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寺社勢力の中世:無縁・有縁・移民(ちくま新書) [本(日本史]

『寺社勢力の中世:無縁・有縁・移民』
伊藤正敏(日本村落史、中世寺社勢力論)
ちくま新書(2008)


仏教も、死も、墓所も、
何も恐れない無神論が
中世寺社勢力を覆っていた

中世の開幕は院制の開始1086年、
中世の終了は信長入京1586年
中世とは
全体社会の中において国家が占める割合が、
最も小さい時代

金貸しには女性が多い

1094年と1096年。嘉保の大田楽、永長の大田楽

寺社は権力
寺院は皇居以上の豪華建築だった
ルイス・フロイスは、叡山は日本の最高の大学とする
寺社勢力の経済規模は幕府朝廷よりも大きい

境内都市の発見
東大寺に住んでいた平姉子という女性
武勇の悪僧たち
軍需産業の経営主体としての寺

平重衡の南都焼き討ちは激しく非難されるが
寺社同士の争いでは焼き討ちはざら

検断得分。警察官個人が逮捕した犯人の全財産を没収する
山口組の田岡一男は一日警察署長を勤めたこともある
武芸に秀でた後鳥羽院
弘法大師が仏以上の存在として崇拝されていた
高野聖は弘法大師信仰と阿弥陀信仰をあわせ持つ時宗
家の歴史、村の歴史は室町時代後期に始まる
自治村落が身分制度を創設
秀吉は遍歴の針売り商人に出自を持つ

☆☆☆☆☆
難易度3/5 推薦度3/5

日本文明と文化の大半は古代王権からではなく中世寺社から生まれた。
中世寺社の重要性を力説しつつ、その意義を語る。

・今日の一言(本文より)
南北朝合戦の激しかった頃でも、合戦のない日には、敵味方が洛中の湯屋で出会い、語りあって、喧嘩することはなかった。源威集
남북조전투가 격렬할 때라도 전투가 없는 날에는 적과 자기 편이 교토의 공중 목욕탕에서 만나고, 서로 이야기하지만 싸울 일은 없었다.
在南北朝时代战斗激烈的时候,没有战斗的日子,双方在京都的公众浴池即使见面交谈,也没打架。
Even when the battle between the Northern and Southern Courts was intense, on days without battle friends and foes met in the public bath houses in Kyoto and chatted without argument.

『寺社勢力:もう一つの中世社会』
黒田俊雄(日本中世史)
岩波新書(1980)


日本の神道は道教の日本版
九世紀、私財の所有と相続が公然と行われるように
密教の魅力は呪法
学問で立身出世を目指して出家
本地垂迹。仏または菩薩は衆生を救うために仮の姿であらわれる。
民間の呪術的宗教者を聖と呼ぶ
あやしみを見てあやしまざる時は、あやしみかへりて破る。
所願成就を強要する願文
恵鎮が入室した房は、学問でなく兵法ばかり学んでいた

☆☆☆☆☆
難易度3/5 推薦度3/5

こっちのほうがスタンダードな寺社勢力論かな。

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