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宗教概論 [本(仏教]

shokyougairon_ebe.jpg 『宗教概論』
江部鴨村(印度哲学、浄土真宗)
百華苑(1971)


宗教は迷信、
民衆のための阿片、
被抑圧階級の溜息か

コント
宗教は自然現象説明の第一階段

「御身を心を措いて他に神も仏もないのである」とは
仏教の伝統思想そのもの

バラモン教の神とキリスト教の神。
世界が神により造られたとする。
バラモンの世界は神自身を表現したもので
造られた万有以外に造り手の神が存するわけではない。
被造物=造物主、世界=神、人間=ブラフマ
エホバ神は無から万有を造った。被造物と造物主は永遠に二元

小乗仏教は形式本位、大乗仏教は内容本位
宗教の二要素。世界観人生観と解脱観救済観。観方と生き方

マナルコ・サンヂカリズム無政府共産主義はマルキシズムに対立する
無政府共産主義はクロポトキンの相互扶助的社会観に立脚

世界人生を統一的に解釈する。哲学の根本精神
プラトンを持つことは人類の光栄であると同時に恥辱である。エマーソン

西洋の思想家はキリスト教の二元思想に祟られて一元的に観るのが難しい
西洋の哲学者が思索を重ねて辛くも辿りついた境地、
世界は心の表象であって心のほかに何者もない、は仏教の常識

唯物論的見地からは自由も責任もない。
環境の改善と制度の革命が求められる
唯心論的見地からはすべては心持ち次第。
主観の改善が第一とされる

自然美の人格的表現が仏菩薩像
人生美の感覚的表現が美人裸像
仏教と無我と唯美的世界観人生観は内的に関連する

仏教の体相用。
コップの体はガラス、相は円筒形、用は水や湯をくみ入れるもの

龍樹の空仮中の実在弁証法、
ヘーゲルの観念弁証法、
マルクスの唯物弁証法

神は仏は聖の人格的表象である
宗教的真理、
聖はあらゆる対立とすべての差別とを止揚した最後究境の統一である

すべての宗教に合掌がある

意味は価値は在るものではなくて在るべきものであり、
探し出すものではなく造り出すべきものである

三界はみなこれ我が有なり、
そのうちの衆生はことごとく是れ我が子なり。法華経

功利の世界では自のみがあって他がない。
道徳の世界では自と他が対立する。
宗教の世界では自他一如である。

キリスト教は仏教の智顗の五時教判で言う第三時の体信の所属
自然崇拝は第二時の二誘
普遍永遠の宗教的真理がそれぞれに映し出されて異なる宗教となる

欲望の絶滅でなく無明の克服
空に目覚めるのは悟りではない。迷いに対する悟りはない
一切を空了して空の空ずべきものとすら残さない。般若皆空の世界
絶対無差別のなかから利他大愛の悲願
大乗の絶対自由

☆☆☆☆☆
宗教をさまざまな観点から分析検討しており非常に面白い。
お勧めの一冊。

・今日の一言(本文より)
There are more things in heaven and earth, Horatio, than are dreamt of in your philosophy.
ホレショーよ、お前がお前の哲学で夢想しているよりも、尚より多くのことが天地のあいだに存在する。
이 천지간에는 말일세, 호레이쇼, 자네의 철학이 상상할 수 있는 것들보다 더 많은 것이 있다네.
霍拉旭,天地之间有许多事情,是你们的哲学里所没有梦想到的呢。

タグ:江部鴨村
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