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メディア・バイアス-あやしい健康情報とニセ科学(光文社新書) [本(医療問題]

『メディア・バイアス/松永和紀/光文社新書/2007』
著者:科学ライター、農芸化学
評価:マスコミのいい加減な健康情報とニセ科学を斬る・良書

デタラメな健康効果のレタス実験を中止にした番組があった。
"所さんの目がテン!"
科学情報番組としての面目を保っている。

人に対する環境ホルモン作用が確認された例はない。
環境ホルモン説はほぼ間違いで確定のようだ。

化学物質過敏症は遺伝的に特異な体質の人。
万人に悪い物質というより、
一部の人が体質として特異反応しているようだ。
こうした問題では、本人の苦しみの問題があり言いにくいだろうが、
もし、精神的な他の要因なのに
化学物質過敏症として治療すれば無駄であり、
ますます当人を苦しめるだけである。
正しく知ることが何より大切なのだ。

合成物質として使われなくなったソルビン酸。
ソルビン酸が体に悪い証拠はない。
しかも、ソルビン酸を使わないことで保存期間が短く、
食品の廃棄率が高まり無駄が増えてしまう。
ソルビン酸は天然の化学物質であり、
それと同じものの合成品が食品添加物として使われる。
保存料と名前がつくために嫌われたのだ。
合成品でも保存料でなければ歓迎されるという矛盾。

天然自然だからいい、というのはひどいウソ。
石鹸と合成洗剤を比べると、石鹸が環境にいいとはいえない。
実は、かつてよりそれだけ合成洗剤は進化しているのだ。
合成着色料もまた天然着色料より安全である。

有機農家は農薬を使わないことを自慢とする。
しかし、農薬を使わないため農薬の知識が古く、
昔の危ない農薬しか知らない。
だから未だに農薬が危険だと思っているのだ。
しかし農作物は、自ら体内で天然農薬を作る。
農薬を使わなければ、自分で作り出すのだ。
それがアレルギーを起こすこともしばしば。
人工物が悪いというのは、妄想である。

日本の味噌は実は伝統食とはいえない。
アメリカの生活改善制度の成果なのである。
それまで美味しくなくあまり食べられていなかった。
昔の農村の食生活は貧しかった。
農村ではわずかな野菜しか食べなかった。
素晴らしい伝統食は年数回のハレの食事だったのだ。

水に関係するニセ科学。
有名どころはマイナスイオン。
体にいい証拠などはもちろんない。
最もひどいのは"水からの伝言"
馬鹿馬鹿しいので信じるはずがないといいたいが、
本はベストセラーであり、信じた人も多い。
小学校の先生、松あきら議員、浦安市市長など。
どんな空説でも広く広まれば信じる人が多少は出てしまうのだ。

日本の食糧事情。
2005年、お米の消費量922万t。
ところが、トウモロコシの消費量は何と1613万t。
日本人は間接的に大量にトウモロコシを食べているのだ。

著者も推薦のブログがこちら。
食品安全情報ブログ
正しい情報が満載なので、
その中の検索を使って何が正しいか確認してみよう。

・今日の一言
マイナスイオン理論はニセ科学だ。
The theories around negative ions are pseudoscience.
마이너스이온 이론은 가짜 과학이다.
负离子理论是假冒科学。

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