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知覚のなかの行為(現代哲学への招待Great Works) [本(脳科学]

『知覚のなかの行為』
アルヴァ・ノエ(現象学、哲学)
春秋社(2010)


原題:Action in Perception
現象学の示す心と脳の関係。非常に面白い。

身体の理論はすでに知覚の理論である。
The theory of the body is already a theory of perception.

動物のみが知覚を持つ。
知覚とは一種の熟練した身体活動である。
意識は実際には不連続的である。
意識は流れではなくコマ送りなのだ。

見られるもののどんなものも一挙に完全な形で知覚されることはない。

行為-活動的に環境と相互に作用しあう個体によってのみ知覚の順応が達成される。
Perceptual adaptation is achieved only by individuals who activity interact with their environments.

色は見た目の形や大きさと同様の地位をもつ。

ハトは五色型色覚者pentachromatである。
Pigeons are pentachromat.

色の体系からあり得ない赤みがかった緑を経験する実験。

異なる動物たちはたとえ同じ物理世界に住み込んでいようとも異なる知覚世界に住み込んでいる
Different animals inhabit different perceptual worlds even though they inhabit the same physical world.

左右のレンズのそれぞれ右側が黄色左側が青色の分割レンズ眼鏡。
右を見ると黄色に左を見ると青色に見える。
しばらくすると順応して左右に違いがなくなる。

カメラの視覚情報を音声表現するシステムを装着した失明者は
音にもかかわらず見ると感じる。

原初的なのは感覚的な性質でなく感覚-運動的理解。

ギブソン:
脳は視覚システム全体の中心的な器官であるに過ぎない。
The brain is only the central organ of a complete visual system.

知覚を一種の熟達した身体運動として捉える。

クオリア理論では逆転スペクトルでクオリアが異なっていたり
色経験のないゾンビが成立する。
著者のエナクティヴ・アプローチでは否定的。

知覚経験の二種:
世界あるがままの現前と知覚者の地点からの世界の現前。

・今日の一言(本文より)
Why do we feel that somewhere in our brain is a complete, coherent representation of the entire scene?
なぜ私たちは脳のどこかに全光景の完全で整合的な表象があると感じるのだろうか
왜 우리는 뇌의 어딘가에 모든 광경이 완전하고 들어맞은 표상이 있다고 느끼는 것일까?
为什么我们觉得在脑子里的某个地方有全光景的完整画面?

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