는 벗에 따라 선인도 되고 악인도 된다.
近朱则赤。
近朱者赤,近墨者黑。

攻撃は最大の防御なり。
Offense is the best defense
공격은 최선의 방어이다.
进攻是最大的防御。

終わりよければ、すべてよし。
All's well that ends well.
只要结果好,一切都好。
결과만 좋으면 그 동기, 과정 등은 문제가 되지 않는다.

タグ:羽生善治
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将棋の歴史(平凡社新書) [本(将棋]

『将棋の歴史』
増川宏一(盤上遊戯史)
平凡社新書(2013)


日本最古の将棋の駒は1058年、
中国最古の象棋の駒は1106年

藤原定家の『明月記』に将棋の記事が多数
九条兼実を中心とする将棋愛好グループ

駒の再使用ルールは16世紀初に定着
江戸時代は中将棋も盛ん
大橋宗桂の虚偽だらけの由緒書

年に一回は指す人。将棋人口(万人):
1979年1116
1981年2400
1989年1510
1991年1410
1994年1190
1996年1240
1999年_970

☆☆☆☆☆
p27で、周の武帝と周の武王は全く時代の違う別人なのだが、
著者は同一人物と勘違いしているように思える……

・今日の一言(本文より)
将棋は東南アジアから海のシルクロードによって日本に達した。
일본 장기는 동남아시아에서 바다의 실크로드를 지나서/통과해서 일본에 도착/도달했다.
日本象棋是从东南亚通过海上丝绸之路传到日本的。
Shogi, Japanese style chess, arrived through south-east Asia on the sea silk road.

タグ:増川宏一
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羽生善治論:「天才」とは何か(角川oneテーマ21) [本(将棋]

『羽生善治論:「天才」とは何か』
加藤一二三(将棋棋士)
角川oneテーマ21(2013)


将棋棋士は天才業である。大山康晴
ここぞというときに何時間でも考えることができるのが天才

羽生は四段の頃はベテランの評価は高くなかった

一日平均五時間ぐらい研究しているのではないか

羽生と家族との将棋のルール。
いつでも好きなときに180盤をひっくり返してかまわない

負けず嫌いの大山
うまい話につい飛びついてしまうのが升田
ねばり強さに欠ける中原
森内は名人戦に絞って羽生を想定して研究している
谷川は実家がお寺

順位戦は真剣勝負、新聞棋戦は竹刀勝負

☆☆☆☆☆
棋譜の解説は面白かった。
が、羽生善治の本質を捉えているかというと……

・今日の一言(本文より)
天才とは無から有を生み出すことができる人である。
천재란 무에서 유를 만들 수 있는 사람이다.
所谓天才是从"无"创造出"有"的人。
A genius is a person who can create something from nothing.

タグ:加藤一二三
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直感力(PHP新書) [本(将棋]

『直感力』
羽生善治(将棋棋士)
PHP新書(2012)


大山升田戦など将棋ではない戦いの感があった

少し疲れているくらいが集中できる

子どもには集中力はあっても根気がない

将棋は他力によるところが大きい
時には潔くあきらめることも必要だ
自分のほうが不利な場面を想定している時間が九割

ノーミスの対局は年に一回か二回

大山は対局中も別の仕事に抜けてほとんど席に着いていなかった

キャンセル待ちで逆転をねらう

インドで戦争好きの王に戦争をやめさせるためできたゲーム
将棋の駒は宝石と香辛料。貿易にともなう

小さくまとめる日本文化の例の一つとしての将棋

☆☆☆☆☆
ノーミスの対局があるということに驚愕。

・今日の一言(本文より)
ミスしても現場で反省しないこと、ミスを新しいものとして捉えることが大切だ。
실수해도 그 현장에서 반성하지 않는 것, 실수를 새 것으로서 파악하는 것이 중요하다.
重要的是即使犯了错误也不要当场反省,把错误看成新的局面来把握。
It's important to regard a mistake as a new thing and not to regret it at that time.
タグ:羽生善治
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老いと勝負と信仰と(ワニブックスPLUS新書) [本(将棋]

『老いと勝負と信仰と』
加藤一二三(棋士、騎士)
ワニブックスPLUS新書(2011)


聖シルスベストロ教皇騎士団勲章
将棋のチャンピオンに対する敬意として

教皇ベネディクト16世:
聖職者だけでなく、
ひとりひとりのカトリック信者も、自分の経験を語りなさい。

歴代最多対局数

イスラエル=神の勝者の意味

直感精読
平均で300手ぐらい読む

対局の昼休みにミサに参加

パウロ:どんなに美しいことばも愛がなければ相手の心に響かない

雨でもハレルヤ、晴れてもアーメン

ある時期まで対中原1勝19敗だった
20連敗も経験

知恵のある人はすべてのことにおいて慎重である

最近は鰻重ではなく寿司

カトリック信徒でないものでもカトリック教会で式を挙げられるのは日本だけの特例

36歳で亡くなった聖ベルナデッタの遺体は生きているような美しさで見学も可能

孫からはパイと呼ばれる

・今日の一言(本文より)
だから明日のことまで思い悩むな、明日のことは、明日みずからが思い悩む。その日の苦労は、その日だけで十分である。
So don't worry about tomorrow, for tomorrow will bring its own worries. Today's trouble is enough for today.
그러므로 내일에 관해서 걱정하지 마라. 왜냐하면 내일 일은 내일 걱정 할 것이다. 오늘의 문제는 오늘로 족하다.
因此不要为明天担心,因为明天要为明天思考,今天的问题就足够。

タグ:加藤一二三
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勝負師と冒険家:常識にとらわれない「問題解決」のヒント [本(将棋]

『勝負師と冒険家』
白石康次郎(ヨット・レーサー)
羽生善治(将棋棋士)
東洋経済新報社(2010)


羽生と白石は決断の基準が同じ

羽生は神経衰弱は強くない
定跡を覚え始めたのはプロになってから
名人になると順位戦がなくなって調整がしづらい
好きな作戦は横歩取りだが勝率が悪い
一番影響を受けたのは谷川浩司
中原とタイトル戦なし
前日に酸素バーに行ったが効果なし
ゴミ出しはしない、料理もしないというかできない
畠田理恵の実家は料理屋で料理が得意
妻は避雷針みたいな人、
危ないものを全部引き受けてくれている

郷田は時間が長くなればなるほど強い
名人戦対郷田五局目は封じ手の局面でダメになっていた

谷川の羽生評
人がやらない手を選びたがる癖がある

桜井章一:運はつかむものじゃなくて、運に選ばれるのだ
裏切らないことが大事

師匠が弟子に教えるのは入門のときとやめるとき
穴熊を十代にしたら師匠に怒られる

囲碁の藤沢は年に九ヶ月はアル中

白石は船酔いする

・今日の一言(本文より)
チェスの世界では携帯電話を鳴らしたら負けである。
체스 세계에서는 휴대폰이 울리면 패배이다/진다.
国际象棋的领域里,手机铃一响就输了。
If a player's mobile phone rings during play, they may immediately forfeit the
game.

