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天体写真でひもとく宇宙のふしぎ(サイエンス・アイ新書) [本(物理/天文]

『天体写真でひもとく宇宙のふしぎ/渡部潤一/サイエンス・アイ新書/2009』
著者:太陽系小天体の観測的研究
評価:カラーで楽しむ天文学


地球温暖化、マウンダー極小期で寒冷化も。
化石燃料燃やしても氷河期が来たら勝ち目なしである。

火星で水による浸食溝。2001年と2005年で形が違う。
今も液体の水が流れているかも。
太陽系最大の火山火星のオリンポス山は高さ27km。
240万年前に噴火の形跡あり。意外に活火山かも。

太陽系で一番生命の可能性が高いのは木星の衛星エウロパ。
エウロパの地下の海には魚が泳いでいるかもしれないのだ。

・今日の一言
木星の衛星エウロパの地下の海には魚が泳いでいるかもしれない。
목성 위성 에우로파의 지하 바다에는 물고기가 헤엄치고 있을 지도 모른다.
在木星的卫星欧罗巴地下的海洋里有可能鱼在游泳。
There might be fish swimming in the underground sea of Jupiter's satellite Europa.

タグ:渡部潤一
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人類が生まれるための12の偶然(岩波ジュニア新書) [本(物理/天文]

『人類が生まれるための12の偶然』
眞淳平(サイエンスライター)
松井孝典(地球科学者)
岩波ジュニア新書(2009)


宇宙の歴史を知る良書。

ビッグバンは宇宙の始まりではない。
宇宙の誕生⇒インフレーションによる相転移⇒ビッグバン。
宇宙が始まってからがビッグバンなのである。

宇宙に20以上存在するグレートウォール。
少し離れたところに数万の銀河からなる乙女座銀河団。
天の川銀河は直径一億光年の乙女座銀河団の一員。

地球誕生のとき自転は一日6時間しかなかった。
ジャイアントインパクトで地軸が傾き、月が誕生する。

水の神秘。
0度の氷は0度の水より密度が小さい。
氷が水に浮くのはそのため。
個体より液体の方が重い神秘の物質が水なのだ。

イーストサイドストーリーから視野拡大説へ。
人類の二足歩行はその視野の広さにある。

地球と人類の関係。
地球にとって人類のかわりはいくらでもいる。
環境保護とは人類保護なのである。

・今日の一言
天の川銀河は直径一億光年の乙女座銀河団の一員である。
우리 은하는 지름 1억광년인 처녀자리은하단의 일원이다.
这条银河是有一亿光年直径的室女座银河团的一个成员。
The Milky Way Galaxy is a member of the Virgo supercluster, which diameter is 100 million light-years.

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ホーキング、宇宙のすべてを語る [本(物理/天文]

『ホーキング、宇宙のすべてを語る/スティーヴン・ホーキング,他/ランダムハウス講談社/2005』
著者:理論物理学
評価:宇宙の神秘を知る良書


重力と時間の関係。
太陽の表面に時計を置くと一年に一分遅れる。

宇宙には果てがなく宇宙は一周して元の位置に戻ることができる。
ただしそれまでに一点に再収縮してしまうけど。

十億年ごとに5-10%宇宙は膨張。
宇宙の膨張は今も加速している。

空間の次元が3つより多いときの問題点。
重力が急激に減衰すること。
空間が3次元だから、生物も存在できるのだ。

・今日の一言
太陽の表面に時計を置くと一年に一分遅れる。
태양 표면에 시계를 두면 일년에 1분 늦는다.
如果太阳的表面上放上时钟,一年就会慢一分。
The clock on the surface of the sun loses one minute a year.

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光速より速い光-アインシュタインに挑む若き科学者の物語 [本(物理/天文]

『光速より速い光/ジョアオ・マゲイジョ/NHK出版/2003』
著者:ポルトガル出身の理論物理学者
評価:自伝+理論紹介


重力は重力それ自体からも出ている。
これってどういうことだろ?

光は真空を媒体とする振動のこと。

アインシュタインの変人ぶり。
大きい猫と小さい猫を飼っていたアインシュタインは、
ドアにも大きい穴と小さい穴を空けた。
大きい穴一つで十分じゃん!

宇宙の膨張は加速している。謎の斥力の存在。
真空の重力は斥力であり真空は負の重さを持つ。

宇宙の年齢150億年が宇宙の地平線。
しかしその向こうにも宇宙は広がっている。

イギリスは無学な人たちのほとんどが
自分の子どもにも無学であってもらいたいと思う世界で唯一の国。
日本もそうなんだが、どういう共通点があるんだろう?

最近の実験では遠くの星雲と微細構造定数が違うことが示唆。
著者は光速度はかつてもっと速かったとしている。
光速度Cが減少していると考えているのだ。
この考えはインフレーション理論を追放するものでもある。
物理学に革命が起こるのも近いのかも。

考えてみれば、光速度Cは光の速度そのものではない。
光はCより遅くなることができる。
あらゆる物質はCより速く動かない。
万物の速度の上限がCである。
すなわちCは光とは関係がない。
Cは空間の性質である。
宇宙の膨張ととも空間の性質に変化があってもおかしくない。

私たちがかつて光の動きと考えていたのは誤りで、
光はただ振動しているだけであり、モノが動くのと、
遠くの星から光が到達するのは全く別の事象だと思う。

物質は空間の励起状態であるから、
Cとは真空の振動に関する定数なのだろう。

・今日の二言
真空は負の重さを持つ。
진공은 부의 무게를 가진다.
真空有负数的重量。
Vacuum has negative weight.

