道教とはなにか(中公叢書) [本(東洋史]
『道教とはなにか』
坂出祥伸(中国哲学史)
中公叢書(2005)
道教をその根源から歴史的かつ多角的に知る良書。
陶弘景の真霊位業図の第七階図に、始皇帝がいる。
あの冷徹で悪評高い始皇帝も祭られているとは意外だ。
西漢の羽人
耳が大きく眉が突き出て披髪で羽根を持つ人。
妖精みたいだけど、中国の仙人だからおっさんかな?
北宋末に娼婦から仙女になった張珍奴。
キリスト教のマグダラのマリアみたいなものかな。
婦人を御する術に長じた甘始、東郭延年、封君達。
加藤鷹みたいな人なんでしょうか?
チョコボール向井みたいだったらやだな。
マッチョ道士って、似合わねー。
呪言とともに禹歩を行う。
その一種の歩綱躡紀とは、北斗の九星の動きで、
ぴょんぴょん鳥のように跳び歩くらしい。
馬王堆や雲夢の記録では、古代の巫が禹歩を行ったとある。
すると、漢代の道士や方士は禹歩をしていたわけだ。
前漢末には西王母信仰の団体が、歌い踊って都に乱入した。
江戸時代の"ええじゃないか"みたいなのがあった。
これなんか事実上、道教じゃないかと思う。
呪禁の五法とは
存思とはイメージすること
禹歩とは北斗七星の動き
営目とは片目をつぶる
掌訣とは親指を隠して握ること
手印とは二手十指の形の印契。
こうやって呪術を行うわけだ。
丹砂と金液重視の葛洪は魏伯陽と異なる流派。
その系譜は、
馬明生⇒陰長生……左慈⇒葛玄⇒鄭隠⇒葛洪となる。
陰長生って誰か気になるな。
もしかして、陰麗華の一族では?
陰子方の字だったりして。
唐の詩人もみんな道教の道士。
李白は参同契の要約詩を書いたし、
白居易は参同契を授けられたし、
杜甫も丹砂の詩を書いた。
唐玄宗は道士皇帝だし。
唐は道士だらけだ。
東洋医学の脈診の3つの尺度。
浮⇔沈、数⇔遅、弦⇔緊
脈を三次元的に布置して見るわけだ。
岡倉天心は道教の熱心な崇拝者。
美術と道教って相性が良さそうだ。
現代も認められた伝統気功の四功法
易筋経、六字訣、八段錦、五禽戯。
五禽戯は華陀だよね。2000年の歴史もあるわけだ。
『「気」と道教・方術の世界』
坂出祥伸(中国哲学史)
角川選書(1996)
気とは何か、道教とは何かを知る。
生命活動の根源が気である。
気は感応するもの=遠距離で瞬間に反応する存在である。
気韻生動とは、対象と見る側が一体となった境地。
見る側と対象の気が感応することが大事。
著者は道教を、
気の運動に身を委ねて救済を求める宗教、
と定義している。
日本人は中国を儒教の国と思っているが、
西欧人は中国を儒教でなく道教の国と思っているらしい。
望気術とは空や空気の気を見て、未来を占う方法。
左伝655年より記述がある。
その後、兵法として軍事占となった。
戦国時代末からマニュアル図が描かれている。
気の形の図を見て、未来を予測するわけだ。
晋書の天文志の中に、気の観察法が書かれている。
雲や霧に似ていて、
上に見えると100里内近くで、
水平で木々の隙から見えると2000里と遠くの出来事を示すらしい。
馬王堆の合陰陽の五欲の徴兆
女の顔が火照ったら口づけ
乳頭が堅くなり鼻が汗ばんだらゆっくり抱く
女の舌が軽やかでなめらかになったら身体をすりあわせる
股が湿ってきたら始める
喉が渇き唾を飲み込むようになったらゆっくりと女の体を揺する
……
セックスもマニュアル化してる。
張衡の同声歌に、図を枕元に並べるとあり、
こうした房中図の絵が漢代には広まっていたらしい。
図を見ながらするんだろうか……
・今日の一言
禹歩とは北斗の九星の形に跳ねること。
Step of Yu is the steps of the Big Dipper.
우보(禹步)는 북두구성 모양에 뛰는 것.