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第2回将棋電王戦 [本(将棋]

今年楽しみなのが第2回将棋電王戦


この動画はすごい出来だと思う。冒頭の"宇宙をさまよう魂"とか、"会長の仇は私がとります"という発言など、この時点で米長会長(米長永世棋聖)が故人のようだが、亡くなったのはこの動画の公開数日後である。

おそらくこれは米長永世棋聖の読みの内だと思う。棋士とは先を読んで手を打つものであり、米長永世棋聖はおそらく自分の死を織り込んでいたのだろう。米長邦雄は最期にコンピュータに敗れて失意の内に亡くなり、残された棋士たちが仇を討つという物語をイメージして、作ったのだと考えられる。

第2回 将棋電王戦 第1局 阿部光瑠四段 vs 習甦 放送予定 03/23 10:00 -
 阿部光瑠四段は、史上7番目の若さとなる16歳でプロ入りし、早指し棋戦でA級を三連破するなど、期待の高い若手で全棋士中最年少の居飛車党。ただし早指しには強いが、持ち時間の長い棋戦ではまだあまり勝っていない。対コンピュータ戦について本人は"五分五分かな"と言っている。普通の定跡で真っ向勝負したいとしている。レーティング57位。

第2回 将棋電王戦 第2局 佐藤慎一四段 vs ponanza 放送予定 03/30 10:00 -
 佐藤慎一四段は、阿部四段とは正反対に年齢制限ギリギリの26歳でプロ入りした苦労人。後手番では振り飛車も採用し、あらゆる戦法を指すオールラウンダー。先手番で横歩取らず相懸かりを採用するなど、序盤から工夫するタイプなので、阿部四段とは反対に研究の秘策の一手を見せるかもしれない。レーティング92位。

第2回 将棋電王戦 第3局 船江恒平五段 vs ツツカナ 放送予定 04/06 10:00 -
 船江五段は、詰め将棋大会で優勝するなど抜群の終盤力を誇る居飛車党。若手のみの棋戦、加古川青流戦の初代優勝者であり、実力者である。早い時期から対戦が決まっていて、コンピュータ対策もできていると考えられる。レーティング38位。

第2回 将棋電王戦 第4局 塚田泰明九段 vs Puella α 放送予定 04/13 10:00 -
 塚田九段は元王座であり、公式戦22連勝を記録したベテランであり五人の中では最高齢。塚田スペシャルなど知られる攻め100%の豪快な棋風の居飛車党。コンピュータ相手なので、どこまで自分の棋風を調整できるかが鍵になる。レーティング91位。
 Puella αは、米長永世棋聖を倒したボンクラーズの改良版。

第2回 将棋電王戦 第5局 三浦弘行八段 vs GPS将棋 放送予定 04/20 10:00 -
 三浦弘行八段は順位戦はA級で2敗を維持し名人挑戦レースに残っている最強棋士の一人。研究家として有名な居飛車党。年齢的にも最も脂ののった時期であり、人間側の大将である。レーティング15位。
 GPS将棋は、東大駒場の788台のコンピュータでクラスタを組み、一秒で2億8000万手を読むという怪物。持ち時間は4時間で、相手の時間も考えることから、最大で8時間に8兆640億手読むことになってしまうが、果たして三浦八段に勝機はあるのか?

●コンピュータはどのぐらい強いのか?
コンピュータの棋力は、2007年3月のボナンザで奨励会初段前後とされる。ちなみに女流の最強棋士の里見香奈女流四冠が奨励会で初段である。これを考えると、その三年後、2010年10月のあから2010対清水女流王将(当時)の対決は相当に厳しいものだったとわかる。

2012年1月にボンクラーズが米長永世棋聖を破るが、米長永世棋聖は引退して八年、イベントなどで指す将棋の対戦結果を見る限り、すでに棋力はC2ぐらいまで低下していたと考えられる。対するボンクラーズは、将棋倶楽部24においてbonkrasとして3364点というもの凄い数値を記録した。

ただしレーティングにはインフレがあり、後になると自然に高くなるので注意が必要だ。2011年12月31日のボンクラーズbonkrasの3364点が、2004年6月5日の最高点であるデクシdcsyhiの3003点より高いのかはっきりしない。この両方の時期に指していたHAHAHAHAHA氏のレーティングも300点以上高くなっているからである。HAHAHAHAHA氏の棋力がほぼ同じとするならば、bonkrasとdcsyhiの棋力差はほとんどないと考えられる。

デクシdcsyhiは、その棋譜を見たプロから、これはタイトルホルダーとしか考えられないと判定され、しばしば羽生三冠だという噂が流れた。ただし振り飛車採用時の勝率が明らかに低いことから疑問も残る。

将棋倶楽部24では、若手時代の渡辺竜王が指していたとも言われ、また早指し最強と言われる糸谷哲郎六段が奨励会時代に I-houshin の名前で指してことも知られる。

将棋倶楽部24は持ち時間一分、秒読み30秒の早指しであり、もともと見落としのないコンピュータが有利とされるフィールドである。故に、プロ棋士とコンピュータの差はまだはっきりしないと言えよう。

●コンピュータに立ちはだかるのは誰か?
最期の切り札は渡辺明竜王である。最も重厚かつ慎重な棋風で知られ、コンピュータとの対戦体験もある渡辺竜王が最もコンピュータに強いと考えられる。

羽生善治三冠はコンピュータ戦では苦しいと見られる。というのも、そもそもすべてのコンピュータソフトは羽生三冠を基準にして作られているのだ。

その他の点においても羽生三冠はもともとコンピュータと類似性がある。羽生マジックとは、相手の読み筋にない手を指すということだが、それは切り捨てる手が少ないということであり、コンピュータと共通しているのである。また持ち時間が短いほど強くなる点もコンピュータと共通である。

●コンピュータ将棋の特徴
コンピュータは序盤は定跡が完全に組み込まれているため間違えないし、終盤に詰みが出ると相当に長い詰みでも瞬時に解いてしまう。故にコンピュータ相手に定跡形で戦うのはそれほど有利ではないし、終盤で詰むか詰まないかの争いで勝負するのも勝ち目があまりない。

ただし長すぎる詰みは読めないことがある。人間と違い余分な筋も読むためである。水平線効果と呼ばれている。また詰めろは読むものの、駒得より詰めろを積極的に採用することはまだないようだ。

人間との重大な違いは、コンピュータは二手スキ、三手スキなどを理解しないこと。コンピュータは今の盤面から先を読むのだが、人間は詰み上がり図から逆算するのである。ここに人間の勝機があるのだ。この段階ではコンピュータはまだ駒得を基準に手を選ぶのである。