大きい猫と小さい猫を飼っていたアインシュタインはドアにも大きい穴と小さい穴を空けた。
큰 고양이와 작은 고양이를 기르고 있었던 아인슈타인은 문에도 큰 구멍과 작은 구멍을 뚫었다.
爱因斯坦养了大猫和小猫,他在门里挖了大窟窿和小窟窿。
Einstein, who had a big cat and a small cat, also made a small hole and a big hole in the door too.

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時空の歩き方-時間論・宇宙論の最前線 [本(物理/天文]

『時空の歩き方/スティーブン・ホーキング,他/早川書房/2004』
著者:理論物理学
評価:ホーキングは一部に寄稿しただけ。


強い重力場は時間のペースを遅くする。

タイムトラベルをなぜ研究するか。
タイムトラベルは不可能であると判明したとしても、
それがなぜ不可能であるのかを理解することが重要なのだ。

ワームホールのタイムトラベルはよく聞くけど、
私は双子のパラドックスにしかならないと思うのだが……

・今日の一言
タイムトラベルは不可能であると判明したとしてもそれがなぜ不可能であるのかを理解することが重要なのだ。
시간 여행이 불가능하다고 밝혀졌다고 해도 그것이 왜 불가능한 것인지를 이해하는 것이 중요한 것이다.
即使明白时空旅行是不可能的,但是去理解为什么不可能的是很重要的。
Even if it's revealed that time travel is impossible, it's important to understand why it is impossible.

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迷走する物理学 [本(物理/天文]

『迷走する物理学』
リー・スモーリン(量子論重力理論、宇宙論、相対論)
ランダムハウス講談社(2007)


物理学最前線。

宇宙のほとんどは見えない物質。
物質密度の70%はダークエネルギー、26%はダークマターで、
通常物質は4%しかないのだ。

プランク長さと特殊相対論の矛盾点。
最短の長さに対して光速度近くで動くとさらに短くなってしまうこと。

驚くべきVSL宇宙論。Variable Speed of Light。
宇宙が始まった頃は光は今より速く伝わったとする。
低エネルギーの光子のみ速さが一定なのである。
インフレーション理論が不要になるのだ。
これは案外に有望なのではないかと思う。

空間が根本的なものだという考えを捨てる。
空間はより根本的な記述から発生するという。
空間を連続体とするのは錯覚で、
空間は数えることのできる積み木のようなもの。
空間は離散的な原子でできているという。

・今日の一言(本文より、アインシュタイン)
It's not that I'm so smart, it's just that I stay with problems longer.
私は頭がいいわけではない。問題に人より長い間とどまれるだけだ。
나는 똑똑한 것이 아니라 단지 문제를 더 오래 연구할 뿐이다.
并不是我很聪明,而只是我和问题相处得比较久一点。

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ワープする宇宙-5次元時空の謎を解く [本(物理/天文]

『ワープする宇宙』
リサ・ランドール(理論物理学、素粒子物理学、ひも理論)
日本放送出版協会(2007)


次元と宇宙の謎に迫る。

著者のリサ・ランドールは、
ワープした余剰次元"warped extra dimensions"を提唱する
ジョディ・フォスター似の美貌の女性理論物理学者。

深淵な理論科学も応用と関係する。
余剰次元の痕跡はテフロン加工のフライパンにあり。

アインシュタインの相対性理論もGPSシステムで活躍する。

次元とは何か?
ある空間の一点を正確に特定するに知らなくてはならない量の数。

超球/四次元球が宇宙を突っ切ると、
三次元の球が大きくなってまた小さくなるように見える。

巻き上げられた次元をたとえるホース。
2次元の一つが有限ループになり疑似一次元になる。
3次元では各空間点に円がある。
4次元で2つ巻き上げられていれば各空間的にドーナツがある。

科学の発展の特性を述べたケルヴィン卿。
科学の財産は複利式に殖えていく。
それは加速的に増えるのだ。

ニュートンの謙遜の言葉、巨人の肩にのって……。
敵対相手のフックが背が低いので嫌みを言ったらしい。
この方がニュートンの性格にふさわしい気はする。

物理粒子の名付け方。
サティエンドラ・ナート・ボーズにちなんでボーズ粒子・ボソン。
エンリコ・フェルミにちなんでフェルミ粒子・フェルミオン。

二種類の違い。
ボソンは同じ場所にいつくも存在できるがフェルミオンはできないこと。

パリティ対称性の破れ。
粒子とその鏡像が異なるふるまいをすること。

弱い力は左右を区別するが、他の力は左右を区別しない。
弱い力の作用を受けるのは左回りの粒子のみで
右回りには作用しないのだ。

光子、ウィークボソン、グルーオン。
原則としてはどの方向にも振動できるが、
実際には進行方向に対して垂直にしか振動しない。

思うにこれは重大な意味があるように思う。
なぜ進行方向には振動しないのか?
その方向に光速度で進んでいるからである。
光子は進行方向に振動しないのではないのだ。
その光速度という動き自体が振動ではないかと思うのだ。
光子、ウィークボソン、グルーオンの光速度の動きは、
他の物質が"動く"というのは全く違う意味を持つと思う。

・今日の一言
科学の財産は複利式に殖えていく。(ケルヴィン卿)
과학의 재산은 복리식으로 늘어난다. (켈빈 경)
科学的财产从复利式增加下去。(开尔文勋爵)
Treasures of science increase at compound interest.(Lord Kelvin)

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世界が変わる現代物理学(ちくま新書) [本(物理/天文]

『世界が変わる現代物理学』
竹内薫(サイエンスライター)
ちくま新書(2004)


