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人はなぜレイプするのか:進化生物学が解き明かす [本(法律と犯罪]

『人はなぜレイプするのか』
ランディ・ソーンヒル(動物行動学、進化心理学)
0 青灯社(2006)


原題:A Natural History of Rape 2000

過激なタイトルだけど、中身は丁寧な論文。
レイプが進化で発達した生殖戦略なのか心理学的適応の副産物かを検討し、
フェミニスト社会学を批判するもの。

大きな影響力をもつ社会科学の著作の大多数はイデオロギー的なものである。
The most of the influential work in the social sciences is ideological.

対称性それ自体の遺伝率はほとんどゼロに近い
The heritablitiy of symmetry per se is porbably near zero.

進化から考えるときの注意点二つ。

ウィリアムズ:
複雑な諸形質についてはそれが副産物だという説明がつかない場合にかぎって適応だと考えるべきである。

ローシュコ:
至近的な関連事項に十分な注意をはらわないと淘汰プロセスのなかで働く力を読み損ねる結果となる。究極的な機能だけにしか関心を寄せない研究者は他の適応の副産物や二次的効果にすぎない行動を誤って適応だと分類してしまう危険がある

レイプを動機づけるのは性的欲求と所有や支配への欲求。

自然主義の誤謬
どうあるべきかは実際にどうであるか、どうであるのが自然かよって決まるものではない。

メイナード・スミスのグールド批判
グールドの著作について私が論じ合った進化生物学者たちは、彼の論旨は無茶苦茶だからわざわざ反論するにもあたらないと考えている者が多かった。

著者たちはフェミニストの"レイプが性犯罪でなく暴力犯罪という考え"を
追放してこそレイプを減らせるとしている。

・今日の一言(本文より)
Certain proximate explanations may be incompatible with certain ultimate explanations.
究極要因から考えた場合にあり得ない至近要因というのも存在する。
궁극 요인으로 생각할 경우 있을 수 없는 지근요인도 존재한다.
有从最初原因考虑时不可能的最近原因。

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