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脳のなかの身体:認知運動療法の挑戦(講談社現代新書) [本(脳科学]

『脳のなかの身体』
宮本省三(理学療法士)
講談社現代新書(2008)


脳科学とイメージトレーニングによるリハビリの話。

エミリー・ディキンソンの詩。
"脳は空よりも広い"
脳の不思議は果てしなく大きいのだ。

メルロ=ポンティの言葉。
"身体はあらゆる意味生成の根源"
身体こそ精神の基礎であること。
脳だけでは精神や心はわからないのだ。

カルロ・ペルフェッティの認知運動療法。
あらゆる行為にはイメージが先行する。
認知課題-知覚仮説-解答の思考循環として訓練を形成する。
治療に運動イメージを使うのだ。

幻肢は6歳以下の子どもには認められない。
脳の可塑性が大きくて、
脳がすぐに再構成されるということか。

ミケランジェロのダビデ像は頭と手が大きすぎる。
ペンフィールドのホムンクルスに対応するようだ。

ピノキオ錯覚とは?
目を閉じて鼻を指でつまむ。
同時に肘関節を伸ばす上腕三頭筋に振動刺激を加えると、
鼻が長くなったような運動錯覚を生じる。
鼻が伸びると感じるのだ。

手でリンゴを把持するとき、
主体の意図で運動野や感覚野の活性化が違う。

生物的に可能な運動を見ると頭頂葉や前頭葉など、
身体運動の領域が活性化するが、
生物に有り得ない運動を見ると側頭葉が活性化する。

脳の可塑性は注意に依存することを示したリカンゾーネの実験。
サルの指に振動刺激しつつ音を聞かせて、
その周波数の識別をさせて餌を与えた。
振動刺激した指の体性感覚野は変化せず、
周波数識別する側頭葉の領域が広がった。
刺激を受けた部分でなく注意を向けた機能の脳部位が発達するのだ。

運動野が認知器官である可能性。
筋からの感覚入力の一部は運動野に直接投射しているらしい。

認知と運動の本質的な不可分性がわかり興味深い。

・今日の一言
脳は空より広い。
The brain is wider than the sky.
머리는 하늘보다 크다.
头脑比天空更宽广。

タグ:宮本省三
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