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日本文学史序説(ちくま学芸文庫) [本(日本史]

『日本文学史序説〈上〉』
加藤周一(文芸評論家)
ちくま学芸文庫(1999)


日本思想発展史。
非常に面白いお勧めの二冊。

日本では哲学の役割まで文学が代行し、
中国では文学さえも哲学的となったのである

新旧の交替よりも旧に新を加えるという発展の型

例外は一般的傾向を否定するどころか、
かえってそれを際だたせる

水墨画と侘びの茶に禅が影響を与えたのではなく、
禅が水墨画と侘びの茶となった

奈良時代の納税率は3%

奈良時代の総人口600万人10-15%は奴婢

記紀の伝説的王は手強い相手をだまし討ちにすることに長けていた

小さな優しい身の回りの自然に託した恋の歌が万葉集の大部分

今が楽しければ来世が虫でも鳥でもかまわない

在原業平825-880
伊勢物語の業平は、
皇后と姦通し伊勢の斎宮を犯す、女との関係に禁忌がない

宮廷の日常生活に短歌を心得ていないと成り立たない

天台教学と専修念仏の浄土真宗の関係は
中世協会カトリシズムとプロテスタンティズムに酷似
日蓮の法華宗はカルヴィニズムに
日蓮:国のための仏教から仏教のための国へ

布教に落胆し中国へ帰りたいと言った禅の僧侶、
兀庵普寧と無学祖元

吉田兼好1283-1353『徒然草』
一貫した思想がなく前後で主張が矛盾する

芭蕉の旅は40代から
孤独な漂泊ではなく弟子を一人以上連れ各地のパトロンを歴訪



『日本文学史序説〈下〉』
加藤周一(文芸評論家)
ちくま学芸文庫(1999)


富永仲基1715-1746『出定後語』儒仏神を批判、加上の概念、
五種類の言葉の意味:
泛(広い意味)
偏(狭い意味)
張(拡張された意味)
転(新しい意味)
反(悪い意味から良い忌みへ)

三浦梅園1723-1789『玄語』
自然哲学者、条理と反観合一の原理、へーゲルの弁証法を思わせる

頼山陽1780-1832『日本外史』百万部近く読まれた

1830年おかげ参り=抜け参り:伊勢参宮、400-500万人動員

1866年奥州信夫郡伊達郡の百姓一揆七万人、
槍と鉄砲組まで、牢屋を襲撃して解放させる

西田幾多郎1870-1945『善の研究』心理的な思索の道筋がそのまま文章に

東京裁判の被告の態度の特徴は
既成事実への屈服と権限への逃避の二点に要約される

・今日の一言(本文より)
我独雖得従衆同挙。
自分が正しいと思った場合でも衆に従って行動しろ。
자신이 옳다고 생각했을 경우라도 모두를 따라서 행동하라.
Though we may think we alone are in the right, let us follow the majority and act like them.

タグ:文芸評論家
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