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古代日本人の時間意識-その構造と展開 [本(日本史]

『古代日本人の時間意識』
田中元(哲学者)
吉川弘文館(1984)


万葉集を中心に古代人の時間感覚を探る。

律令時代やそれ以前は朝臣は日出以前に出勤した。
そして午前中に勤務を終えるのだ。
ただし一般の役人は日没まで働く。

面白い考察がある。
午前中の今夜は昨日の夜を指し、
午後の今夜はその日の夜を指したらしい。

万葉集は直観的、空間的、固有信仰。
古今集は理知的、時間的、仏教思想。
これは平安京の固定的作為的さから、
空間から時間へと想像の領域がシフトしたもの。

アリストテレスの時間論。
時間は生成の原因であるよりも消滅の原因である。
時間がその力を見せるのは破壊としてなのだ。

中国では使われない時勢と大勢。
日本では"いきおい"として多用される。
空気ってやつの元祖だろうか。

中国では祖先は神とならず墓/廟に祭られる。
日本では祖霊は祖神として墓でなく社に祭られる。
血族より地縁ということかな。

万葉集に圧倒的に多い恋の歌。
世界的にも異例なもの。
世界的に見れば家の束縛が弱かったということかな。

・今日の一言
時間は生成の原因であるよりも消滅の原因である。
Time crumbles things; everything grows old under the power of Time and is forgotten through the lapse of Time. (Aristotle)
時間は物を壊す。すべては時間の力の元に成長し時間の経過とともに忘れ去られる。(アリストテレス)
시간은 물건을 파괴한다. 모든 것은 시간의 힘에 의해 성장하고 시간의 경과와 함께 잊혀진다.(아리스토텔레스)
时间破坏东西。所有的东西在时间的力量下成长,随着时间的推移被忘掉。(亚里士多德)

タグ:田中元
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