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人はなぜ簡単に騙されるのか(新潮新書) [本(論理思考]

『人はなぜ簡単に騙されるのか』
ゆうきとも(クロースアップ・マジックの専門家)
新潮新書(2006)


マジックに強くなって詐欺に騙されないようになろう。

マルチプル・アウト
答えを分けて全部用意しておく方法。
相手の行動を予言する手品でよく使われる。
どこに答えがあるかは言わないのがミソ。

探し物がどうしても見つからないのに後で目立つところで発見する。
ミスディレクションの例。
これって、セレンディピティにも似ている。
周囲を調べ尽くした後の最後の一ピースがセレンディピティなのだ。

自分は詐欺にかからない、自分の目で見ないと信じないからという人。
それは、自分の目で見たら信じるということだから、
詐欺師にとって最高のカモなのだ。

マジシャンを超能力者と思わせる心理学実験。
最初にトリックと強調しても58%は本物と信じてしまった。
人は見たものを信じてしまうのだ。

マリック氏を本当に超能力者と思った人たちがたくさんいた。
病気を治してというお願いや、
大金を持って教祖になってと持ちかける人もいたらしい。
下の方は信じたというよりビジネスチャンスと見た感じだ。

著者が激しく憤りを表明するもの。
超能力者を使った行方不明者探し。
藁をもつかむ気持ちの人たちの心をもてあそぶ卑劣な番組という。
全く同感。あんなものをゴールデンタイムに流す奴らは、
犯罪者というべきだ。
私は以前からオカルト関連番組は深夜限定にすべきと考えている。
ゴールデンタイムに放送することは、
その内容を放送局が保証しているのと同じ効果を持つからだ。

人は一度思いこんでしまうと、
なかなか元の状態にリセットできないもの。
だからこそ、人々に第一次情報を与える教育と放送は重要なのだ。

説得力のない嘘でもひたすら言い続けると説得力が生まれるもの。
人はそんな馬鹿なことができる人がいると信じられないのだ。
ところがそういう全く想像力のない人が存在するのだ。

これは人間は嫌なことを考えることを回避するからである。
精神ストレスに対する耐性がなく、
嫌なことを考えない人間は、平気で嘘をつき続ける。
彼らは本当のことを言う苦痛に耐えられないのだ。
葛藤に直面して現実を直視することができない人間の特徴である。

怪しげな情報に踊らされるのは想像力の欠如という。
とはいえ、どう想像するのかという問題がある。
私は、エネルギー保存の法則を考えるのがよいと思う。
エネルギー保存の法則は、無から有は生じないということ。
得する話があれば、誰かが損するのだ。
利益の裏には必ず危険が隠れている。
物事にはすべて両面があるもの。
表を見たら必ず裏を想像する習慣が欲しい。

『わかりあう対話10のルール』
福澤一吉(言語病理学、認知神経心理学)
ちくま新書(2007)


日常会話の論理分析例と問題集。

こんなこと日常会話でできません。(笑)
もっとルールを簡単にしないと……

・今日の一言
自分の目で見たものしか信じない。(カモ)
I only believe what I see.(easy prey)
자신의 눈으로 본 것만 믿는다. (봉)
我只相信我看到的。(冤大头)

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武侯仁従

私も嫌なことを考えるのを逃避しがちです。ですが、そこを気張れば金鉱を見つけるのも、知っているし、経験してます。

だから出来るだけ逃げたくない!!


表を見たら裏を見るように、心がけてます。将棋好きの業にして、その「裏をみる」のが面白いので、関西人の業ですは。でもこれは、考えることにも格好の練習・実践でいいですね。

再見!
by 武侯仁従 (2007-07-15 15:28) 

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