現代物理学の紹介。

読者が嫌うのは数式。
物理学の数式は日常言語における詩に等しいという。

相対性理論の等価原理。
加速度は重力と区別がつかないということ。

シュレーディンガーの猫は決着済み。
検出の時点で量子の計算は終わりだから。

ピカソなどのキュビズム。
複数の視点から観た世界が同一のキャンパスに描かれるもの。

量子の面白さ。
縦通過フィルターと横通過フィルターの間に、
45度の斜め通過フィルターを入れると量子は通過する。
しかし、縦通過フィルターと横通過フィルターだけだと、
量子は通過しないのである。

・今日の一言
物理学の数式は日常言語における詩のようなものです。
Mathematical equations of physics are something like poetry in everyday language.
물리학의 수식은 일상 언어에 있어서의 시 같은 것입니다.
物理学的算式是像在日常语言中的诗歌一样的东西。

タグ:竹内薫
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宇宙論入門-誕生から未来へ(岩波新書) [本(物理/天文]

『宇宙論入門-誕生から未来へ』
佐藤勝彦(物理学、インフレーション宇宙および宇宙の多重発生理論を提唱)
岩波新書(2008)


最新物理学の世界を知る。

超伝導体の中では電磁力は短距離しか及ばない。
それは光子が重さを持ち、クーパー対と力を及ぼし合うため。

地平線問題。
物質やエネルギーを平坦にすることは原理的にできないのに、
なぜ宇宙は一様なのか。
その回答が著者の提唱するインフレーション理論。

超ひも理論。
波長の最も長い基本波が素粒子に対応する。
あらゆる素粒子には
スーパーパートナーが存在するという超対称性を持つ。

Dブレーン理論。
粒子のひもの両端はブレーンの上にくっついている。
ブレーンの上ではひもは自由に動く。
ただし重力子はひもが輪で端がなく、
ブレーンから自由に出入りする。

ダイソンの究極の生命体。
電子と陽電子ガス生命体。
原子がなくなった宇宙での生命。
電子と陽電子のゆるく結びついたものという。
これが生命として成立するというのは実に不思議だ。

・今日の一言
超ひも理論によるとあらゆる物質の根源は振動するひもである。
초끈 이론에 의하면 모든 물질의 근원은 진동하는 끈이다.
根据超弦理论所有物质的根源是振动的绳子。
According to superstring theory, all physical matter is made up of vibrating strings.

タグ:佐藤勝彦
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始まりの科学-宇宙、銀河、太陽系、種、生命、そして人類まで(サイエンス・アイ新書) [本(物理/天文]

『始まりの科学/矢沢サイエンスオフィス/サイエンス・アイ新書/2007』
著者:科学雑誌編集
評価:これぞ科学という感じで面白い。


特異な経歴の学者ハッブル。
元弁護士でヘビー級ボクサー。
……怖いんですけど。弁舌と腕力が揃ってる。

ビッグバン理論の三つの困難。
平坦性と特異点と一様性。
それを解決するのがインフレーション理論。
宇宙の膨張は加速しているのだ。

銀河の壮大な未来図。
アンドロメダ銀河と銀河系は三十億年後に衝突するらしい。

よくある誤解。量子力学と決定論。
量子力学は統計的な決定論が、
絶対的な決定論に取って代わったもの。
量子力学も決定論なのである。

生命の始まりは粘土より。
RNAは粘土の結晶とともに成長し自己複製を開始した。
RNAが粘土の遺伝システムを乗っ取ったのだ。

・今日の三言
量子力学は統計的な決定論である。
Quantum mechanics is statistical determinism.
양자역학은 통계적인 결정론이다.
量子力学是统计性的决定论。

アンドロメダ銀河と銀河系は三十億年後に衝突する。
The Andromeda galaxy and our Galaxy will collide three billion years later.
The Andromeda galaxy will collide with our Galaxy three billion years later.
안드로메다 은하와 은하계는 30억년 후에 충돌한다.
仙女座星云和银河三十亿年后会相撞。

生物は38億年前に粘土から生まれた。
The first creature was produced by clay 3,800,000,000 years ago.
생물은 38억년 전에 점토에서 태어났다.
生物在三十八亿年前从黏土中诞生了。

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宇宙はどこまで明らかになったのか-太陽系の誕生からブラックホール、宇宙の進化まで(サイエンス・アイ新書) [本(物理/天文]

『宇宙はどこまで明らかになったのか/福江純・粟野由美/サイエンス・アイ新書/2007』
著者:天文学、相対論的宇宙流体力学、降着円盤、宇宙ジェット
評価:宇宙をビジュアルに知る


日本の宇宙研究の世界初。
地球と月以外からの離陸ははやぶさが世界初。

火星の生物可能性を高める発見。
火星にここ六年以内に水が流れた痕跡あり。

小惑星帯を作る岩石ダストと氷ダストの雪線。
水の凝縮温度、絶対温度170度が、3AUの距離。

遙か遠く輝く謎の天体クエーサー。
クェーサー放射はブラックホールの周りの降着円盤の放射。
正体はブラックホールというわけか。

宇宙の大きさを示す観測はすばるディープフィールドより。
発見された最も遠い銀河は128.8億光年離れている。

・今日の一言
発見された最も遠い銀河は128.8億光年離れている。
The farthest galaxy we've ever seen is 12.88 billion light-years away.
발견된 가장 먼 은하는 128.8억광년 떨어져 있다.
已经发现的最远的银河在128.8亿光年的远方。

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新しい太陽系-新書で入門(新潮新書) [本(物理/天文]

『新しい太陽系/渡部潤一/新潮新書/2007』
著者:太陽系小天体の観測的研究、国立天文台天文情報センター長
評価:最新の太陽系の科学を知る・冥王星の真の姿とは?

