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構想力(角川oneテーマ) [本(将棋]

『構想力/谷川浩司/角川oneテーマ/2007』
著者:将棋棋士、十七世名人
評価:将棋棋士の考える自己研鑽の方法

対局相手の研究では、
仕掛けまでの序盤を重点的に研究する。
終盤以下は個人差がないから。

将棋棋士が研究するテーマ図。
10の戦型に3~5つの課題の局面があるらしい。
今だったらゴキゲン中飛車とか、
一手損角換わり、角交換向かい飛車あたりに、
テーマ図がたくさんありそう。

二人のトップ棋士の特徴。
終局近くまで綿密にシミュレーションする森内俊之。
後手番では戦法を決めず相手の土俵で戦う羽生善治。
対照的なライバルである。

64期名人戦第二局一日目終了時の消費時間。
森内1時間、谷川6時間以上。
完全な作戦負けであった。
あるいは森内名人のシミュレーション戦略の凄さというべきか。

谷川というと終盤力。
中盤ぐらいから相手玉を詰めるパターンを思い浮かべるらしい。
ここにピタッとはまると"光速の寄せ"が出るわけだ。

中盤の考え方。
形勢不利なときは、要因を見極めること。
駒の損得、駒の働きなどを調べて、
その主張できるところを伸ばすのである。

将棋棋士の理想。
勝負師、研究者、芸術家の顔をバランスよく持つこと。
多面的な人こそ高い能力を維持できるわけ。

集中力は長くても1時間ぐらいしかもたない。
時間は15-20分単位で区切って使うという。
これは勉強や仕事でも言えることかもしれない。

持ち時間の長い将棋で時間を残す人はたいしたことがないという。
これって、山崎や田村のことだな。
確かに長く考える棋士、加藤や郷田などは、
年齢による衰えが小さいように感じがある。

著者の礼儀正しさは有名である。
"礼儀やマナーは他人に対する想像力"
礼儀は強さと相関するのだ。

プレッシャーに対する考え方。
練習のときは自分が一番弱い、
試合のときは自分が一番強いと思うこと。
あらゆる競技に言えることかもしれない。

気になる表現。
"高速道路の出口で渋滞する若手"
これは羽生二冠の言葉と思う。
羽生本と谷川本は、同じライターが書いているので、
混同しているのかもしれない。

『挑戦する勇気/羽生善治/朝日選書/2002』
著者:将棋棋士
評価:簡単な内容・すぐ読める

羽生善治の子ども時代、初の大会は準優勝。優勝したのは先崎学である。
先ちゃん、昔は強かったのに……B2は寂しいな。

十代前半で骨格=指し手の直観が固まるという。
そうなのか、それじゃ、私が強くならないのは当然か。

棋譜の記憶は音楽に似る、リズムで覚えているという。
確かに、私も自分で指した将棋の棋譜はほとんど覚えている。

将棋はスピードレースで、チェスはポジションレースであるという。
チェスは、最後の形を決めるように持ち込むのに対して、
将棋では相手との競争になる。
チェスは駒が減るので、お互いの寄せ合いになることがないが、
将棋の終盤は、どちらが先に相手玉を寄せるかの勝負なのだ。

将棋の面白さは、序盤、中盤、終盤で
ゲームの質=盤面評価の方式がが変わることだ。

羽生マジックはワナに掛けているわけではないそうだ。
相手を誘導しているわけじゃないのか。
確かに意外な最善手であることが多い。

『将棋とチェスの話/松田道弘/岩波ジュニア新書/2000』
著者:マジック、ミステリ、パズル、ゲームの研究家
評価:盤上ゲームについての雑学

石けりはhopscotchという輸入された遊びだそうだ。

イギリスのreversiが100年後に日本でオセロになった。
純日本製じゃなかったのか。

"水に落ちた犬を撃て"は魯迅の言葉。
中国人の性格の反対を表す言葉ようだ。

『囲碁・将棋100の金言/蝶谷初男・湯川恵子/祥伝社新書/2006』
著者:コピーライター、将棋ペンクラブ会員
評価:ほとんど無内容だし内容があまりに強引過ぎる

出だしの話がこじつけすぎ。
著者の棋力も高くなさそうだ。
格言がなぜ正しいのかわかってないように思う。
強くなるのにも役に立ちそうもない。

・今日の一言
礼儀やマナーは他人に対する想像力である。
Courtesy and manners are imagination to others.(Tanikawa Koji)
예의나 매너는 다른 사람에게 대한 상상력이다.(다니가와 고지)
礼仪和礼节是一种推测别人心理的能力的表现。(谷川浩司)

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江嵜慶

Kay-akira Hirotaさん、こんにちは。

『構想力』読みました。

ブログのスタイル、コンテンツともに参考になります。
TBさせていただきました。
今後とも宜しくお願いします。
by 江嵜慶 (2007-12-23 17:29) 

Kay-akira_Hirota

凄い読書量ですね。こちらこそよろしく。
by Kay-akira_Hirota (2007-12-24 00:05) 

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