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日本の思想(岩波新書) [本(日本文化]

『日本の思想/丸山真男/岩波新書/1961』
著者:政治学、日本政治思想史
評価:日本の思想の特性・日本の学問や政治思想の構造を知る

日本には個別的思想の座標軸になる思想的伝統が形成されなかった。
あるのは、理論信仰と実感信仰など。
日本の自由主義者の自己意識も、マルクス主義によって初めて作られた。

学問の形態2種。ササラ型とタコツボ型。
ヨーロッパの個別科学の根は共通の自然哲学などのの学問から生まれ、
それぞれの専門の個別科学へと広がるササラ型。
日本はタコツボ型。横の連絡はないが外の外国にはつながっている。
学問同士が近いジャンルでも連絡がなく、会話すらできないことも。
ところが同じジャンルの外国とは話が通じる。
明治に個別科学がバラバラに導入にされたためらしい。
哲学とはあらゆる学問の源泉であるから、
専門化など不可能なはずだが、
日本では哲学も専門として分離してしまう。
日本では哲学自身までが専門化するという矛盾。
まあこれは、哲学じゃなくて思想史になってるということだろう。

官僚は巨大な権力を持っているように見えるが、
当人たちには支配者権力者意識はないらしい。

権利の上に眠るものは民法の保護に値しないもの。
自由と権利は国民の不断の努力によって保持されると
憲法に定められている。

である価値からする価値への歴史的変革。
今は身分や立場など何であるかが評価されるのではなく、
何をするかが評価される時代である。

・今日の一言
自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。
The freedoms and rights shall be maintained by the constant endeavor of the people.
자유 및 권리는 국민의 부단한 노력에 의하며, 이를 보지하지 않을 수 없다.
自由与权利,国民必须以不断的努力保持之。

タグ:丸山真男
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コメント 3

戦前の政治思想家といえば左の丸山、右の平泉でしょうか。
戦前の思想には多少興味があります。
by (2007-07-27 23:27) 

Kay-akira_Hirota

平泉澄さんですね。積読になってるので、読んでみようかな……
by Kay-akira_Hirota (2007-07-29 00:25) 

ええ、そうです。
ネットでリサーチしても興味深いものがときおりありますね。
by (2007-07-29 21:54) 

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