冥王星は決して惑星から降格したのではない。
冥王星は準惑星の代表にして冥王星型天体の代表になったのである。
準惑星とは、惑星の形成段階で止まった星のこと。
そうした小天体の代表が冥王星なのだ。

冥王星プルートーを名づけたのは、
オックスフォードの11歳の少女ベネチア・バーニー。

科学と数学の偉大なる勝利。海王星の発見。
天王星の軌道観測から、そのズレを生む天体を計算し、
その軌道を特定して発見したのが海王星。
ルヴェリエの海王星の位置予測は1度もズレなかった。

共鳴する天体の不思議。
水星の自転周期と公転周期は2:3。
これはすなわち水星の一日は2年であるという面白さ。
金星は地球に接近するとき同じ面を見せる。
金星は地球の重力の影響を受けているのだ。
冥王星は2周すると、その間に海王星は3周する。
冥王星は海王星の内側に入ることがあるが、
このために衝突することがないのだ。
またこの冥王星と同じ周期の準惑星がたくさんあり、
それをプルチノ族と呼ぶ。

火星はまさに砂漠の星。
火星の表面の土壌分析の結果、
6000km離れた地点でも結果が同じだった。
砂嵐により均等化されているのだ。
火星は砂に埋もれた惑星なのだ。

木星の赤い台風大赤斑。
1664年にカッシーニが発見し今も存在する。
台風のような渦が、数百年も存在するのはまさに謎である。

土星の神秘である輪。
この土星の輪は数千万年ですべて土星に落ちてしまうという。
また出来たのも数千万年前程度であり、
意外に寿命が短いのだ。

火星はかつて水があり、川が流れていた。
今も川があるのがタイタン。
黒くなった川のような地形があるのである。

・今日の一言
水星の一日は2年である。
A day on Mercury is two years.
수성의 하루는 2년이다.
水星的一天是两年。

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非線形科学(集英社新書) [本(物理/天文]

『非線形科学』
蔵本由紀(2007)
集英社新書(理論物理学、カオス)


カオス研究の現場を知る。

ダイヤモンドは熱力学的には準平衡。
あれほどの強度があっても、安定ではないのが面白いところ。

生命反応を連想させる化学のはたらき。
ベルーソフの振動する化学反応、BZ反応。

確率の不思議さ。
硬貨投げの裏表の確率。
誤差の大きさの絶対値は試行回数に比例して大きくなる。
1/2には決して近づかないのである。

『天文学者はロマンティストか』
縣秀彦(国立天文台普及室長、教育学)
生活人新書(2007)


天文学者の仕事と生活を知る。

天文学者は世界で8858人。
多いような、少ないような。

フランスの天文学者は6割が女性。
理系だけど女性が多いのは珍しい感じも。

世界最速のコンピュータは天文学者が作ったらしい。
日本人である。

祝日法の改正、ハッピーマンデー。
ほとんどの祝日は月曜日になるのだけど、
例外が春分の日と秋分の日。
そしてこの二つは、
毎年前年の2月1日に決まるらしい。
何でだろう。もっと前からわかるような気がするんだけど。

猟犬座銀河M106の中心のブラックホールは、
太陽の3900万倍の質量がある。
銀河の中心にはみなブラックホールがあるって聞くけど本当かな。

文部科学省では、
周期表、ヒトゲノムマップ、宇宙図を作っているらしい。

川崎市青少年科学館は、
反射望遠鏡やプラネタリウムが直接操作できるそうな。
面白そうだね。

『物質の宇宙史』
青木和光(恒星物理学、天体分光学)
新日本出版社(2004)


ビッグバンから太陽系まで、わかりやすい良書。

太陽は周囲の星より重元素の含有量が少し多い。
もともと銀河系の内側で生まれたのが、
何かの拍子で現在の位置に弾き出された可能性があるという。
平凡な星とされる太陽が案外特別な事情を持っているのかもしれない。

『科学者という仕事』
酒井邦嘉()
中公新書(生理学、物理学、記憶と言語の研究2006)


独創性はどのように生まれるか。
英語の勉強によろしい。

科学教育の大切なフィロソフィーとは、
分かることは100%わかるということ。
不可知主義は、思考の大敵である。


『宇宙創成から人類誕生までの自然史』
和田純夫(素粒子物理論、量子宇宙論)
ベレ出版(2004)


9つの進化事件を探る。
わかりやすくまとまっている。

太陽系形成は正確には45億7000万年前らしい。


『量子コンピュータ』
西野哲朗(回路計算量理論、量子計算量理論、計算論敵学習理論)
ナツメ社(2007)


イラストがあってもわかりやすくない。

内容を欲張りすぎ。詰め込み過ぎですね。


『科学の社会化シンドローム』
石黒武彦(電子物理)
岩波科学ライブラリー(2007)


科学の捏造問題など科学システムを考える。

2001年の論文数の世界比較が載っていた。
アメリカ 257668
日本 70711
イギリス 69997
ドイツ 66077
フランス 47614
イタリア 31678
中国 29453
スペイン 22691
オーストラリア 21526
スウェーデン 15413
韓国 14733
スイス 13565
台湾 10659
ベルギー 10113

人口比から考えても日本は少なすぎ。台湾は意外に健闘してる感じだ。

『人物で語る物理入門(下)』
米沢富美子(アモルファス研究の理論物理学者)
岩波新書(2006)


