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「日本は先進国」のウソ(平凡社新書) [本(格差問題]

『「日本は先進国」のウソ/杉田聡/平凡社新書/2008』
著者:自動車論、民主主義論、哲学、倫理学、社会思想史
評価:確かに赤旗ソースの話が多いね。比較方式が適切と感じられない


物事には多く裏表があるものだが、
ある事象について自分の都合のいい側面だけを示すのだ。
ただ内容には同意できるものも多いのだが……

外国と比較するときも、テーマごとに別の国を出して比較する。
こういうのはすべての問題で同じく国をすべて比較しないと意味がない。

日本人は働き過ぎ。
残業代割増率は、日本25%、アメリカ50%。
残業させやすいわけ。

東京の男性の帰宅時間は20時49分、ストックホルムは17時11分。
3時間半も家に帰る時間が違う。
これでは家庭は持てないね。

オランダやアイスランドの最低賃金は月20万相当。
日本とは大きな違い。

日本の年金は25年の支払いだが、
アメリカは10年、ドイツ5年、スウェーデン3年と短い。

男女格差の是正にはクォータ制。
ノルウェーでは、4人以上の公的機関では、
両性がそれぞれ40%以上選出と規定されている。

小学校の1クラスは、
日本28.4人、OECD平均21.5人。
中学校はOECD平均24.1人に対して、日本33.5人。
日本の学校教育は貧弱だ。

日本の公務員は少ない。
人口1000人当たり公務員数は、
日本42.2人、ドイツ69.6人、イギリス78.3人。

国連国際人権規約委員会の皮肉。
日本の裁判官に対する人権教育の必要性を強く勧告。

将来の養わなければならない人間は増えるのか。
実際に働いている人を分母に、
働いていない人を分子とした被扶養人口指数では、
1985年も2025年もほぼ同じ。
85年は1.08で、06年0.99と減ってすらいる。

スウェーデンの消費税は25%と高い
しかし食品は12%で、医療や不動産売買は0%だ。
この不動産売買にかからないのが気になるな。

思うに、日本がうまく機能しない理由は、
大多数の国民が「合成の誤謬」を理解していないからではないだろうか。
個人の良い行為をみんなですると社会全体では悪いことになることがある。
経団連が提案したような政策はみな自社を短期的に有利にするが、
日本全体の市場規模を縮小させて結局損してしまうものばかりだ。

労働の規制撤廃や、教育や福祉の縮小して負担を減らすことは、
短期的に個人に有利に見えても、日本全体の生産性を低くするだけである。
消費者と生産者は別の人間ではなく、同じ人間の別の側面である。
消費者を育てることが生産者を育てることにもなる。

民主主義が十分に機能するには、
大多数の国民が「合成の誤謬」を理解できる必要があるようだ。
それにはまずマスコミが「合成の誤謬」を理解し、促進する必要がある。

政治家を選ぶのは、有権者。
有権者の行動を大きく変えるのはマスメディア。
マスメディアの方向性を決めているのはその既得権益を守る公官庁かな。
そして大手メディアの社員の給与は相変わらず高いし、
お役人の収入も安定している。
変える力があるところには、変える意志はないというわけだ。

・今日の一言
合成の誤謬とは、自分一人が行うと利益の得られるのに、みんなが行うと社会全体が損失を受けることである。個人は節約して借金を減らせるが、政府は節約しても不景気になり返って借金が増えることなど。
Fallacy of composition is the case that the act to make a profit for one person is the act to suffer a loss to everyone. For example, one person can clear the debts by saving money, but government cannot clear the debts by saving money. On the contrary, its debts increase by the depression which it make.
합성의 오류와는 자신 한 사람이 실시하면 이익이 얻을 수 있는데, 모두가 같이 하면 사회 전체가 손실을 받는 일이다. 개인은 절약해서 빚을 갚을 수 있지만, 정부는 절약해도 불경기이어져 오히려 빚을 늘어나는 것 등.
所谓合成谬误是自己一个人做的话能得到利益,可是大家做的话社会全体受到损失。比如,个人能靠节约还债,但是政府的节约就造成不景气,导致政府的负债增加。

タグ:平凡社新書
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