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越えられなかった海峡-女性飛行士朴敬元の生涯 [本(人物伝記]

『越えられなかった海峡』
加納実紀代(女性史)
時事通信社(1994)


面白い!女性として韓国人としての葛藤を描くノンフィクション小説。

チャン・ジニョン主演の映画『青燕』の主人公の伝記ということで、
読みました。大当たりでした。

いや、これむっちゃ面白いんですけど。
ノンフィクション小説というのでしょうか?
ここ数年間で読んだ小説ではNo1.です。
何でしょうか……文章のタイプが私の心にぴったり来るようです。
私は、平塚らいてうの文章も好きだし、宣言文が好きなのかもしれません。

朴敬元(1897.6.24~1933.8.7)
身長168cm。顔にそばかすがあり、好物はソルロンタン。

父親は箪笥などの家具職人で、母親は元奴婢という貧しい家庭。
五人姉妹の名前。
ナムス、カムイ、ソカムイ、ソプソビ(惜しい子)、ウォントン(恨めしい子)。
余りのような存在であった末娘、パク・ウォントン、後の朴敬元。

大邱で看護学校に入り看護婦になり、
後に日本に渡り、李王家からの資金で飛行家に。

資金援助のため小泉逓信大臣に面会したため、
その妾と思われたらしい。
小泉純一郎の祖父である。

他にも魅力的な人物が登場する。
女権拡張主義者にして飛行士の北村兼子。
この人の伝記も読むつもり。

ソ連では女性も戦っていた。
ソ連の女性飛行士、八機撃墜のエースもいた。
クリミア戦線の第533爆撃隊250人はほとんどが20歳前後の女性という。
T-34戦車は女性が運転して前線まで運んだのは有名だよね。

女流飛行家の強い情熱。
朴敬元の残した文章。
・わが女流飛行家は何故伸展しないか!
・青空礼賛
『青空礼賛』は明日、ハングル訳up予定。

女流飛行家今井小まつの言葉も印象的だ。
「人生は有か無か死か勝利か。
いずれの場合にも、二つのうちから一つを選び取るのは自分なのだ。」
これもう本当に格好いいセリフですね。

・今日の二言
わが女流飛行家は何故伸展しないか!(朴敬元)
Why our aviatrixes don't progress!(Pak Kyongwon)
우리 여류 비행가는 왜 진전하지 않겠는가!(박경원)
我们女飞行家为何不发展!(朴敬元)

人生は有か無か死か勝利か。いずれの場合にも、二つのうちから一つを選び取るのは自分なのだ。(今井小まつ)
Life is being or nothing, death or triumph. In each case, you must choose one between the two. You are the captain of your soul.(Imai Komatsu)
인생은 유인가 무인가 죽음인가 승리인가? 어느쪽의 경우에도 둘 중에 하나를 고르는 사람은 자기 자신이다.(이마이 고마츠)
人生有或无,死或胜利。不管怎样,二者取一,挑选都是由自己决定。(今井小松)

タグ:加納実紀代
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