人物による物理学史。

ドイツ降伏以前の1944年9月ロンドンのハイドパークで会談で
日本への原爆使用を決定したルーズベルトとチャーチル。
原爆使用が事前に決まっていたのである。

クォークの由来はカモメの鳴き声。
鳴き声でカモメが三羽とわかったように、
3つ目のクォークも目に見えないけど声によって存在が確認される。
クォークの言葉の由来って、意味があったのか……

『科学哲学』
ドミニック・ルクール(科学哲学)
文庫クセジュ(2005)


科学哲学史を一冊で概観する。
フランスの学者が多いのが特徴。

コント:認識には観察が必要、観察には理論が必要。
調べるにはまず仮説的な理論を置くことからはじめなければならない。

バラシュール:数学の本質は発明
数学の問題の解法はたくさんあり、
その発想は帰納的に分析して出てくるものではないのだ。

『否定学のすすめ』
浦壁伸周(企業家)
プレジデント社(2002)


素人の科学論。

世界の主要商品のうち発明数を比較すると、
アメリカ29、ヨーロッパ11、日本は0
新製品化は、アメリカ30、ヨーロッパ6、日本は2
商品化は、アメリカ17、ヨーロッパ3、日本24
著者は日本の発明の低さを嘆くが、
商品化の凄さを褒めてもいいように思う。

日本の研究者数は、ドイツの2.8倍、フランスの4.6倍もいる。
発明も少ないが、そもそも論文数が少ないよね。

ケインズはスミス流の小さな政府を否定しているが、
ケインズ主義の破綻は明らかという。
今、世界で経済が好調なのは、大きな政府の北欧のようですけど。

キリスト教精神が科学を生みだしたといい、
創造性を生み出す思考の枠組みは、
神と被造物という思想構造にあるという。
妄想ですな。これも西洋コンプレックスかも。
西洋の優位は単に地理の問題です。

『ヤモリの指』
ピーター・フォーブズ(ライター、科学評論)
早川書房(2007)


生物からインスピレーションを受けた応用技術を知る。

不思議な素材の研究の数々。

ロータス効果
微小突起に水が載り異物は表面より水に吸着する。
自浄材料がある。
汚れても水を流すときれいになるのだ。

アクティヴ・コーティングしたガラス
水滴ができず水の膜に広がる。
曇らないので便利なわけ。

蜘蛛の糸は、単位重量当たり鋼鉄の6倍の強度を持つ。
これは研究中らしい。

死んだヤモリも垂直のガラスにくっつく。
これはファンデルワールス力のため。

『ロボットと暮らす』
大和信夫(ロボットベンチャー企業代表)
ソフトバンク新書(2006)


家庭用ロボットの情報と展望。

愛・地球博を中心とするロボットの話。

アトムのパワーでなく頭脳から完成するという。
同感だ。人体の方が精神より難しいのだ。

・今日の一言
世界最速のコンピュータは天文学者が作った。
An astronomer made the fastest computer in the world.
세계 최고속 컴퓨터는 천문학자가 만들었다.
世界最快的电脑是天文学者制造的。

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鉱物と宝石の魅力-つくられかたから性質の違い、日本で取れる鉱物まで(サイエンス・アイ新書) [本(物理/天文]

『鉱物と宝石の魅力』
松原聰(鉱物科学、結晶化学)
サイエンス・アイ新書(2007)


原石のカラー写真がとても美しい図鑑。お勧め。

君が代の幻の二番は科学的に正しい。
"千尋の底のさざれ石の鵜のいる磯とあらわるるまで"
スケールの大きな地学のお話。

コランダム=鋼玉はアルミニウムの酸化物。
ルビーやサファイアもアルミの仲間なのか。

大粒のダイヤモンドに口づけすると氷のように冷たいらしい。

オリンピックのメダルの金銀銅。
銅は正しくは青銅らしい。

『中国大陸の火山・地熱・温泉』
江原幸雄(地球熱システム学、火山物理学)
九州大学出版会(2003)


地学の話。

10世紀の長白山/白頭山の火山の大噴火。
北海道東北に厚さ数cmの火山灰が積もった。
これが渤海国の滅ぶ原因かもしれないらしい。

・今日の二言
千尋の底のさざれ石の鵜のいる磯とあらわるるまで。
Until a pebble in the fathomless deep bottom appears at the rocky shore where cormorants live.
천길 밑바닥의 조약돌이 가마우지가 있는 해변에 나타날 때 까지.
到万丈深海底的小石出现鸬鹚住的海岸时。

大粒のダイヤモンドに口づけすれば氷のように冷たい。
You kiss a large diamond, you feel as cold as ice.
큰 다이아몬드에 키스를 하면 얼음처럼 차다.
向大颗钻石接吻,就觉得凉冰冰的。

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生命の起源 地球が書いたシナリオ [本(物理/天文]

『生命の起源 地球が書いたシナリオ/中沢弘基/新日本出版社/2006』
著者:結晶学
評価:生命誕生の謎を探る最前線・生命は地下で発生した

進化による生命の変化速度。
最短では120世代で変種ができることもあるらしい。

より原始的な緑藻と共生する鞭毛虫ハテナ。
どこかの会社名みたいだ……

すべての生物は遡ると環状ゲノムに行き着く。
生命の環:the ring of life
が、究極の先祖、そしてその前は?