●コンピュータを倒す方法
終盤では駒得から速度、すなわち敵玉への距離が大事なのだが、コンピュータはこの切り換えがまだうまくない。従って、この人間のみが持つ距離感を利用して、二手スキ、三手スキの距離をおいたままで長手数を維持してポイントを稼ぎ、局面に差をつけてしまい、大差で終盤に持ち込めば倒すことができる。

コンピュータには定跡形が組み込まれているが、その定跡を作るのはプロ棋士である。定跡とは最も優れた作戦であり、その範囲では五分五分の手順である。終盤まで定跡形に持ち込みコンピュータのまだ知らない最新研究をぶつけて、変化の余地のない罠に追い込んで倒すことも考えられる。

人間は縦に深く読めるが、コンピュータは横に広く見落としなく読むことに特徴がある。人間がこの縦の深さを利用して、コンピュータより先に相手玉の詰み筋を見つけられるかが勝負になるのである。

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将棋名人血風録:奇人・変人・超人(oneテーマ21) [本(将棋]

『将棋名人血風録:奇人・変人・超人』
加藤一二三(将棋棋士)
角川書店(2012)


著者は十一人の名人全員と対戦経験がある

羽生は不利な状況を喜べる人間

森内:持ち時間が長いほうが落ち着いてさせます
本番もリハーサル通りと言われて同じ手順を指した森内

塚田:食事前に着手する。相手に食事中に考えさせれば胃が悪くなる。

升田さんに負かされるときは暴風雨に巻き込まれたような感じ

大山は持ち時間の七割しか使わない

積極的に相手が戦いやすいように申し出る中原

☆☆☆☆☆
他の棋士について棒銀を使っていれば勝てたと評することが多く、
棒銀大好きなのがよくわかる。
棋譜の話が多いのに盤面がないのが不便か。
藤井が四間飛車にこだわる理由が書かれておらず不自然で、
ライターを使っていないことがわかる。

・今日の一言(本文より)
先輩というものは後進に道を開いてやったり手柄をたてさせるように仕向けるのがつとめである。
선배란 후배에게 길을 열어주거나 공훈을 세우게 만드는 것이 임무이다.
所谓前辈就是给后辈开道或让他们立功。
The senior in the work place has the duty of opening paths for their juniors and helping them achieve feats.

タグ:加藤一二三
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運を超えた本当の強さ-自分を研ぎ澄ます56の法則 [本(将棋]

『運を超えた本当の強さ』
桜井章一(プロ麻雀師)
日本実業出版社(2011)


和了る
ってなんでこの漢字?

無のために力を出したということが尊い。

ただ言っているだけという感じで説得力0だが、
この本のいいのは、質問者が羽生善治だということ。
実質、羽生善治が共著者じゃないの。

・今日の一言(本文より)
感覚は磨くものではなく赤ちゃんに帰ることだ。
감각은 닦는 것이 아니고 갓난아기로 돌아가는 것이다.
感觉不是磨练的东西而是回归到婴儿(一样的纯粹状态)。
The intuition is not a thing to be polished/refined, but must be return to that of a baby.

タグ:桜井章一
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われ敗れたり-コンピュータ棋戦のすべてを語る [本(将棋]

『われ敗れたり-コンピュータ棋戦のすべてを語る』
米長邦雄(元将棋棋士名人)
中央公論新社(2012)


佐藤康光の"米長先生そこに正座してください"
は凄いな。

若手棋士にボンクラーズと対戦させる。
一手30秒ではプロ棋士もほとんど勝てない。
タイトル保持者二人含むという。
当時の若手のタイトルホルダーは、
渡辺と広瀬しかいないわけで、
早指しでは二人とも既にコンピュータに勝てないわけだ。
早指しでは天才的な羽生でも既に苦しいのかもしれない。

米長自身は、
一分将棋で勝率一割
三時間で三局指して一勝二敗という。
米長自身の棋力は既にプロの平均より弱いから、
3時間以上の持ち時間の通常の対局なら、
コンピュータはプロ棋士の平均ぐらいと見て良いようだ。

ボンクラーズが解けない五手詰めの詰将棋。
飛車角歩は必ず成るとプログラムされている。
入玉すると必ず勝てる。

62玉を奇手と思う人に反論するつもりはないといいながら、
大量に反論を書いている。(笑)
負けた理由を一言でいえば私が弱かったからといい、
言い訳しないといいながら
写真を撮られて精神的ロスだとか、
前立腺ガンという病気を抱えながらの戦いだとか言い訳して
これは言い訳ではないという。(笑)
支離滅裂だが相当悔しいというのはよくわかる。

6二玉は保木さんのアイディア。
コンピュータが持つすべての序盤データを無効化する一手。

作戦はわかるが、
コンピュータにとっては定跡と一手違うのも全く違うのも同じなので
6二玉のように極端に定跡を外す必要はなかったと思う。
果たして入玉狙いの作戦が最善手だったかどうか。

80手目の同歩が悪手
82手目の44歩も悪手
88手目45歩が本当の敗着らしい。

・今日の一言(本文より)
知己知彼,百戰百勝。
敵を知り己を知れば百戦危うからず。
상대를 알고 자신을 알면 싸움에 있어 지지않는다.
Know yourself, know your opponent;in a hundred battles, win a hundred victories.
He who has a thorough knowledge of the enemy and himself is bound to win in all battles.

タグ:米長邦雄
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大局観 - 自分と闘って負けない心(角川oneテーマ21) [本(将棋]

『大局観』
羽生善治(将棋棋士)
角川oneテーマ21(2011)


竜王戦の三連敗四連勝で人生観に変化したとのこと。
棋風にも変化があったかもしれない。

大局観は直感とは違うらしい。
私はてっきりゲシュタルト認識だと思っていたが……

将棋の心得。
着手する前に四つの香車を確認しなさい。
四隅を見ることで全体を見落とさないようにする。

勝負手とはマイナスの手。
お互いにマイナスの手を指すと先のマイナスの手がプラスになる。
これは面白い。

理屈で説明できるのが直感で
なんだかわからないのが閃き。

エレベータで地下一階へ行こうとして、
B1を押してあげると怒ったA級棋士。
誰だろう?

・今日の一言
幸運な勝利はあっても不運な負けはない。
운이 좋은 승리는 있어도 불운한 패배는 없다. cf.
有幸运的赢家,没有背运的输家。
Even though there are lucky wins, there are no unfortunate losses.

