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確率と曖昧性の哲学 [本(哲学思想]

『確率と曖昧性の哲学』
一ノ瀬正樹(哲学)
岩波書店(2011)


認識論を丸ごと自然科学の一つに置き換える
という主張をしたクワイン

ジョン・サールのなまの事実と制度的事実の区分

原因と結果の関係は確率によって理解されるべき

ゴルフのバーディーパット。ウサギがボールを蹴飛ばす。
バーディの確率は下がる。たまたまバーディとなった。
ウサギの蹴飛ばしがバーディの原因。
原因は結果の生起確率を高めるとは限らない

シンプソンの不等関係逆転
ある薬の効果。
治療した男性の回復率20/60(33.3%)は
治療しなかった男性15/55(27.3%)より高い。
治療した女性の回復率20/30(66.7%)は
治療しなかった女性90/140(64.3%)より高い。
ところが治療した人の回復率40/90(44.4%)は
治療しなかった人105/195(53.8%)よりも低い。
分母を均等にするとパラドックスはなし
▽母数の小さい結果の影響力が拡大される。治療はすべきなのだろう

決定論は主張する哲学者の怠慢が傲慢
▽逆ではないか。偶然こそは怠慢の現れ

ダーウィンは決定論的な見解に立ち、
進化理論の確率的性格を私たちの無知に帰している

過去の確定性を不注意に全時間へと拡張した錯覚、決定論的誤謬
▽単なる不可知論であって著者の主張は無意味。
この根拠からは「決定論が正しいとは限らない」としか主張できない

確率それ自体が進化の帰結であるから確率概念利用のバイアスがあるのではないか
▽これは違う。進化とは無関係。情報が古い。

ソライティーズ・パラドックス
摂氏二度の気温は寒い。
少しずつ温度をあげても寒いのは変わらないのに、
いつのまにか暑いに変わる
▽個人によって違う。
寒いや暑いを決定するのは温度そのものではなく行為だから。
概念が示すのは対象ではなく受容者の行為なのだ。

自由の程度説を受け入れるべき
▽同意する

☆☆☆☆☆
テーマは面白いが、著者の分析には問題が多い。
p20 意識は瞬間にはないのでこの議論は成立しない。意識には最小単位があるのだ。
p26 知るには度合いがある

・今日の一言(本文より、ダーウィン、種の起源)
I have called this principle, by which each slight variation, if useful, is preserved, by the term Natural Selection.
どんな軽微な変異でも、それが役に立つならば保存されていくというこの原理を、私は「自然選択」という語で呼ぶことにした。
얼마나 작은 변이라도 그것이 도움이 된다면 보존되어 간다라는 그 원리를 나는 "자연선택"이란 단어로 부르기로 했다.
无论变化多么微小,只要有益于生存,就会被保留下来,我把这个原则称为“自然选择”。

タグ:一ノ瀬正樹
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