有機分子ビッグバン説
微惑星や隕石の海洋衝突の衝撃蒸気流で、
多種類の有機分子が一挙に生成された。

生命と粘土の深い関係。
無機の鉱物でありながら親水的で水を吸って膨らむ粘土鉱物。
粘土鉱物スメクタイトとサポナイトの語源は石鹸に由来。
生物圏と粘土圏はほとんど重なっている。
粘土は水を保持するというのが鍵。

生命は地下で発生して海洋に出て適応放散したらしい。
生命の地下誕生説は、年々有力になっているように思う。

生命誕生の研究は少しずつ変化する。
今はRNAワールド説より代謝先行仮説が有力。
代謝機構の成立が先なのだそうだ。

・今日の一言
生物のいるところに粘土あり。
There is clay at the place where creatures live.
생물이 있는 곳에 점토도 있다.
有生物的地方,有粘土。

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量子のからみあう宇宙 [本(物理/天文]

『量子のからみあう宇宙/アミール・D.アクゼル/早川書房/2004』
著者:数学者、統計学
評価:EPRパラドックスを中心に語る量子力学史

私は、"量子のからみあう"という表現が本質的に間違いだと思うので、
本の流れに違和感がある。
ただ最後の方の意見にはほぼ同意する。

アインシュタインの自然界の理論の3原理とは?
・観測は確率的でも自然界の基本レベルは決定論だ
・理論はすべての実在要素を含む
・理論は局所的で別の場所の実在はその場所の実在に依存する
量子力学は、この3つともにからんでくる。
コペンハーゲン解釈は1つ目に抵触、
EPRパラドックスは3つ目に抵触している。

アインシュタインは量子力学について
次の一方を破棄しなければならないと考えた。
・波動関数の統計的記述は完全だ
・空間的に隔たった二つの物体の現実状態はお互いに独立している
EPRパラドックスはどうやら2つ目の破棄を要求している。

量子テレポーテーションには、
量子的チャンネルと古典的チャンネルが必要。
EPRパラドックスは、光速以上の情報伝達を生むことはできないのだ。

絡み合いは光速以上でメッセージを送ることはできない。
これは、二つの絡み合った存在が
メッセージをやりとりしているという考え方が
間違いであることを意味する。

アブナー・シモニーとジョン・クローザーは、
ベルの定理の帰結として、
実在論を捨てるか時空概念を根本的に変えるかが必要という。
私は後者、時空概念を根本的に変えるのが正しいと思う。

ヤヌア・シーは、
絡み合った二つの粒子はある意味一体の存在で、
不確定性原理を破らないという。
絡み合った粒子は空間を超越する、全体として一つの系であり、
単一の存在として振る舞うのである。

私のEPRパラドックスのイメージは以下のようなもの。
水面に落ちる水滴、その広がる波紋をイメージする。
この波紋が光である。
広がる波紋が壁に当たり波が高く上がる。
これが光子を検出するということだ。
EPRパラドックスでは、
2つの光子が動くというイメージを持ってしまうが、
事実は、電磁場において光源から広がる一つの波があるだけである。
それが検知器と作用することで、
2つの光子と"後から認定されている"だけだ。
2ヵ所で、検出可能な最低値を記録したということである。
誰も、動いている2つの光子を見たわけではない。

光子の粒子性の誤解は光電効果から始まると思う。
光電効果では、
・金属表面に当たる光の振動数が閾値以下だと光電子は発生しない
・振動数を一定のまま光の強度を変化させると光電子の数が変わる
・振動数を変えると光電子のエネルギーが変わる
・振動数の閾値は金属の種類によって異なる

これらは、金属もまた光子同様に波動しており、
光電子が発生するのは、
金属の波動と光子の波動が作用して波打ったということだと思う。
光の振動数が閾値以下だと光電子は発生しないのは、
金属の波動と相互作用しなくなってしまうからではないだろうか。

・今日の一言
絡み合った二つの粒子は一体の存在である。
Two entangled particles are only one existence.
서로 얽힌 두 입자는 한 존재다.
互相缠绕的两个粒子是一体的存在。

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量子が変える情報の宇宙 [本(物理/天文]

『量子が変える情報の宇宙/ハンス・クリスチャン・フォン=バイヤー/日経BP社/2006』
著者:物理学、テレビ番組制作
評価:量子理学と情報科学の関係を知る物理学史・面白い

モンティー・ホール問題。
3つの箱の中に1つ賞品入りの箱がある。
回答者は一つ選ぶ。
その後、司会者が一つの箱を開けて見せるとそれは空だった。
もちろん、司会者は空の箱を選んで開けたのである。
さて、回答者は、
そのままの箱にすべきかもう一つ残った箱に変えるべきか?
箱の中身は同じなのだから、変えても変えなくても同じようだが、
実は変えた方が当選確率は高くなる。

この本ではわかりやすい例を挙げてある。
ボックスを1000個にして、
司会者が998個の空ボックスを空けたと考えるのである。
すると俄然変えた方がいいと感じられるだろう。
自分の選んだ箱は、
賞品の有無にかかわらず、司会者は空けることができないが、
もう一つの残った箱は
ほぼ入っているから空けなかったとしか考えようがないからだ。

理論物理学者のジョーク。
搾乳場の建物の問題解決を求められたときの言葉
"まず球形の牛を考えよう"
何でも理想化して考えるのが物理学の手法である。

量子notゲートは、
入力ビット⇒ビームスプリッタ
 ⇒キュビット⇒ビームスプリッタ⇒出力ビット
の5つの要素で作られる。
一個のビームスプリッタは"notの平方根"ゲートである。
二回繰り返して否定になる操作であり、虚数ゲートなのである。

量子コンピュータの解説では、
北極点に1、南極点に0と記した球でキュビットを表現する。
これは面白そうなので、
他の量子コンピュータ解説本もあたってみようと思う。