タグ:羽生善治
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泣き虫しょったんの奇跡-サラリーマンから将棋のプロへ [本(将棋]

『泣き虫しょったんの奇跡』
瀬川晶司(将棋棋士)
講談社(2006)


長兄はネフローゼを患うも完治。
村山の病気は完治することもあるんだ。

銀河戦対久保戦の5三桂で、
奇妙な素人くさい手で勝利。
瀬川は才能があるのに性格でプロになれなかったのかも。

教員試験も年齢制限あり35歳。
この制限は意味がわかんないな。

ところで、羽生はまた渡辺に負けた。
世代交代の時期かもしれない。
もう少し後だと思っていたが、
案外早く渡辺の時代が来るかもしれない。

・今日の一言(本文より)
僕がここまで来たのは指したい手を指してきたからじゃないか。
내가 여기까지 온 것은 두고 싶은 수를 둬 왔기 때문이 아니겠는가?
我能到今天是因为我想怎么下就怎么下的缘故吧?
I've come here because I've played what I want to play moves, haven't I?

タグ:瀬川晶司
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先を読む頭脳(新潮文庫) [本(将棋]

『先を読む頭脳』
羽生善治・松原仁・伊藤毅志(将棋現名人と人工知能研究者)
新潮文庫(2009)


とても面白い。お薦め。

学習の基本。
万人に共通の良い方法はない。自分なりスタイルを確立すること。

将棋は一手指すことがプラスになることは少ない。
これは必ずしも先手有利ではないということか。

トッププレイヤーは局面から前後の手が見える時間的チャンクを持つ。
ひとかたまりの手順をまとめた単位として認識しているのだ。

棋士ごとの気風が面白い。
大山将棋とは大差が多く一手違いは少ない。
相手に合わせて悪手でも指す。
形を認識する能力が高い。
森内:先行して反撃させて受け切る将棋
中原:細かいことを気にしない
加藤:正しいという手があると考える
渡辺:力強い粘りながら攻める
升田:感覚が優れた将棋
吉田利勝:予想がほとんど当たらない変則的な棋風
谷川:最短手順で寄せる。天才と感じる棋士

羽生はタイトル戦では相手の得意な戦法で戦う。
その戦形を極めるため。時間が長いから可能という。
それで今回の名人戦は横歩取りが多かったわけか。

アマ有段者とトッププロの盤面記憶力の違い。
序盤までは同じ。
中盤以降アマ有段者は覚えられなくなる。
ランダムな盤面の記憶力はプロもアマも同じ。
この違いか時間的チャンクというわけだ。

将棋は先手有利でなく互角ではないか。
神様の対戦は千日手。
また将棋は解けないことが証明されているそうだ。

女流の強さ。
中井と清水で奨励会初段ぐらい。

駒を捨ててスピードを優先するのは将棋だけの特徴。
これが終盤の面白さである。

将棋では流れを読み取り、その手までの手順で評価する。
これはサンク・コストの考えに反していて面白い。
論理的には前後を考えるのは誤りである。
しかし前後の流れを理解するのがプロなのである。

・今日の二言
学習には万人に共通の良い方法はなく、自分なりのスタイルを確立することが大切だ。
학습에는 만인에게 공통적으로 좋은 방법은 없고, 내 나름대로의 스타일을 확립하는 것이 중요하다.
学习的方法中,没有人人共同的好方法,最重要的是确立自己的方式。
There is no ultimate method for learning, so it is more important to establish your style.

sunk costs:Those parts of the costs of an enterprise which cannot be recovered if it ceases operations, even in the long run. These include items such as the construction costs of mines or tunnels, or the development costs of industrial processes. The existence of sunk costs tends to produce hysteresis in the economy, and helps to explain the rarity of contestable markets.
サンク・コスト(埋没原価):業務を停止しても結局は取り戻すことが出来ない企業の費用の諸部分。それには生産工程の開発費用やトンネルや鉱山の工事費用などの項目を含む。埋没原価の存在は、経済における賃金硬直性を生み出す傾向があり、また競争的な市場の希少性を説明するのに役立つ。
매몰비용 (매몰원가): 업무를 정지해도 결국은 되찾을 수 없는 기업의 비용의 제부분. 거기에는 생산 공정의 개발비용이나 터널이나 광산의 공사 비용 등의 항목을 포함한다. 매몰 원가의 존재는, 경제에 있어서의 임금경직성을 만들어내는 경향이 있고, 또 경쟁적인 시장의 희소성을 설명하는데도 도움이 된다.
沉没成本:即便停止业务也,不能恢复的企业费用的种种部分。其包括生产过程的开发费用或隧道或矿山的工程费用。沉没成本的存在,有生产在经济上的工资僵硬性的倾向,有益用说明于竞争性市场的稀少性。

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高校生女流名人誕生-里見香奈倉敷藤花が清水市代女流三冠を破る:将棋界もついに世代交代か [本(将棋]

2月10日の第36期女流名人位戦五番勝負の第3局で里見香奈倉敷藤花(17)が勝利。中盤の千日手模様の手待ちから桂馬を捨てての飛車が成り込み、金桂損ながら、駒の活用度の差で清水市代女流三冠(41)の粘りを振り切っての勝利。

女流名人位戦は三局ともに快勝である。指し手を見ていても今までの女流とは違う印象を受けた。女流に多い直線的な指し方をしないし、終盤の正確さは群を抜いている。しばらく伸び悩んでいたけども、最近は徐々に調子が上がってきた。おそらく同じ振り飛車党である男性棋士の久保利明棋王の棋譜などを研究した結果ではないかと思う。一年前と比べても序盤の組み方にかなりの変化が見られる。

女流のタイトルホルダーは順位戦以外の男性棋戦にも参加できるので、もし瀬川晶司四段と同じ成績を残せば、フリークラスでの昇格規定に準じて順位戦C2参加が有り得ると思う。ただし瀬川四段と同じ0.650という勝率は相当に厳しい。女流棋士の男性棋戦の勝率は一番高い石橋幸緒四段でもたった0.250である。これからどれだけ伸びるかが注目される。

男性の方も世代交代のムードがある。B1で手こずった渡辺明竜王(25)が2月5日のB級1組12回戦で、ついにA級に昇級を決めた。今年の勝率は0.750に及ぶ。対羽生6連勝、対森内6連勝の後、相性が悪かった深浦に3連勝、久保、行方にも勝ち始め、大きな壁を打ち破った感がある。いつ名人を奪取することになるのか、羽生善治四冠(39)が40代になったときどんな将棋で渡辺竜王と戦うのかが注目だ。

・今日の一言(辞書の比較)
名人:碁・将棋で最高の地位の一つ。
명인:바둑이나 장기에서, 최고위의 칭호의 하나.
名人:日本授予围棋、将棋名人赛优胜者的称号。
Meijin:a grandmaster of go/shogi.

