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幕末・維新(岩波新書・シリーズ日本近現代史①) [本(日本史]

『幕末・維新』
井上勝生(幕末・維新史)
岩波新書(2007)


成熟した伝統社会の江戸時代から見た明治維新。
野心作。

オランダ別段風説書による詳しい西洋情報。
幕府に提出された海外情報により、
細かく対応が検討されていた。
幕府は無策でなく
国力に応じた周到な準備があった。
対して、天皇と朝廷は条約承認を拒否した。
現実的な幕府に、
非現実的な天皇が反対したのである。

貿易による利益の大きさ。
薩摩藩の財政の半ばを占めたのは密貿易である。
19世紀アメリカの歳入の9割は関税収入である。

当時最強のイギリスですら、日本植民地化の可能性は低かったという。
1871年から政府要人は1年半も米欧へ旅行して留守にできた。
それほど危険はなかったのである。

一揆の実態。
百姓一揆では、竹槍は使わない。通例は百姓を示す鎌であった。
3200件の一揆で竹槍による殺害は2件のみ。
江戸時代の百姓一揆へ百姓の参加は公認されていた。
駕籠訴も道理があれば容認されていた。
江戸時代の一揆は打ち壊しても放火は禁止だった。
一揆勢は御百姓と自称し、武士に引け目を持っていなかった。
近代代議制の前段階である訴願運動、国訴という制度もあった。

新しい軍隊の強さ。
征長軍15万に対して、長州藩軍は4000しかなかった。

北海道開拓は和人の植民地そのものという。
今やアイヌは極めて少数派である。

・今日の一言
薩摩藩の収入の半分は密貿易によるものだ。
The half of Satsuma Domain's income is from the illegal trade.
사쓰마(薩摩) 번 수입의 반은 밀무역에 의한 것이다.
萨摩藩收入的一半是走私贸易。

タグ:井上勝生
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