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宗教とは何か [本(哲学思想]

『宗教とは何か』
テリー・イーグルトン(マルクス主義批評家)
青土社(2010)


何というか...悪く言えばドーキンス便乗本といったところか。
自分の宗教に対する見解をドーキンスらに反論する形で発表したもの。
ただし、どうもこの本は誤解されているように思う。

まず著者は、神学者でもなく、宗教家でもなく、宗教人類学者でもなく、
文芸批評家、すなわち全くの素人である。著書でも素人と断ってある。
従って、宗教に対する標準的見方なとどは到底言えないものだ。
またあくまでも
ドーキンスのベストセラーに便乗した無数の本の一冊であって、
別に対等に対決した本というわけではない。

隠れた前提という詭弁を使ってドーキンスをこき下ろしているのが特徴。

19世紀合理主義者リチャード・ドーキンス
ペンタゴンにいる彼の友人たち
ヒトラーは20世紀のテクノロジーを駆使できたので
規模が大きくなったと情状酌量の余地があるのように述べている

などなど。
科学に対する否定的見解も多いが、
宗教とは何かというテーマで科学を論ずるのは本来筋違いである。
科学と宗教は全くカテゴリーの階層が違うので、
科学か宗教かなどという思考をした時点で議論が失格である。

科学はなぜ法則が存在するのかについては解明できないというが、
そもそも宗教もできていない。
できるならすべての宗教の意見が一致するだろう。

・今日の三言(本文より)
The difference between science and theology is one over whether you see the world as a gift or not.
科学と神学の違いは世界を贈り物としてみるかどうかだ。
과학과 신학의 차이는 세계를 선물로 볼 것인가 아닌가 말이다.
科学和神学的区别是把世界看不看作礼物。

A believer, after all, is someone in love.
信仰者とは結局のところ愛する者だ。
신앙자란 결국 사랑하는 사람이다.
有信仰的人就是有爱的人。

God is the reason why there is something rather than nothing.
神はなにごとかが在ることの存在理由である。
하느님은 뭔가가 있다는 것의 존재 이유다.
上帝是事物存在的理由。

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