タグ:里見香奈
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囲碁の力(新書y) [本(将棋]

『囲碁の力/石井妙子/新書y/2002』
著者:囲碁の観戦記者
評価:囲碁のルールや囲碁界について


囲碁は国際的だ。
現在は韓国が頭一つリードしているらしい。

欧米出身は日本棋院で四人もおり、
代表的なのは、マイケル・レイモンド九段。

女性の活躍もある。
韓国棋院の国手のタイトルを奪取したゼイ・ノイ九段は、
上海出身で当時36歳であり、世界で最も強い囲碁の強い女性。
2002年依田紀基名人を下した、
韓国のパク・チオンは19歳の女流棋士。

やっぱり日本の将棋界の女流の弱さは異常だと思う。
あるいは男性棋士のレベルが高すぎるのかな……

・今日の一言(本文より)
囲碁のルールは六つ。
바둑의 규칙은 여섯개.
围棋的规则有六个。
The game of Go has two six rules.

1.交互に打つ。
 번갈아 둔다.
 互相下。
 You place a stone alternately.

2.交点に打つ。
 교점에 둔다.
 在交点上下。
 You place a stone on an intersection.

3.一度打った石は動かせない。
 한번 둔 돌은 움직일 수 없다.
 下过一次的棋子不让动。
 You can't move the stone already placed.

4.囲めば取れる。
 둘러싸면 빼앗을 수 있다.
 围住的话,就能吃掉。
 You can take a stone when you surround it.

5.打てないところがある。
 둘 수 없는 곳이 있다.
 有不能下的地方。
 There is the place where you can't place a stone.

6.すぐに打てないところがある。
 당장 둘 수 없는 곳이 있다.
 有不能马上下的地方。
 There is the place where you can't place it immediately.

タグ:石井妙子
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[雑感]最近の将棋界 [本(将棋]

将棋は後手有利?
最近の将棋界はかなり変動がある。平成20年度の公式戦で後手が勝ち越したこと。後手一手損角換わりとゴキゲン中飛車が後手の戦法として定着したためだ。

羽生世代の崩壊
今年に入ると、羽生世代総崩れが始まった。将棋界は羽生とその同世代の独壇場だったのが、次々と負けるようになった。A級順位戦では、一期落ち確実と揶揄された高橋、井上が勝ち越し、佐藤は全敗のまま。藤井、郷田、丸山も勝率がふるわない。佐藤、藤井の陥落がほぼ当確である。森内は竜王挑戦も渡辺竜王の前にまさかの4タテを浴びてしまった。渡辺竜王は、現在、対森内6連勝中、対羽生も6連勝中である。ちょうど40歳前後というのは、体力の落ちる頃なのでその影響かもしれない。羽生名人ですら、今年の勝率は5割台と生涯で最低である。最近は羽生マジックも聞かなくなった。

四強時代へ
現在は羽生、渡辺、深浦、久保の四強時代になっている。対戦成績は、羽生は唯一、渡辺に負け越し9-10、深浦は互角28-27、久保には圧勝28-9。深浦は羽生27-28、久保に優勢15-12、渡辺に圧勝8-2。久保は渡辺に圧勝8-2し、深浦にやや劣勢12-15、羽生には惨敗9-28している。

渡辺竜王は、相性の悪い相手が多く竜王戦以外での活躍が少ない。王将リーグも陥落が決定。負け越し相手を調べると、久保、深浦だけでなく、行方1-4、杉本2-3、谷川4-5、中座1-3、佐藤11-12となっている。平均すると、先後の玉形が非対称な戦形に弱い感じだ。もともと深浦や谷川もこうした傾向があり、終盤型の棋士の特徴かもしれない。距離感が測りにくいからだ。

意外に調子が上がってきたのが谷川。光速の寄せを捨てて、大山のような相手の手を消去する指し方で受け潰して勝つようになった。これは年齢が高くなると、深く読むより広く読む方が有利であることを示している。

正規棋士になる女性は登場するか?
女流では石橋が衝撃の角の飛び越し反則負け。この反則は、棋士は目の前の盤面でなく、未来の盤面を見ていることを表している。石橋は勝ち将棋を落としてしまい、その後も負けて何とタイトルも失陥してしまった。女流は中井が運営のため低迷し、清水三冠の一強時代のままである。

矢内女王が女流名人戦のA級リーグから陥落。女流名人から2期で最短陥落は非常に珍しいケース。

里見倉敷藤花は期待が高いがなかなか他のタイトルには手が届かない。予選でいつも天敵の岩根に当たってしまうため、本戦にも出られないのだ。女流名人戦はプレーオフでの挑戦が期待されるが、ここでもまた岩根と当たる公算が大。相性の悪い岩根、そして清水女流名人に勝てるようになるか。私は里見にC2入りを期待しているので、まずタイトル独占を狙って欲しいところ。

囲碁の世界、特に韓国や中国の囲碁界では、女性が男性と対戦してタイトルを奪うようにまでなっている。それに比べると日本の将棋界はちょっと異常だと思う。

・今日の一言
一些人认为日本象棋不仅是一种游戏而是一门科学。
Some people think that Japanese chess is a science, not just a game.
ある人たちは将棋はただのゲームではなくて科学だと考えている。
어떤 사람들은 일본 장기는 게임일 뿐만 아니고 과학이라고 생각한다.

タグ:将棋
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里見香奈女流2段が倉敷藤花獲得 [本(将棋]

大山名人杯 倉敷藤花戦
大山名人杯倉敷藤花戦
倉敷藤花戦。渡辺明ブログ
キラリっ娘のそよ風日記

写真を見ると初々しい~。

林葉直子元女流名人、中井広恵女流6段に次ぐ3番目の年少記録だけど、
この二人のときとは全く意味が違う。
林葉、中井の頃は女流の棋力そのものがまだ低く、
男性棋士への公式戦初勝利もまだない頃。
おそらく奨励会1級ぐらいだった。
けれど今の女流タイトルホルダーは、
奨励会2段ぐらいと見られているから、
その段階に16歳で到達したのは大変なことなのだ。
16歳で奨励会2段なら、計算上は奨励会卒業して、
正会員として棋士になる可能性が十分にあるペースである。

ついに順位戦のC2参入可能性のある女性が出てきたように思う。
今期は16勝1敗勝率0.941と絶好調である。

特徴は終盤の強さで、これが今までの女流と全く違う。
終盤のえいやっ!という感じの無理攻めがないのだ。
女流は不利になると紛れを作らず、あっさり散る人が多い。
しかし里見2段は的確に粘って指し、逆転することが多い。
攻められないときはじっとして攻めずに粘るのである。

問題はおそらく序盤。
ずっと中飛車一本で通しているが、
果たしてこれでどこまでのびることができるか。
男性棋士で中飛車一本なのはC1の近藤正和六段だけで、
2004年度に0.822という凄い勝率を残したものの、
その後はそれほど目立たない成績である。

A級では鈴木大介八段が中飛車をよく採用するが、
三間飛車、四間飛車、向かい飛車と兼用である。
トップ棋士では後手番限定で中飛車を指す棋士が多い。

当面は苦手の序盤を固めるため、一つの戦法で通すのだろう。
一つの戦法で序盤感覚の基本を固めて、それを基本線として、
たぶんある程度経ったら、戦法の幅を広げるのだと思う。

