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ヒトはなぜ協力するのか [本(心理学]

『ヒトはなぜ協力するのか』
マイケル・トマセロ(心理学)
勁草書房(2013)


原題:Why We Cooperate

トマセロの進化の観点からの言語への分析が興味深い。
この本では、人のもつ協力は生まれつきのものとしている。
子どもは無報酬で援助行動することを心理学実験から解説している。
文章が直訳調で堅いのが難点。

ルソーとホッブスの関係が、孟子と荀子の関係に似ている。
性善論と性悪論である。

ヒトの白目の大きさは、視線をわかりやすくするため。
視線がわかるのは本来マイナスだが、
ヒトでは協力を前提としているためプラスなのだ。

分配ゲームではヒトは不公平な分配を拒否して0にしてしまう、
すなわち合理性を捨てて正義を貫くのだが、
チンパンジーは不公平を受け入れて、合理的に行動するのが面白い。

ヒトの協力性や援助性は、言うなれば、この自己中心的な基盤の上に成り立っているのです。
Human cooperativeness and helpfulness are, as ti were, laid on top of this self-interested foundation.

チンパンジーたちは、「わたしたち」モードでなく、「わたし」モードで集団行為に参加しているのです。
The apes engaged in a group activity in I-mode, not in We-mode.

ひとびとが協働し、ひとつの集団として考えるように仕向ける最良の方法は、敵を特定し、「かれら」が「わたしたち」を脅かしていると非難することなのです。
the best way to motivate people to collaborate and to think like a group is to identify an enemy and charge that "they" threaten "us".

ヒトと動物の違いの本質を知りたい人にお勧め。

・今日の一言(本文より、リンカーン)
I feel good when I do good.
良いことをすると気分が良いものだ。
좋은 일을 하면 기분이 좋다.
当我做的好,我感觉很好。

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