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本草と夢と錬金術と-物質的想像力の現象学 [本(東洋史]

『本草と夢と錬金術と』
山田慶兒(中国医学史、科学史)
朝日新聞社(1997)


中国の科学思想を知る良書。

中世中国のベストセラー。それは暦。
天暦元年1328年の官暦は、
312万3185部も発行されたのだ。

松烟墨は後漢の発明。
紙の広まりに対応したのかな。

爆薬の最古の記述は、850年頃の錬金術書。
『真元妙道要略』に記載がある。

鄭和の宝船の排水量は3100t。
木製とは思えないほどの巨大さだ。

周には占夢の官がある。
漢書芸文志には黄帝長柳占夢十一巻、甘徳長柳占夢二十巻との記録。
素問巻24方盛衰論篇には、五臓の気が虚厥でみだりに夢を見るとする。
霊枢巻七淫邪発夢篇に夢と身体の関係が説かれている。
ちょっとユングの思想を連想した。

葛洪の神仙伝によると、陰長生は後漢新野の人。
和帝の皇后陰氏はその曾孫で、
南陽の馬明生に道術を学ぶこと20年、
太清金液神丹を授けられたという。
光武帝の皇后陰麗華はどうやら錬金術師一家の娘のようだ。

『DNAでたどる日本人10万年の旅』
崎谷満(分子生物学によるヒト集団の解明)
昭和堂(2008)


分子生物学の話。
分析の話ばかりなのでちょっと退屈。

長江文明の担い手はオーストロアジア語族。
越族。

長江文明の崩壊は、
前473年呉の滅亡と前334年頃越の滅亡。
朝鮮半島へ難民となる。
これは半島での水稲拡大時期に一致し、
日本の弥生時代開始とも一致する。
渡来系弥生人は越人らしい。
呉や越は日本人と韓国人の先祖の一つのようだ。
臥薪嘗胆の故事にも親しみが持てますね。

『司馬遷-史記の世界』
武田泰淳(作家)
講談社文芸文庫(1997)


大室幹雄みたいな感じ。よくわからん。

無位無冠の男にへりくだる秦王時代の始皇帝。
そして始皇帝は楽しまなかった。
始皇帝って、
支配者だけど人生を全然楽しんでないよな。
何だか可哀想な気がする。

・今日の一言
鄭和の宝船の排水量は3100tあった。
Zheng He's treasure ship has a displacement of 3100 tons
전화의 보선(寶船) 배수량은 3100톤 있었다.
郑和的宝船排水量有3100吨。

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