振り飛車党はどちらかというと序盤型の棋士が多く、
終盤型の棋士はみな居飛車党だし。

女性と男性には脳の差異がある。
男性は、周辺視野⇒頭頂葉という空間視野ルートが発達しやすく、
女性は、中心視野⇒側頭葉という物体認識ルートが発達しやすい。
そのために男女の行動や能力は統計分布上にずれが出る。
特に将棋のような因果関係の流れのようなものは男性が好みやすい。

しかし将棋界における男女の棋力差は
科学的に予想される度合いを遙かに超えており、
今まで出てこなかったのはおかしいと思っていた。

里見女流は数学も得意だそうで、将棋が強いのも当然かな。
いや、将棋が強いから数学が好きになったというべきか。

・今日の一言
“出雲のイナズマ”、“倉敷藤花”奪取。
“The lightning in Izumo” won “a wisteria flower in Kurashiki”.
“이즈모(出雲)의 번개”, “구라시키(倉敷) 등나무 꽃”를 탈취.
“出云国的闪电”夺取“仓敷藤花”。

タグ:里見香奈
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頭脳勝負-将棋の世界(ちくま新書) [本(将棋]

『頭脳勝負/渡辺明/ちくま新書/2007』
著者:将棋棋士、竜王(2004-
評価:将棋のルールから棋士生活までを知る良書

※祝!竜王四連覇

棋士は集中の極限でランナーズハイになるらしい。
相当に体力も使う仕事である。

だから、相手の手番では集中力を落として考えるか、
何も考えないらしい。

将棋は指すときの態度で相手が錯覚することも。
取られたら負けで、逃げたら逆転模様の局面で、
勝ったように指して逆転勝ちしたとか。

これは竜王のブログに詳細がある。
順位戦10回戦対神谷七段戦。(渡辺明ブログ)

将棋はミスの多い方が負けるのでなく、
最後にミスした方が負ける。
点取りゲームではなく、最後の最後まで息が抜けないゲームである。

将棋は自分でコーチするもの。
スポーツでは引退したプロがコーチするが、将棋では不可能。
言葉に出来ない技術というものがほとんどないからだろう。

女流棋士の独立問題。
女流棋士は制度を変える力がなかった。
女流棋戦の契約や運営の決定権は男性棋士8名の理事会にある。
なるほど、これでは独立を望むのは当然のことである。

将棋とスポーツ観戦と違い。
それは自分の意見が確認できること。
"ああすれば良かったのに"などの考えをすぐ確認でき、
ファンが参加できるところに面白さがある。

将棋の大局観の考え方。
序盤の優劣は、攻撃態勢と守備態勢を比べる。
中盤では、攻めきるか受けきるか、どちらの攻めが早いかなど。
単純な駒得以上のセンスが必要だ。

攻めるときは攻める、受けるときは受ける。
攻めて受けると相手に駒を渡して危険という。
この間合いが難しい。

将棋では、手を選ぶことができる手番の交替がある。
序盤は、一手ごとに交替する。
それが中盤になると、3~7手ぐらいカタマリになり、
終盤の詰めの段階では、20手以上も一気に手番が続く。
手番は振り子のように振動するのだが、
それは最初一手ごとの小さな振幅で、徐々に大きな振れになり、
最後は勝者側に一気に振り切れるのである。

この"手番の振り子"を読んで間合いを計り仕掛けなければならない。

振り飛車党の利点。
それは相居飛車の定跡を覚えなくてよいこと。
矢倉、角換わり、相掛かり、横歩取りなどの定跡を覚えなくてよいのだ。
藤井九段が振り飛車党なのはそのためである。

竜王獲得は新手の力らしい。
日頃の研究が大切なのだ。

渡辺竜王や、橋本、阿久津といった人たちをまとめて、
ナリタブライアン世代と呼ぶらしい。
競馬好きだからだそうな。

原田泰夫九段の言葉。
"棋は対話なり"
一手一手に意味があり、言葉を交換しているのだ。

渡辺竜王は将棋倶楽部24で、10代の頃は毎日のように指していた。
そして今もたまに指しているらしい。
誰なんだろ、気になるなー。

著者のブログ
新書。(渡辺明ブログ)

有名ブログでもとり上げられましたね。
[コラム] 「頭脳勝負 将棋の世界」(渡辺明著 ちくま新書)(My Life Between Silicon Valley and Japan)
将棋はスポーツだ! - 書評 - 頭脳勝負(404 Blog Not Found)

・今日の一言
将棋は最後にミスをした方が負ける。
If you make a last mistake in the game of shogi, you lose it.
장기 중에서 최후에 실수를 한 사람이 지다.
下象棋,最后失误的人输。

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構想力(角川oneテーマ) [本(将棋]

『構想力/谷川浩司/角川oneテーマ/2007』
著者:将棋棋士、十七世名人
評価:将棋棋士の考える自己研鑽の方法

対局相手の研究では、
仕掛けまでの序盤を重点的に研究する。
終盤以下は個人差がないから。

将棋棋士が研究するテーマ図。
10の戦型に3~5つの課題の局面があるらしい。
今だったらゴキゲン中飛車とか、
一手損角換わり、角交換向かい飛車あたりに、
テーマ図がたくさんありそう。

二人のトップ棋士の特徴。
終局近くまで綿密にシミュレーションする森内俊之。
後手番では戦法を決めず相手の土俵で戦う羽生善治。
対照的なライバルである。

64期名人戦第二局一日目終了時の消費時間。
森内1時間、谷川6時間以上。
完全な作戦負けであった。
あるいは森内名人のシミュレーション戦略の凄さというべきか。

谷川というと終盤力。
中盤ぐらいから相手玉を詰めるパターンを思い浮かべるらしい。
ここにピタッとはまると"光速の寄せ"が出るわけだ。

中盤の考え方。
形勢不利なときは、要因を見極めること。
駒の損得、駒の働きなどを調べて、
その主張できるところを伸ばすのである。

将棋棋士の理想。
勝負師、研究者、芸術家の顔をバランスよく持つこと。
多面的な人こそ高い能力を維持できるわけ。

集中力は長くても1時間ぐらいしかもたない。
時間は15-20分単位で区切って使うという。
これは勉強や仕事でも言えることかもしれない。

持ち時間の長い将棋で時間を残す人はたいしたことがないという。
これって、山崎や田村のことだな。
確かに長く考える棋士、加藤や郷田などは、
年齢による衰えが小さいように感じがある。

