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比喩によるモラルと政治-米国における保守とリベラル [本(哲学思想]

『比喩によるモラルと政治』
ジョージ・レイコフ(認知言語学、生成意味論)
木鐸社(1998)


保守とリベラルの考え方の道筋を知る。

原題は、道徳政治。
道徳についての考え方から保守とリベラルの思考を知る。
タイトルの、比喩によるモラルと政治は、あまりよいタイトルではない。

保守とリベラルの発想がかみ合わないのは、常識が異なるため。
常識とは無意識の概念構造。
無意識の概念構造を解き明かすことでその仕組みを知る。

レイコフの結論
保守は厳しい父親のモラル、リベラルは慈しむ親のモラル。

イタリア、スペイン、イスラエル、中国では
子どもが成人しても父親の影響下にあるため、
政府の干渉に対する怒りはアメリカより弱いという。

私は少し違うのではないかと思う。
保守とリベラルの違いは、
世界の運命度と不確定性の認識の違いという気がする。
保守は、世界は運命論的で必然と考え、
リベラルは、世界が運不運に満ちていると捉える。

自分の力でなく不運によるものならセーフティーネットが必要だが、
それが自分の力であり運命なら、セーフティーネットは不要になる。

保守は、死刑を良しとするが堕胎は駄目とする。
胎児は生きる運命を持っているから助けるべきで、
死刑囚は自分の選択でそうなったのだから死ぬべきとする。

偶然を認める力の弱く、世界の必然を信じる人ほど保守であり、
偶然を許容できる人ほどリベラルではないだろうか。

・今日の一言
保守は運命を信じ、リベラルは偶然を信じる。
Conservatives believe destiny, liberals believe accidents.
보수는 운명을 믿고, 리버럴은 우연을 믿는다.
保守相信命运,自由主义者相信偶然。

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