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唐物の文化史:舶来品からみた日本(岩波新書) [本(日本史]

『唐物の文化史:舶来品からみた日本』
河添房江(平安文学、平安文化)
岩波新書(2014)


東山御物。
室町将軍家の舶来品コレクション

高句麗は唐と新羅の攻撃により、
天智天皇七年(668)に滅亡したが、
その時の乱を逃れた高句麗国の
貴族や僧侶などが多数日本にわたり、
主に東国に住んだとされる。
霊亀二年には、
そのうちの千七百九十九人が武蔵国にうつされ、
新しく高麗郡が設置された

正倉院の『国家珍宝帳』『種々薬帳』
東大寺大仏の真下に埋められていた
聖武天皇愛用の唐太刀、陽宝剣と陰宝剣
世界唯一現存の古代の五弦琵琶

732年に難波宮を整備し
中国皇帝がかぶる冕冠を着用して朝賀した聖武天皇
范曄の著作『和香方』合香の専門書
平安時代の医学書『医心方』に鑑真の処方、医術二つ薬物二つ
王羲之の真筆
嵯峨天皇と最澄空海
805年最澄が茶の葉を持ち帰る
正倉院の屏風を借り出して渤海の使者をもてなした嵯峨天皇
遣唐使は六百名前後

890年頃成立『竹取物語』の五つの難題は
すべて漢籍や仏典由来の外国のもの

『うつほ物語』970-999頃。四代の秘琴伝授物語
藤原道長は光源氏のモデルの一人、漢籍の収集に熱心
地厚で格調の高い唐土の紙
薄手で色彩の華やかな和の紙屋紙
柔らかで色彩の地味な高麗の紙

新安沖の沈没船。全長30m。日本への帰途。
18000の陶磁器、800万枚の銅銭、
千本余の紫壇材など。国立光州博物館

横浜の金沢文庫
遠き物を宝とせず、得がたき貨を貴まず。書経と老子
バサラ大名佐々木道誉。闘茶会。茶を飲んで産地をあてる
永楽帝が足利義満に送った「日本国王之印」
義満が大切した唐絵。牧谿の観音猿鶴図、瀟湘八景図
ひび割れを六本のかすがいで止めた馬蝗絆。龍泉窯の青磁輪花茶碗
信長の開いた最大の茶会は本能寺の変の前日
太閤御物の四割は信長御物

1543年ポルトガル人を乗せた中国商人王直の船が種子島に漂着
フィリピンや台湾に朝貢を求めた秀吉

鎖国でなく海禁。
長崎でオランダ中国、対馬で朝鮮、薩摩で琉球、松前でアイヌ

密輸入して栽培した朝鮮人参。御種人参。中国に輸出されるほどに
吉宗。朝鮮人参やサトウキビの栽培
1813年江戸の砂糖の七割は国産
象関連の本が大量に出版された
唐物はその時代よりもひとつ前の時代のモノを好む
螺鈿と蒔絵は唐から輸入されたが宋からは輸出に
曜変天目の茶碗。世界でも日本の三点のみすべて国宝。
生産地の中国では忌む嫌われて残存せず
公私の世界で和漢を使い分ける。公は漢、私は和

☆☆☆☆☆

難易度2/5 推薦度4/5
1729年3月13日長崎から江戸まで歩いた象は、
4月26日に京都、5月25日に江戸に着く。
天皇に拝謁のとき無位無冠だと拝謁できないので従四位広南白象に。
タマちゃんの住民票みたいで面白い。

・今日の一言(本文より)
磨き立てられ、顔に白粉も塗った象は、拝謁の折りは前足を折って頭を垂れて敬礼した。それから酒を数斗飲み、饅頭を百余、みかんを百個も食べたという。
예쁘게 닦이고 얼굴에 분도 칠한 코끼리는, 배알할 때는 앞다리를 굽히고 고개를 숙이고 경례했다. 그리고 술을 수 말 마시고, 만두를 100여개, 귤을 100개나 먹었다고 한다.
打扮得漂亮的、脸上搽粉的大象,谒见天皇的时候,前脚弯曲、垂头敬礼。然后听说它还喝了几斗酒,吃了一百多个馒头和一百个橘子。
The elephant which was cleaned and had its face decorated with white powder saluted the Emperor with its head bowed and kneeling on its front leg in the audience. They say that after this the elephant drank many litters of sake, ate over a hundred steamed buns, and a hundred mandarin oranges.

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