禹步是像北斗九星形状的跳跃。
坂出祥伸(中国哲学史)
中公叢書(2005)
道教をその根源から歴史的かつ多角的に知る良書。
陶弘景の真霊位業図の第七階図に、始皇帝がいる。
あの冷徹で悪評高い始皇帝も祭られているとは意外だ。
西漢の羽人
耳が大きく眉が突き出て披髪で羽根を持つ人。
妖精みたいだけど、中国の仙人だからおっさんかな?
北宋末に娼婦から仙女になった張珍奴。
キリスト教のマグダラのマリアみたいなものかな。
婦人を御する術に長じた甘始、東郭延年、封君達。
加藤鷹みたいな人なんでしょうか?
チョコボール向井みたいだったらやだな。
マッチョ道士って、似合わねー。
呪言とともに禹歩を行う。
その一種の歩綱躡紀とは、北斗の九星の動きで、
ぴょんぴょん鳥のように跳び歩くらしい。
馬王堆や雲夢の記録では、古代の巫が禹歩を行ったとある。
すると、漢代の道士や方士は禹歩をしていたわけだ。
前漢末には西王母信仰の団体が、歌い踊って都に乱入した。
江戸時代の"ええじゃないか"みたいなのがあった。
これなんか事実上、道教じゃないかと思う。
呪禁の五法とは
存思とはイメージすること
禹歩とは北斗七星の動き
営目とは片目をつぶる
掌訣とは親指を隠して握ること
手印とは二手十指の形の印契。
こうやって呪術を行うわけだ。
丹砂と金液重視の葛洪は魏伯陽と異なる流派。
その系譜は、
馬明生⇒陰長生……左慈⇒葛玄⇒鄭隠⇒葛洪となる。
陰長生って誰か気になるな。
もしかして、陰麗華の一族では?
陰子方の字だったりして。
唐の詩人もみんな道教の道士。
李白は参同契の要約詩を書いたし、
白居易は参同契を授けられたし、
杜甫も丹砂の詩を書いた。
唐玄宗は道士皇帝だし。
唐は道士だらけだ。
東洋医学の脈診の3つの尺度。
浮⇔沈、数⇔遅、弦⇔緊
脈を三次元的に布置して見るわけだ。
岡倉天心は道教の熱心な崇拝者。
美術と道教って相性が良さそうだ。
現代も認められた伝統気功の四功法
易筋経、六字訣、八段錦、五禽戯。
五禽戯は華陀だよね。2000年の歴史もあるわけだ。
『「気」と道教・方術の世界』
坂出祥伸(中国哲学史)
角川選書(1996)
気とは何か、道教とは何かを知る。
生命活動の根源が気である。
気は感応するもの=遠距離で瞬間に反応する存在である。
気韻生動とは、対象と見る側が一体となった境地。
見る側と対象の気が感応することが大事。
著者は道教を、
気の運動に身を委ねて救済を求める宗教、
と定義している。
日本人は中国を儒教の国と思っているが、
西欧人は中国を儒教でなく道教の国と思っているらしい。
望気術とは空や空気の気を見て、未来を占う方法。
左伝655年より記述がある。
その後、兵法として軍事占となった。
戦国時代末からマニュアル図が描かれている。
気の形の図を見て、未来を予測するわけだ。
晋書の天文志の中に、気の観察法が書かれている。
雲や霧に似ていて、
上に見えると100里内近くで、
水平で木々の隙から見えると2000里と遠くの出来事を示すらしい。
馬王堆の合陰陽の五欲の徴兆
女の顔が火照ったら口づけ
乳頭が堅くなり鼻が汗ばんだらゆっくり抱く
女の舌が軽やかでなめらかになったら身体をすりあわせる
股が湿ってきたら始める
喉が渇き唾を飲み込むようになったらゆっくりと女の体を揺する
……
セックスもマニュアル化してる。
張衡の同声歌に、図を枕元に並べるとあり、
こうした房中図の絵が漢代には広まっていたらしい。
図を見ながらするんだろうか……
・今日の一言
禹歩とは北斗の九星の形に跳ねること。
Step of Yu is the steps of the Big Dipper.
우보(禹步)는 북두구성 모양에 뛰는 것.
禹步是像北斗九星形状的跳跃。
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