2020年代にメモリセルが1ビット当たり1原子レベルに到達する。
現在のコンピュータが限界に達するのが2020年代というのは、
専門家の一致した意見らしい。
2002年の量子コンピュータの現状。
15を3と5に因数分解する装置が組み立てられた。
……まだしょぼいな。

ボーア
"パラドックスは進歩の前兆"
矛盾こそが進歩を生む。まさに弁証法的発展の世界である。

エントロピーや情報量の定義はいろいろとあり、
未だ確定ではないようだ。

ルドルフ・クラウジウスのエントロピー
熱を温度で割ったもの。

エントロピーはその物体について私たちが何を知っているかに関係する。
情報の欠如に関係したものだ。
主観的に意味が変わる数値ということになってしまう。
熱を温度で割ったものと違うような。

アルゴリズム的複雑性
数の複雑性をその数を生み出すことのできる
最も簡潔なアルゴリズムの長さとして定義する。

ゲルマンの論理深度
データの組織量を生成に必要なコンピュータの計算時間で定量化する。
プログラムの長さでなく実行されるステップ数で数値化。

クラッチフィールドの統計的複雑性
これはメモリのサイズによるもの。

情報逓減の法則
中継回路は情報量を増加させない。

中国語がわからない人に中国語の文に情報量はないが、
わかる人が翻訳すると情報が増してしまう。
これでは駄目なわけ。

ポアンカレ
"科学の対象は物同士の関係。
関係以外に知り得るものはない"
対象の存在を知っているわけではないのだ。

ボーア
"物理学は存在論でなく認識論"
量子力学の観測問題が認識論の側面をクローズアップしたのである。

ワインバーグ
"世界は場だけでできている"
重力や電磁力など力の場ですべてが説明されるのだ。

私は、物質のもつ波動性と粒子性は、
場の波動性の結果として説明できると思う。
すわなち、粒子性は根源的ではない。粒であるより波である方が根源的。

光のスピードとは何なのだろう。
光速度に近い速度で動く存在は、時間が遅れる。
光速度である光子自体は、時間は流れないのだろうか。
すべての物質はいつかはすべて光子に崩壊するというが、
光子からはもう崩壊しないのか。

二重スリット実験で疑問に思うのは、
光子は本当にスリットを通ったというべきなのかということ。
光子が通ったとわかるのは、スクリーンに反応が出るからで、
誰もスリットを通るところを見るわけではないのだ。当たり前だけど。

私は、光は伝播するだけで動いたりしないと思う。
70個の炭素原子からなる巨大分子も波動性を示す。
スクリーンだって波動性を示すはずだ。
波動性と波動性の衝突の結果現れる波の頂点が粒子ではないかと思う。
素粒子とは波動性の頂点ではないのか。
どこまでも波で考えれば粒子性を追放できるように思う。

EPRパラドックスも、
粒子性の根源性を否定できればパラドックスではなくなる。

こうしたことを考えると光速度というのは何なのか考えさせられる。
光速度という定数には何か深い意味があるような気がする。

・今日の一言
球形の牛を考えよう。(理論物理学者)
Consider a spherical cow.(theoretical physicist)
구체(球體)의 젖소를 생각하자.(이론 물리학자)
首先考虑球状的乳牛。(理论物理学者)

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SYNC-なぜ自然はシンクロしたがるのか [本(物理/天文]

『SYNC』
スティーヴン・ストロガッツ(応用数学、非線形力学)
早川書房(2005)


さまざまな同期現象の研究紹介・面白い良書。

人間の体内時計。
視交差上核の数千のニューロンの大半が振動子。
時計タンパク質なる分子の離合集散により電気をリズミカルに発火する。
それが自発的周期を生み出すのだ。
こうした分子サーカディアン・リズムは、
8つの時計遺伝子の転写翻訳を含む
生化学フィードバックループによるもの。

10-11時と21-22時が寝付きにくい時間帯。
目覚めた後しばらくに光を浴びると、
体内時計の進む速度が速められる。
逆に夕方は遅らせる効果がある。
朝日を浴びて健康を維持しましょう。

吊り橋を渡る兵士は歩調を乱して歩く。
危険な揺れが生じないようにするため。
歩調を揃えると、橋が激しく揺れるのだ。

親友は、情報源として役に立たない。
知っている人も同じだから。
意外にも、ただの知り合いに価値がある。
日頃から広い交友を維持しておくべし。

満月の夜に犯罪が多いという統計のデマ。
統計を厳密にすると相関関係がなくなる。
突出した時間帯によるバイアスが大きいのである。
カレンダー効果を調整すると、
満月の日の事件率は統計上有意ではないのだ。

ニュージャージーくじで一等を二回当てた女性がいた。
ニューヨークタイムズは17兆分の一の奇跡と報道した。
しかし、この人は一回にたくさん買うし、何回も頻繁に買っている。
合衆国に住む人が
7年でニュージャージーくじを2度当てる確率とすると、
それは二分の一以上の確率なのだ。
奇跡でも何でもない。

単語の暗記を脳で計測した。
覚えられた単語は覚えようとしたときの四分の一秒後に、
海馬と鼻腔皮質が同期して活動した。
思い出せなかった単語では同期がなかった。
記憶できるかどうかは記憶するときにわかるのだ。

せっかくなので、ここで記憶のメカニズムを解説しておこう。
記憶はまず意識的なものと、無意識的なものに分かれる。
無意識的なものはプライミング効果や運動記憶である。
プライミング効果はサブリミナル効果に似たもので、
運動記憶とは、自転車に乗るなど体の動きの記憶である。
今日はこちらは省略する。

