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量子のからみあう宇宙 [本(物理/天文]

『量子のからみあう宇宙/アミール・D.アクゼル/早川書房/2004』
著者:数学者、統計学
評価:EPRパラドックスを中心に語る量子力学史

私は、"量子のからみあう"という表現が本質的に間違いだと思うので、
本の流れに違和感がある。
ただ最後の方の意見にはほぼ同意する。

アインシュタインの自然界の理論の3原理とは?
・観測は確率的でも自然界の基本レベルは決定論だ
・理論はすべての実在要素を含む
・理論は局所的で別の場所の実在はその場所の実在に依存する
量子力学は、この3つともにからんでくる。
コペンハーゲン解釈は1つ目に抵触、
EPRパラドックスは3つ目に抵触している。

アインシュタインは量子力学について
次の一方を破棄しなければならないと考えた。
・波動関数の統計的記述は完全だ
・空間的に隔たった二つの物体の現実状態はお互いに独立している
EPRパラドックスはどうやら2つ目の破棄を要求している。

量子テレポーテーションには、
量子的チャンネルと古典的チャンネルが必要。
EPRパラドックスは、光速以上の情報伝達を生むことはできないのだ。

絡み合いは光速以上でメッセージを送ることはできない。
これは、二つの絡み合った存在が
メッセージをやりとりしているという考え方が
間違いであることを意味する。

アブナー・シモニーとジョン・クローザーは、
ベルの定理の帰結として、
実在論を捨てるか時空概念を根本的に変えるかが必要という。
私は後者、時空概念を根本的に変えるのが正しいと思う。

ヤヌア・シーは、
絡み合った二つの粒子はある意味一体の存在で、
不確定性原理を破らないという。
絡み合った粒子は空間を超越する、全体として一つの系であり、
単一の存在として振る舞うのである。

私のEPRパラドックスのイメージは以下のようなもの。
水面に落ちる水滴、その広がる波紋をイメージする。
この波紋が光である。
広がる波紋が壁に当たり波が高く上がる。
これが光子を検出するということだ。
EPRパラドックスでは、
2つの光子が動くというイメージを持ってしまうが、
事実は、電磁場において光源から広がる一つの波があるだけである。
それが検知器と作用することで、
2つの光子と"後から認定されている"だけだ。
2ヵ所で、検出可能な最低値を記録したということである。
誰も、動いている2つの光子を見たわけではない。

光子の粒子性の誤解は光電効果から始まると思う。
光電効果では、
・金属表面に当たる光の振動数が閾値以下だと光電子は発生しない
・振動数を一定のまま光の強度を変化させると光電子の数が変わる
・振動数を変えると光電子のエネルギーが変わる
・振動数の閾値は金属の種類によって異なる

これらは、金属もまた光子同様に波動しており、
光電子が発生するのは、
金属の波動と光子の波動が作用して波打ったということだと思う。
光の振動数が閾値以下だと光電子は発生しないのは、
金属の波動と相互作用しなくなってしまうからではないだろうか。

・今日の一言
絡み合った二つの粒子は一体の存在である。
Two entangled particles are only one existence.
서로 얽힌 두 입자는 한 존재다.
互相缠绕的两个粒子是一体的存在。

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