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非線形科学(集英社新書) [本(物理/天文]

『非線形科学』
蔵本由紀(2007)
集英社新書(理論物理学、カオス)


カオス研究の現場を知る。

ダイヤモンドは熱力学的には準平衡。
あれほどの強度があっても、安定ではないのが面白いところ。

生命反応を連想させる化学のはたらき。
ベルーソフの振動する化学反応、BZ反応。

確率の不思議さ。
硬貨投げの裏表の確率。
誤差の大きさの絶対値は試行回数に比例して大きくなる。
1/2には決して近づかないのである。

『天文学者はロマンティストか』
縣秀彦(国立天文台普及室長、教育学)
生活人新書(2007)


天文学者の仕事と生活を知る。

天文学者は世界で8858人。
多いような、少ないような。

フランスの天文学者は6割が女性。
理系だけど女性が多いのは珍しい感じも。

世界最速のコンピュータは天文学者が作ったらしい。
日本人である。

祝日法の改正、ハッピーマンデー。
ほとんどの祝日は月曜日になるのだけど、
例外が春分の日と秋分の日。
そしてこの二つは、
毎年前年の2月1日に決まるらしい。
何でだろう。もっと前からわかるような気がするんだけど。

猟犬座銀河M106の中心のブラックホールは、
太陽の3900万倍の質量がある。
銀河の中心にはみなブラックホールがあるって聞くけど本当かな。

文部科学省では、
周期表、ヒトゲノムマップ、宇宙図を作っているらしい。

川崎市青少年科学館は、
反射望遠鏡やプラネタリウムが直接操作できるそうな。
面白そうだね。

『物質の宇宙史』
青木和光(恒星物理学、天体分光学)
新日本出版社(2004)


ビッグバンから太陽系まで、わかりやすい良書。

太陽は周囲の星より重元素の含有量が少し多い。
もともと銀河系の内側で生まれたのが、
何かの拍子で現在の位置に弾き出された可能性があるという。
平凡な星とされる太陽が案外特別な事情を持っているのかもしれない。

『科学者という仕事』
酒井邦嘉()
中公新書(生理学、物理学、記憶と言語の研究2006)


独創性はどのように生まれるか。
英語の勉強によろしい。

科学教育の大切なフィロソフィーとは、
分かることは100%わかるということ。
不可知主義は、思考の大敵である。


『宇宙創成から人類誕生までの自然史』
和田純夫(素粒子物理論、量子宇宙論)
ベレ出版(2004)


9つの進化事件を探る。
わかりやすくまとまっている。

太陽系形成は正確には45億7000万年前らしい。


『量子コンピュータ』
西野哲朗(回路計算量理論、量子計算量理論、計算論敵学習理論)
ナツメ社(2007)


イラストがあってもわかりやすくない。

内容を欲張りすぎ。詰め込み過ぎですね。


『科学の社会化シンドローム』
石黒武彦(電子物理)
岩波科学ライブラリー(2007)


科学の捏造問題など科学システムを考える。

2001年の論文数の世界比較が載っていた。
アメリカ 257668
日本 70711
イギリス 69997
ドイツ 66077
フランス 47614
イタリア 31678
中国 29453
スペイン 22691
オーストラリア 21526
スウェーデン 15413
韓国 14733
スイス 13565
台湾 10659
ベルギー 10113

人口比から考えても日本は少なすぎ。台湾は意外に健闘してる感じだ。

『人物で語る物理入門(下)』
米沢富美子(アモルファス研究の理論物理学者)
岩波新書(2006)


人物による物理学史。

ドイツ降伏以前の1944年9月ロンドンのハイドパークで会談で
日本への原爆使用を決定したルーズベルトとチャーチル。
原爆使用が事前に決まっていたのである。

クォークの由来はカモメの鳴き声。
鳴き声でカモメが三羽とわかったように、
3つ目のクォークも目に見えないけど声によって存在が確認される。
クォークの言葉の由来って、意味があったのか……

『科学哲学』
ドミニック・ルクール(科学哲学)
文庫クセジュ(2005)


科学哲学史を一冊で概観する。
フランスの学者が多いのが特徴。

コント:認識には観察が必要、観察には理論が必要。
調べるにはまず仮説的な理論を置くことからはじめなければならない。

バラシュール:数学の本質は発明
数学の問題の解法はたくさんあり、
その発想は帰納的に分析して出てくるものではないのだ。

『否定学のすすめ』
浦壁伸周(企業家)
プレジデント社(2002)


素人の科学論。

世界の主要商品のうち発明数を比較すると、
アメリカ29、ヨーロッパ11、日本は0
新製品化は、アメリカ30、ヨーロッパ6、日本は2
商品化は、アメリカ17、ヨーロッパ3、日本24
著者は日本の発明の低さを嘆くが、
商品化の凄さを褒めてもいいように思う。

日本の研究者数は、ドイツの2.8倍、フランスの4.6倍もいる。
発明も少ないが、そもそも論文数が少ないよね。

ケインズはスミス流の小さな政府を否定しているが、
ケインズ主義の破綻は明らかという。
今、世界で経済が好調なのは、大きな政府の北欧のようですけど。

キリスト教精神が科学を生みだしたといい、
創造性を生み出す思考の枠組みは、
神と被造物という思想構造にあるという。
妄想ですな。これも西洋コンプレックスかも。
西洋の優位は単に地理の問題です。

『ヤモリの指』
ピーター・フォーブズ(ライター、科学評論)
早川書房(2007)


生物からインスピレーションを受けた応用技術を知る。

不思議な素材の研究の数々。

ロータス効果
微小突起に水が載り異物は表面より水に吸着する。
自浄材料がある。
汚れても水を流すときれいになるのだ。

アクティヴ・コーティングしたガラス
水滴ができず水の膜に広がる。
曇らないので便利なわけ。

蜘蛛の糸は、単位重量当たり鋼鉄の6倍の強度を持つ。
これは研究中らしい。

死んだヤモリも垂直のガラスにくっつく。
これはファンデルワールス力のため。

『ロボットと暮らす』
大和信夫(ロボットベンチャー企業代表)
ソフトバンク新書(2006)


家庭用ロボットの情報と展望。

愛・地球博を中心とするロボットの話。

アトムのパワーでなく頭脳から完成するという。
同感だ。人体の方が精神より難しいのだ。

・今日の一言
世界最速のコンピュータは天文学者が作った。
An astronomer made the fastest computer in the world.
세계 최고속 컴퓨터는 천문학자가 만들었다.
世界最快的电脑是天文学者制造的。

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