意識的なものは、言葉や思い出の記憶であり、
その貯蔵場所で分類することができる。
前頭前野のワーキングメモリ、
海馬の一時記憶、
連合野皮質の長期記憶である。

これはそれぞれ、コンピュータに喩えるとわかりやすい。
ワーキングメモリは、メモリであり、
一時記憶は、ハードディスクであり、
長期記憶は、DVDなどと考えるのだ。
ワーキングメモリは、数分以内、
一時記憶は、半年以内、
長期記憶は、ほぼ半永久的なものである。

何かを覚えるとき記憶は、
前頭前野⇒海馬⇒連合野皮質と移動する。
脳の前部⇒内部⇒後部と理解しておこう。

上記の海馬と鼻腔皮質の同期とは、
前頭前野⇒海馬の記憶移転活動を示しているのである。
同期していれば海馬へ移動するが、
同期がないと海馬に記録されないのだ。
コンピュータのメモリのデータをハードディスクに保存しないと、
電源を切ったら消えてしまうのと同じである。

勉強においても、
常にその記憶は今どこにあるのかを考えておくとよい。

a.前頭前野⇒海馬の移転方法と、
b.海馬⇒連合野皮質の移転方法は異なるからだ。

a.前頭前野⇒海馬
この移転で重要なのは、反復とイメージ思考である。
反復が必要なのは、同期するのが難しいからだ。
一回でぴったり同期することはなかなかないので、反復するのである。

またイメージを使うと海馬のはたらきが強くなる。
海馬はもともと空間記憶のためのシステムなのだ。
空間記憶を多用するタクシー運転手は、
海馬が大きくなることが知られている。

b.海馬⇒連合野皮質
コンピュータでは記録する番地がありそこへデータが書き込まれる。
脳で番地を指定するとは、
既に覚えていることと組み合わせるということである。
脳では、番地として別の記憶を利用するのである。
コンピュータで同じ番地に同じデータを反復して書き込んでも、
記憶が強くなることはない。
海馬⇒連合野皮質の移転でも
同じ組み合わせを反復してもあまり効果はないのだ。
Xということを覚えたい場合、
A⇒Xだけを反復しても効果は弱いのである。
A⇒X、B⇒X、C⇒X、D⇒X、E⇒Xのような、
異なる組み合わせを並べるのが効果的である。

脳のニューロンの張り巡らされた様子は蜘蛛の巣に似ている。
蜘蛛の糸=ニューロンは一本だと簡単に切れてしまい、
獲物=記憶を捕獲できないが、
これが網の目のように張り巡らされて記憶の蜘蛛の巣ができると、
獲物たる蝶々も逃げられず確実に捕縛できるのである。
一本一本を太くするよりも、
多方向に均等に張り巡らせるのがコツである。

a.前頭前野⇒海馬
では、反復とイメージの使用

b.海馬⇒連合野皮質
では、多角的な組み合わせによる記憶の整理

記憶の現在の脳の位置を知り、使い分けるとよいだろう。

・今日の一言
朝起きたらまず日光を浴びよう。
When you wake up in the morning, first, you should exposure to sunlight.
아침에 일어나면 먼저 햇볕을 쬡니다.
早上起来后,首先晒晒太阳吧。

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[特集]科学を知る8冊 [本(物理/天文]

科学とは何か?
実は科学者自身は、科学について客観的に理解しているわけではない。
科学者はみな個別科学者、すなわち物理学者や生物学者で、
"科学者"という人はいないからだ。
科学の全体像を捉えているのは科学哲学者たちである。

ここに科学という行動的思考の仕組みを知るための本を挙げる。

『科学哲学の冒険/戸田山和久/NHKブックス/2005』
著者:科学哲学、科学技術社会論

科学哲学の本では最も平易に書かれている。
科学とは何かを最も標準的に把握できる。

『哲学思考トレーニング/伊勢田哲治/ちくま新書/2005』
著者:科学哲学、倫理学

科学哲学の思考法を日常に応用する本。
柔軟かつ適切な思考法を得ることができる。

『疑似科学と科学の哲学/伊勢田哲治/名古屋大学出版会/2003』
著者:科学哲学、倫理学

科学と科学でないものを区別する。
疑似科学が科学ではないゆえんを理解できる。
疑似科学に騙されないためにも有益。

『シャーロック・ホームズの推理学/内井惣七/講談社現代新書/1988』
著者:哲学、論理学、倫理学

シャーロック・ホームズから、総合的な推論を理解する。
ミル、ジェボンズ、ダーウィンなども考察。

『科学哲学入門/内井惣七/世界思想社/1996』
著者:哲学、論理学、倫理学

科学の方法と科学の目的についてベイズ確率論を持ち込んで考察。
かなり難解だが科学の本質に迫ることができる。

『ポパー・批判的合理主義/小河原誠/講談社/1997』
著者:現代哲学

毀誉褒貶の激しいポパーの思考法を知る。
科学思考とあくなき探究の思考に、
ただ科学とは何かを知るだけでなく議論的思考を知ることができる。

『知識の構造-ドグマの克服と科学的思考/沢田允茂/NHK市民大学叢書/1969』
『哲学の基礎/沢田允茂/有信堂/1966』
著者:哲学、分析哲学

この著者は科学哲学、すなわち科学の哲学ではなく、
科学的哲学を標榜している。
すなわち、科学の思考法による哲学を模索したのである。
哲学と科学の統合を目指した野心的な方法を展望している。

・今日の一言
哲学と科学を統合したシステム思考を探る。
We must investigate the system thinking which unified philosophy.(△)
철학과 과학을 통합한 시스템 사고를 탐구한다.(△)
综合哲学和科学,探求系统思考。(△)


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