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英語の発想(ちくま学芸文庫) [本(英語学習]

『英語の発想』
安西徹雄(英文学、シェイクスピア研究)
ちくま学芸文庫(2000)


英語と日本語の違いを翻訳から知る良書。

翻訳のための法則がたくさん挙げられており参考になるだけでなく、
そこから英語と日本語の構造を知ることができる。

英語の大きな名詞句は日本語では文章に訳すこと。
無生物主語は原因理由を表す副詞句に置き換える。
目的語の人間を主語し受身表現にする。

英語で、"XであるAがBをYにする"とあれば
日本語では、"AがXであればBがYになる"とする。
"する"を"なる"に変えるのだ。

英語の受動態はbyがついていないのが原則。
受動態は英語の"なる"的表現である。
能動態と受動態の関係は、
"する"と"される"ではなく"する"と"なる"の関係なのだ。

これで思い出すのが韓国語。
韓国語で受身として習う形のほとんどが、
"なる"という自動詞表現で、
日本語の受身のイメージと大きく異なるからだ。

英語は原因結果関係で表現する。
原因部分を主語にするわけで、文が時系列なのだ。
そして段落はトピックセンテンス、主張を最初に提示する。

日本語は逆で、文が"は"を使って、
トピックセンテンス構造を持つが、
段落の構造は時系列なので、結論が最期に来る。

日本語では段落は時系列、文がトピック構造、
英語では文が時系列、段落がトピック構造、
で相補的になっており、
日本語も英語も、
その構造にふさわしく論理的にできているのである。

タグ:安西徹雄
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