著者の礼儀正しさは有名である。
"礼儀やマナーは他人に対する想像力"
礼儀は強さと相関するのだ。

プレッシャーに対する考え方。
練習のときは自分が一番弱い、
試合のときは自分が一番強いと思うこと。
あらゆる競技に言えることかもしれない。

気になる表現。
"高速道路の出口で渋滞する若手"
これは羽生二冠の言葉と思う。
羽生本と谷川本は、同じライターが書いているので、
混同しているのかもしれない。

『挑戦する勇気/羽生善治/朝日選書/2002』
著者:将棋棋士
評価:簡単な内容・すぐ読める

羽生善治の子ども時代、初の大会は準優勝。優勝したのは先崎学である。
先ちゃん、昔は強かったのに……B2は寂しいな。

十代前半で骨格=指し手の直観が固まるという。
そうなのか、それじゃ、私が強くならないのは当然か。

棋譜の記憶は音楽に似る、リズムで覚えているという。
確かに、私も自分で指した将棋の棋譜はほとんど覚えている。

将棋はスピードレースで、チェスはポジションレースであるという。
チェスは、最後の形を決めるように持ち込むのに対して、
将棋では相手との競争になる。
チェスは駒が減るので、お互いの寄せ合いになることがないが、
将棋の終盤は、どちらが先に相手玉を寄せるかの勝負なのだ。

将棋の面白さは、序盤、中盤、終盤で
ゲームの質=盤面評価の方式がが変わることだ。

羽生マジックはワナに掛けているわけではないそうだ。
相手を誘導しているわけじゃないのか。
確かに意外な最善手であることが多い。

『将棋とチェスの話/松田道弘/岩波ジュニア新書/2000』
著者:マジック、ミステリ、パズル、ゲームの研究家
評価:盤上ゲームについての雑学

石けりはhopscotchという輸入された遊びだそうだ。

イギリスのreversiが100年後に日本でオセロになった。
純日本製じゃなかったのか。

"水に落ちた犬を撃て"は魯迅の言葉。
中国人の性格の反対を表す言葉ようだ。

『囲碁・将棋100の金言/蝶谷初男・湯川恵子/祥伝社新書/2006』
著者:コピーライター、将棋ペンクラブ会員
評価:ほとんど無内容だし内容があまりに強引過ぎる

出だしの話がこじつけすぎ。
著者の棋力も高くなさそうだ。
格言がなぜ正しいのかわかってないように思う。
強くなるのにも役に立ちそうもない。

・今日の一言
礼儀やマナーは他人に対する想像力である。
Courtesy and manners are imagination to others.(Tanikawa Koji)
예의나 매너는 다른 사람에게 대한 상상력이다.(다니가와 고지)
礼仪和礼节是一种推测别人心理的能力的表现。(谷川浩司)

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ボナンザVS勝負脳-最強将棋ソフトは人間を超えるか(角川oneテーマ21) [本(将棋]

本。渡辺明ブログ
竜王が本を出しているので読んだ。

『ボナンザVS勝負脳』
渡辺明(将棋竜王)
保木邦仁(ボナンザ開発者・物理化学者)
角川oneテーマ21(2007)


若い二人の率直な発言が面白い。

ボナンザの開発者は化学制御反応の研究者。
そのコンピュータ技術を使ってプログラムを考えたらしい。

ボナンザの特徴は、
全幅探索とコンピュータ自身に学習させたこと。
手を限定して考えるのではなく、全部を考えるのだ。
そのため生まれたのが、
金無双のようなボナンザ囲いであり、
中盤での強引な角切りらしい。

ソフトは嫌がる手を指さないが、ボナンザのみは指すという。
ボナンザは攻撃的なので、攻め合いになりやすいからかも。

人間とコンピュータの違い。
人間は構想を描いてそれに沿った手を読むが、
ソフトはその場で発見した手を読む。
流れを無視するのがコンピュータ。

面白い例が竜王のブログにある。
不思議。
これなど、コンピュータには絶対有り得ない判断である。

これは人工知能と人間の違いでもある。
過去があり、四次元的存在なのが人間であり、
今現在のみなのがコンピュータである。

またコンピュータは"一手一手"がわからない。
ただ手順が長くなるだけで勝ち目のない手を指してしまうのだ。

竜王は、早指しのとき、30秒で候補手が5つなら、
3つ見て瞬間に捨て、残り二つを10秒ずつ考えて、
残り10秒で決定するらしい。
最初に3つ捨てるのが最も難しいところだ。
直観、すなわちパターン認識できなければならない。

将棋の先手勝率は5割2分らしい。
これは特に上位になると差がつくらしく、
後手での戦法が最も研究されている。
一手損角換わり、横歩取り8五飛戦法などは後手専門の作戦。
相矢倉の変形として後手銀冠の対局もよく見る。

将棋の最善手は一つだが、囲碁は複数あるらしい。
盤面の広さが違うためだろうか。
あるいは駒に特徴がないので、手に大きな差がないのかもしれない。

・今日の二言
将棋の先手勝率は5割2分だ。
The initial player's winning percentage in shogi is 52 percent.
장기의 선수 승률은 5할 2푼이다.
象棋先手的取胜比率是百分之五十二。

人間は構想を描いてそれに沿った手を読むが、ソフトはその場で発見した手を読む。
A man reads the moves in line with his plan, but a software reads the moves found on the moment.
사람은 구상을 가다듬고 그것에 따른 패를 읽지만, 소프트웨어는 당장에 발견한 패를 읽는다.
人考虑沿着设想的手,软件考虑当场发现的手。

他のブログでも話題ですね。
■[読書] ボナンザVS勝負脳 (保木邦仁、渡辺明共著)My Life Between Silicon Valley and Japan

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[将棋] 第48期王位戦 第7局 深浦王位誕生 [本(将棋]

今期の王位戦は、7戦目にもつれ込み、遂に深浦新王位の誕生となった。
7戦すべてが凄いレベルの戦いだったが、最後の7戦目も凄い。
第48期王位戦 第7局 棋譜

深浦新王位。(渡辺明ブログ)
によると、
106手目の△6九銀不成で△7六桂とすれば、
後手の羽生王位の勝ちだったようだ。
105手目▲7七桂が詰めろ逃れの詰めろで、
実戦は以下、△6九銀、▲6二金打、△同角、▲同金、△同玉、
▲5三角打、△同玉、▲6五桂、△同桂、▲5一龍、△投了である。

以下は、
△5二歩、▲5四飛、△6三玉、▲5二飛成、△7三玉、▲7一龍、
△8四玉、▲7四龍、△9五玉、▲9六歩まで

▲7七桂が飛車を取って5三玉に王手するのが見事で、
最後は7八香が効いて7四龍とひくことができるため詰みである。

ところが△6九銀不成で△7六桂とすると、
同じ手順で詰めようとすると、
△7六桂、▲6二金打、△同角、▲同金、△同玉、▲5三角打、△同玉、
▲6五桂、△同桂、▲5一龍、△5二歩、▲5四飛、△6三玉、
▲5二飛成、△7三玉、▲7一龍、△8四玉……
ここで7六桂がいるために、▲7四龍とひくことができないのだ。

