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お念仏とは何か(新潮選書) [本(仏教]

『お念仏とは何か』
ひろさちや(仏教・インド思想)
新潮選書(2006)


お念仏は信仰告白
手段ではなく目的

発遣の釈迦仏、召喚の阿弥陀仏

小乗仏教は差別語ではない
大乗仏教と小乗仏教の仏陀観の違い

仏陀は目覚めた者
如来は真理の世界から来た者
如来は宇宙の救済意志
報身仏=救済如来
あなたの阿弥陀如来はあなたが生まれたときに誕生する

阿弥陀経の鳥は畜生ではなく仏の化身

仏となると涅槃に入りこの世から消滅するので、
人々を救済するために菩薩のままでいる人もいる

浄土では生前に親しかった人と再会できる
ホームレスが一番出家に近い存在
浄土は美のない世界だから醜もない

親鸞の念仏の信の論理とパスカルの神の賭の論理は同じ
ソクラテスの無知の知の自覚と法然の愚の類似

中世インドのインドゥー教の論争。
マルカタ・ニヤーヤ、小猿が母猿にしがみついて逃げる猿の道、自力。
マールジャーラ・ニヤーヤ、母猫が子猫をくわえて逃げる、他力

あ、そう。困ったね。よかったね。の三語だけでいい。足立大進

人間はこの世に客としてやって来た。沢庵和尚

お念仏はふるさとへの長距離電話である

☆☆☆☆☆
たくさん本を書いているだけあって読みやすく、
比喩も面白い。
法然はすべての人間が極楽浄土から娑婆へ来ていると考えたというのは、
なるほど、と思う。

・今日の一言(本文より)
底なし沼は自分の力で出ることはできない。誰かに引っ張ってもらう必要がある。
바닥이 없는 늪은 자기 힘으로 나올 수 없다. 누군가가 잡아끌 필요가 있다.
You cannot escape from a bottomless swamp by yourself. You need to be pulled by someone.
靠自己的力量是不能从无底的沼泽逃出来的。我们需要别人拉一把。

『法然: 念仏に生きる』
ひろさちや(仏教・インド思想)
春秋社(2013)


たいていの人は、親や兄弟と死別するなどの因縁があって出家するが、
そういう因縁もなくただ法爾自然と出家しました。それで法然

法然の愚の自覚はキリスト教に近い
仏と人間の連続性を否定し、隔絶を前提した仏教
釈迦堂で女性信者と接した
選択集は基本教理ではなく浄土門の独立宣言
京都の法然の念仏信者は三万八千人

受戒すればその人に戒体が生じて戒体が戒を守らせる。
戒体は精神的なエネルギーで病気を治す
高倉天皇に受戒した法然

法然の言葉には阿弥陀仏から見たものと凡夫から見たものがある
善人も悪人も関係ない。
悪人正機の表現は善行によって救われることを否定するため

『法然上人秘伝』鈴虫、松虫の侍女が出家させたのが法然。
住蓮が師の罪をかぶった。
安楽は六時礼讃を興行した罪。
二人が別の場所で処刑されたのは別の罪だから

早く浄土に行きたい気持ちが起こらないのは?
親鸞:だから往生確実だ。
法然:本当によくないことです

☆☆☆☆☆
レトリックをどう解釈するかで、
意見がわかれるのが面白い。

『親鸞: 非僧非俗に生きる』
ひろさちや(仏教・インド思想)
春秋社(2013)


わたしは、この世における善だとか悪だとかいったことに、
まったく関心がありません。親鸞

親鸞への観音菩薩の命令と
法然の念仏しやすければなんでもいいは同じ

越後で恵信尼と結婚したのでは観音菩薩の夢が無意味。
流罪になったとき僧籍を剥奪されているため

兎の毛、羊の毛の先端につく塵のような小さな罪でも、
宿業によらぬものはないと考えるべきである。親鸞

親鸞の理想像。賀古の教信沙弥

上人は正式の僧、聖人は私度僧

釈迦は海を見たことがない
親鸞にとって阿弥陀仏は法身仏=宇宙仏

法然の悪人は病人であるから優先される。キリストと同じ
親鸞の悪人は配役
親鸞は本願ぼこりを否定しない
善鸞への義絶状は偽物ではないか

阿闍世太子の父親殺しも
阿弥陀如来の衆生救済意志によるプログラムの一環だ。親鸞

☆☆☆☆☆
親鸞と法然では悪に対する観念が少し違うようだ。

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