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君当に酔人を恕すべし 中国の酒文化(図説中国文化百華) [本(東洋史]

図説中国文化百華017
『君当に酔人を恕すべし 中国の酒文化』
蔡毅(比較文学)
農山漁村文化協会(2006)


酒にまつわる中国史。図版が多く楽しめる。

蓮の葉を杯にする碧筒杯。美味しいらしい。
何と、しゅーらんさんが詳細に実験レポートをしている。
三世紀or六世紀中国の蓮酒(碧筒酒)をやってみた(しゅーらんの白昼夢記)

これは象鼻杯として日本各地で行われているという。
象鼻杯で検索するとやり方などもたくさん見つかる。

象鼻杯(百度画像)
象鼻杯(Google画像)

漢代の風習
重陽の節句には、
高い山に登りはじかみを携えて菊花酒を飲むらしい。
ピクニックだね。

サヨナラダケガ人生ダは、
晩唐の詩人于武陵の詩。
人生足別離
を翻訳したもの。
さすがに詩人の発想は凄いな。

図説中国文化百華006
『神と人の交響楽 中国仮面の世界』
稲畑耕一郎(中国古代学)
農山漁村文化協会(2003)


仮面の中国史。図版が多く楽しめる。

南北朝時代鉄面をつけるのは普通だった。
蘭陵王が鉄面をつけたのも、当時としては当然だったらしい。

追儺
年の暮れに悪鬼悪疫を追い払う。
黄金の四目の面をつけた方相氏が鉞を持つ。
巫が箒を持つ。
赤い帽子に黒い服の子どもが弓矢を持って射る。
松明を打ち振って悪鬼を追う。

追儺の三種
国の儺:都の9つの門で犬羊鶏を犠牲にし陰を気を追う。
天子の儺:天子が仲秋に陽気を追い払い秋の気を引き入れる。
大儺:天子から庶民までが行う。
役人が四方の門で犠牲とし、土牛を作って寒気を送り出す。

図説中国文化百華002
『天翔るシンボルたち 幻想動物の文化誌』
張競(比較文学、比較文化、日中比較文化史)
農山漁村文化協会(2002)


想像の動物の中国史。図版が多く楽しめる。

辟邪とは麒麟+虎の動物。
残念なことに、光武帝陵から出た辟邪の写真がない。無念。

史記における劉邦が龍の子との記述。
これは貶めるためという説があるらしい。
当時は龍は変な動物として見られていただけで、
むしろこの記述によって神聖な動物となったらしい。
龍が神聖だから劉邦に結びついたのでなく、
劉邦に結びつくことで龍が神聖になったというわけ。ホントかな?

図説中国文化百華013
『「天下」を目指して 中国多民族国家の歩み』
王柯(中国近現代史)
農山漁村文化協会(2007)


周囲の外国との中国史。図版が多く楽しめる。

歴史という言葉は明以降にできた。
それまでの史とは違うらしい。

春秋時代には、蛮や夷や戎という漢字を謚にすることもあった。
差別意識はなかったらしい。

『習俗の始原をたずねて』
井本英一(ペルシア語)
法政大学出版局(1992)


日本、中国、朝鮮、インド、イラン、ヨーロッパの習慣比較。

中国で12月23と24日はかまど祭り。
その日から年末までに神々が天に昇るので
この時期に人々は結婚するらしい。
年末に結婚式が多いってことかなあ。

白川静によると"道"とは、
異族の首をたずさえてお祓いして道を進むの意味。
アフリカでは小児の魂が道を行く女性の胎内に入るように、
死体を道端に埋めた。
日本でも交通事故で道端に石と花と水を置く。
何だか怖い話だ。

『中国薬草ものがたり』
繆文渭(民間文学)
東方書店(1992)


薬の起源についての民話集。

中国の言葉。
三不留とは、話をしない、ご馳走しない、泊めない。
村八分みたいなものかな。



『物候学-大自然語の手引き』
竺可楨(現代物候学)
円青社(1988)


生物の気候変化による周期現象の話。

粟を播くのは2月上旬ポプラの葉が出て花芽がつく時。
3月上旬桃の花が咲く。
4月上旬棗の木に葉がつき桑の花が散る。
この時期になるともう遅いという。

・今日の一言
サヨナラダケガ人生ダ。(井伏鱒二)
To say goodbye is to die a little.(Raymond Chandler)
인생족별리。
人生足別離。(于武陵)

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