△7六桂は、"詰めろ逃れの詰めろ逃れの詰めろ"なのだ。

△7六桂に対して、▲8九金と受けるのは、
一手一手と手数が延びるだけだからだめ。
面白そうなのは、7七桂を使って飛車を取る手順なので、
▲6三金と捨て、△同玉、▲6一龍と寄る手を考える。
ここで△6二金と合い駒する。これが△6二銀だと
▲同金、△同角、▲5二銀、△5三玉、▲6五桂以下、詰んでしまう。
△6二金以下は、▲同金、△同角、▲5三金、△同玉、▲6五桂、
ここでは△同桂は▲5二飛以下詰み。
だから、△同歩、▲5二飛、△6四玉、▲6二飛成、△7五玉で
後手玉は捕まらないようだ。

・今日の一言
後手の7六桂は"詰めろ逃れの詰めろ逃れの詰めろ"だ。
White 7×6 kei is "pre-mating of escaping of escaping pre-mating".
후수의 7×6계마(桂馬)는 "외통을 벗어난 외통을 벗어난 외통"이다.
后手的7六桂是"反将的反将"。

中国語で、詰めろは"叫將"、詰めろ逃れの詰めろは"反將"というらしい。
英語と韓国語はわけわからん。(笑)


[将棋] 今期の王位戦、羽生×深浦は超ハイレベルだ。 [本(将棋]

深浦康市八段がめちゃめちゃ強い!
王位戦で遂に最強棋士羽生三冠を追いつめた。
第48期王位戦 第4局

通算対戦成績も16-16で五分。
タイトル戦もいろいろあるけど、今回の王位戦は超ハイレベル。
どの対局も目立った悪手がないのだ。
特にこれほどまでに終盤の読みが正確無比なのには驚いた。

その深浦八段は羽生キラーと呼ばれている。
対羽生戦で最も勝率がいいのが深浦八段なのである。
ところが、深浦八段は佐藤棋聖と藤井九段に相性が悪い。
これはなぜなのか?
深浦八段といえば、その研究の深さで知られる棋士だ。
それに加えて羽生三冠に匹敵する終盤力があるなら、
ほとんど誰にも負けないはずではないか。

まず主要棋士の対戦成績を見てみよう。(from 2chの相性スレ)

   羽生 森内  佐藤  谷川  藤井  深浦  渡辺
羽生  -  49-40 84-42 93-62 28-14 16-16 05-03
森内 40-49  -  25-27 27-26 14-05 06-05 08-07
佐藤 42-84 27-25  -  33-28 19-08 16-10 10-06
谷川 62-93 26-27 28-33  -  13-13 09-09 03-03
藤井 14-28 05-14 08-19 13-13  -  16-05 02-02
深浦 16-16 05-06 10-16 09-09 05-16  -  05-01
渡辺 03-05 07-08 06-10 03-03 02-02 01-05  - 

羽生三冠と互角に渡り合うのに、藤井九段、佐藤棋聖に苦戦し、
渡辺竜王には大きく勝ち越す。
奇怪な対戦結果である。

将棋の強さには、大きく3つの要素がある。
a,読みの正確さ b.研究の深さ c.大局観である。

手順の変化を正確に見落としなく読み切る力が終盤力となり、
研究に裏打ちされた手筋による仕掛けが中盤力となり、
盤面の駒の配列から状勢の良し悪しを評価するのが大局観である。

ズバリ結論を言えば、深浦八段は大局観が悪いのだと思う。
主要な棋士の能力を想定してみた。

 読みの正確さ 研究の深さ 大局観 基本戦法
羽生   ◎    ◯    ◎  居飛車-後手振り
森内   ◯    ◎    ◯  居飛車-後手振り
佐藤   ◯    ◯    ◎  変則
谷川   ◎    ◯    ◯  居飛車-後手振り
藤井   △    ◎    ◯  振り飛車
深浦   ◎    ◎    △  居飛車
渡辺   ◯    ◎    ◯  居飛車

谷川九段は、以前は藤井九段と相性が悪かったが、今は五分である。
これは相振りを多用するようになったからだ。
先後同型にすることで大局観を補っているのだ。
対振り飛車のような対抗形は、大局観が読みにくい。
振り飛車と居飛車は、大局観の読み方が違うからだ。
相振りは鏡像の相矢倉なので、大局観が読みやすい。

深浦八段が羽生三冠、渡辺竜王に強いのは、
居飛車同士の戦いになりやすく、
大局観が混乱しないからではないか。
逆に、佐藤棋聖や藤井九段に苦戦するのは、
正体不明の乱戦になりやすく、
盤面評価がうまくできなくなるためではないだろうか。

最近、深浦八段はしばしば振り飛車を指すようになってきたが、
これは大局観改善のための対策なのかもしれない。

・今日の一言
将棋の強さとは、読みの正確さ、研究の深さ、大局観である。
The strength of shogi is correctness of thinking, depth of study and perspective.(△)
장기 솜씨과는 예측의 정확도, 연구의 깊이, 대국관이다.(△)
所谓棋力是推算的准确度、研究的深度和大局判断力。(△)


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[You Tube]棋士のプロポーズ!? [本(将棋]

山﨑七段「この手が外れたら矢内さんを諦めます」
面白いというか、ほのぼの可愛いというか。
左はアシスタントの現女流名人矢内理絵子。
右は解説者の2004年度NHK選手権杯者山崎隆之。

将棋を知らない人からすると、現女流名人がアシスタントというのは、
不思議な感じがするだろうが、
女流名人は男性の奨励会の2段ぐらいの強さで、
男性ならプロになれない棋力である。
将棋界ではこの男女の棋力格差は大問題である。

さて、この棋譜は第64期名人戦 第1局 なのだが、(以下、推測)
おそらくどうも△7四同歩のかわりに△6四角を推薦してしまったらしい。
ところが▲4六角、△同角、▲同歩、△7四歩に、▲6四角と打たれ、
△7三角と打っても、▲5三角成に、
4六の歩があるため先手の飛車が取れず必敗になるようだ。
▲4六角に、△5五銀と出る手もあるが、強く▲同銀と取られ、
△同角、▲4六銀、△6四角、▲5五銀打、
△7五角、▲7三歩成と攻められて先手が優勢らしい。

・今日の一言
この二人の合作は成功するでしょうか?
Would their collaboration succeed?
과연 그 두 사람의 합작은 성공할 수 있을까?
这两个人的合作会成功吗?

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棋士になるには [本(将棋]

『棋士になるには/大矢順正/ぺりかん社/1997』

フリークラスの対局料\37000、
これだと負けてばかりの棋士は生活できないね。辛そう。

タグ:大矢順正
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