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日本人の死生観(上・下)(岩波新書) [本(人物伝記]

『日本人の死生観(上)』
加藤周一(評論家)
岩波新書(1977)


英語版あり。
Six Lives, Six Deaths: Portraits from Modern Japan

乃木希典、森鴎外、中江兆民の伝記と思想。

乃木と鴎外は権力の内部の周辺。
兆民と河上は権力と対立。三島は権力に近づこうとして入れず。
白鳥は距離を置く

象徴的不死性の五つの様態:
生物学的:儒教的先祖信仰
神学的:死後の世界や不滅の魂
創造的:芸術な科学の業績
自然的:自然の一部としてのアニミズム
経験的超越:忘我の境地や瞑想

乃木が九歳まで過ごした場所は赤穂浪士が切腹した場所
熊本での軍旗喪失
老母は台湾に従い一ヶ月でマラリアで病死
台湾統治で全く無能
乃木の挙措に生命のないつくりものの感じを抱いた志賀直哉と武者小路
圧倒的な死の罪悪感からの心的麻痺

ドイツ人少女エリスは森鴎外を追って二週間遅れで横浜に到着。
西洋医学とは別の東洋医学などはなく医学は一つ
登志子との結婚は一年半で破綻
余ハ石見人森林太郎トシテ死セント欲ス

西洋の理想にもとづいて西洋を批判した兆民
明治日本に対応するものを同時期のフランスではなく18世紀フランスに見出した

土佐の歩兵隊がフランス水平11人を射殺した堺事件。
20人が切腹を命じられ11人が死んで中断

葬儀係の正規社員を置いている企業



『日本人の死生観(下)』
加藤周一(評論家)
岩波新書(1977)


河上肇、白鳥正宗、三島由紀夫の伝記と思想。

第一次大戦前の日本の社会主義者の多くは
キリスト教とか以前キリスト教とだった人

河野肇。非転向と晩年の隠遁。終戦の歓喜

死の間際にキリスト教に回帰した白鳥

平岡公威。作家。
ボディービル、ボクシング、ロココ式邸宅、
私兵の編成、やくざ映画出演、ヌード写真モデル、
右翼政治思想、自衛隊駐屯地に乱入人質をとって演説後に割腹自殺
大蔵省を退職
自己を破壊する前に美しくなる必要がある
大塩平八郎をモデルに
40歳で自衛隊に体験入隊

徳川時代の末に武士文化が町人化し、
明治時代には町人文化が武士化した

近代日本のユートピア文学の欠如

日本人は死を特定集団のなかの存在から
宇宙のなかの存在への移行として感じている

ドイツと日本の共通の伝統である心中

母の言葉
お祝いには赤いばらを持って来て下さればようございましたのに。
生まれて初めていつもしたかったことをした

・今日の一言(本文より)
他の国において、革命に近い変動が「復古(維新)」と名づけられた例を、私は知らない。
다른 나라에 있어서 혁명에 가까운 변동이 「복고(유신)」라고 명명한 사례를 나는 모른다.
其它的国家没有把近乎革命的政变称为复古(维新)的例子,我从来没听说过。
I have not heard a change close to a revolution called a restoration in other countries.

タグ:加藤周一
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