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頭脳勝負-将棋の世界(ちくま新書) [本(将棋]

『頭脳勝負/渡辺明/ちくま新書/2007』
著者:将棋棋士、竜王(2004-
評価:将棋のルールから棋士生活までを知る良書

※祝!竜王四連覇

棋士は集中の極限でランナーズハイになるらしい。
相当に体力も使う仕事である。

だから、相手の手番では集中力を落として考えるか、
何も考えないらしい。

将棋は指すときの態度で相手が錯覚することも。
取られたら負けで、逃げたら逆転模様の局面で、
勝ったように指して逆転勝ちしたとか。

これは竜王のブログに詳細がある。
順位戦10回戦対神谷七段戦。(渡辺明ブログ)

将棋はミスの多い方が負けるのでなく、
最後にミスした方が負ける。
点取りゲームではなく、最後の最後まで息が抜けないゲームである。

将棋は自分でコーチするもの。
スポーツでは引退したプロがコーチするが、将棋では不可能。
言葉に出来ない技術というものがほとんどないからだろう。

女流棋士の独立問題。
女流棋士は制度を変える力がなかった。
女流棋戦の契約や運営の決定権は男性棋士8名の理事会にある。
なるほど、これでは独立を望むのは当然のことである。

将棋とスポーツ観戦と違い。
それは自分の意見が確認できること。
"ああすれば良かったのに"などの考えをすぐ確認でき、
ファンが参加できるところに面白さがある。

将棋の大局観の考え方。
序盤の優劣は、攻撃態勢と守備態勢を比べる。
中盤では、攻めきるか受けきるか、どちらの攻めが早いかなど。
単純な駒得以上のセンスが必要だ。

攻めるときは攻める、受けるときは受ける。
攻めて受けると相手に駒を渡して危険という。
この間合いが難しい。

将棋では、手を選ぶことができる手番の交替がある。
序盤は、一手ごとに交替する。
それが中盤になると、3~7手ぐらいカタマリになり、
終盤の詰めの段階では、20手以上も一気に手番が続く。
手番は振り子のように振動するのだが、
それは最初一手ごとの小さな振幅で、徐々に大きな振れになり、
最後は勝者側に一気に振り切れるのである。

この"手番の振り子"を読んで間合いを計り仕掛けなければならない。

振り飛車党の利点。
それは相居飛車の定跡を覚えなくてよいこと。
矢倉、角換わり、相掛かり、横歩取りなどの定跡を覚えなくてよいのだ。
藤井九段が振り飛車党なのはそのためである。

竜王獲得は新手の力らしい。
日頃の研究が大切なのだ。

渡辺竜王や、橋本、阿久津といった人たちをまとめて、
ナリタブライアン世代と呼ぶらしい。
競馬好きだからだそうな。

原田泰夫九段の言葉。
"棋は対話なり"
一手一手に意味があり、言葉を交換しているのだ。

渡辺竜王は将棋倶楽部24で、10代の頃は毎日のように指していた。
そして今もたまに指しているらしい。
誰なんだろ、気になるなー。

著者のブログ
新書。(渡辺明ブログ)

有名ブログでもとり上げられましたね。
[コラム] 「頭脳勝負 将棋の世界」(渡辺明著 ちくま新書)(My Life Between Silicon Valley and Japan)
将棋はスポーツだ! - 書評 - 頭脳勝負(404 Blog Not Found)

・今日の一言
将棋は最後にミスをした方が負ける。
If you make a last mistake in the game of shogi, you lose it.
장기 중에서 최후에 실수를 한 사람이 지다.
下象棋,最后失误的人输。

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