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社会と人間関係の心理学 [本(心理学]

『社会と人間関係の心理学/松井豊・上瀬由美子,編/岩波書店/2007』
著者:社会心理学
評価:多彩な研究を紹介したもの・最新の研究がわかる

オカルト現象を信じる人とは?
女子が信じるのは占いと血液型正確判断、男子が信じるのはUFO。
女子は周囲は同調性の強い人に多く、
男子は学校に適応しているが家出や暴力願望のある子に多い。
宗教に関心があり科学に限界があると感じる人ほど信じる。
20代、30代では、男女とも神経症傾向と賞賛獲得欲求が原因らしい。

基底比率の誤認知とは?
占いがでたらめなら的中する確率は0%と思う。
でたらめなら当たるはずがないと思うわけ。
実際には、一定の比率でまぐれあたりがある。
このギャップが占いは当たると思わせてしまうわけ。

偶然というものを正しく理解している人は少ないと思う。
今、偶然の論理学というものを考え中。
その内にエントリーを立てようと思う。

占いと予言が当たるように思える理由として、
伝聞しやすさの問題がある。
占いが外れた話は流言として流布されにくい。
当たると話題になり、広く伝わりそして長く残る。
すると、当たったように思えるわけ。

メディアの影響とは?
ガーブナー:テレビの長時間視聴は他の変数の影響を打ち消す。
犯罪に対する不安は年収が低いほど高いのだが、
テレビを長時間視聴する人は犯罪に対して不安を感じている。
テレビは判断力を失わせるわけだ。

"男は仕事、女は家庭"の分業に賛成の人は、
1979年は73%、2004年は45%。だんだん減ってきているという。
というか、まだ45%近くもいるのにあきれてしまった。

好意的性差別な人は敵意的差別も強い、
男は女を守るべきと思う人は、女は賢くないと思っているのだ。

メディアには女性が少ない。
新聞記者の女性比率は1割。
NHK従業員も1割で、民放でやっと2割。
NHKの管理職専門職だとたったの2.4%。
メディアがこれでは、問題が解決するわけない。

昭和時代には女性若年定年制、男60歳、女55歳の会社があったという。
そもそもこれは逆だと思う。
女の定年を男より5歳長くすべきだろう。
女性の方が平均寿命は長いんだから。
さらに出産と育児の問題がある。
出産育児の期間のブランクと平均寿命を考えれば、
女性の定年が男性より5年ぐらい長くて当然と思う。

上司を説得する方法6つ
合理性:理由と根拠を説明して説得する。
迎合性:ご機嫌をとる。
主張性:はっきりと要求する。
交換性:相手の意見を認め別の機会に自分を意見を認めてもらう。
結託性:同僚を味方につける。
権威性:上司の上司の支持を取り付ける。

上司の性格に合わせて使えばなかなか効果的だ。

『脳は直感している/佐々木正悟/祥伝社新書/2007』
著者:心理学ジャーナリスト
評価:統計思考力欠如の「と」本・みんな単なるパターン認識です

可愛がるから猫は可愛らしくなる方向へと進化するという。
まあ、そう言えなくもないが、当然、頭打ちがある。
突然変異の変化は、もともとマイナスなものがほとんど。
可愛くなればなるほど、突然変異の分布は、
可愛くない方向ばかりになり、進化は頭打ちになる。
さらに、可愛いというのにはその分の代償としてのマイナス効果もある。
可愛さはたいてい動物における序列の低さを示すから、
敵対者に対しては不利になるもの。
その釣り合いのとれたところに落ち着くわけ。

透視能力を信じる人は信じない人より正解率がわずかに高いという。
この手の実験は、誰か一人、問題行動する人がいれば数字がずれる。
そして問題が完全封鎖された実験では、有意な結果は出ていない。

また統計は回数を増やしても決して理想値には近づかない。
例えば、コインを投げて裏表の比率を計測すると、
最初はどんどん五分五分に近づくが、
ある程度まで来ると、完全な五分五分にはもう近づかなくなる。
少しずれた比率に落ち着くのである。
誤解するかもしれないが、これはコインの形状の問題ではない。
コンピュータを使って計算してもそうなるのだ。
このあたり、統計を知らないと誤解しやすいところだ。
ランダムというのは、過去とつながりがないということ。
もしも限りなく五分五分に近づくならそれは、
それまでのスコアを参照して調整しているということなのだ。
偶然を正しく理解するのは難しい。

女性の直感力の高さは場の空気を読むからという。
というより、中央視野の物体視ルートが
周辺視野の空間視ルートより発達しやすいため。
だから、検品など小さな確認作業は女性が行うことが多い。

夢でフリーズと呼ばれて起きると目の前にハチがいた。
肉体が自分を守ろうと夢にメッセージを送ったという。
単に虫を知覚しその恐怖から連想しただけ。
睡眠時は記憶力が低下するので、覚えていないだけである。

犯罪者を識別する直感力が遺伝子の役割から発達するという。
単なるパターン認識。遺伝子は直接関係はしない。

癌をイメージで治療したエピソード。いわゆる癌の自然緩解。
こういうエピソードのほとんどは、もともと単なる誤診だろう。
癌でないものを癌と誤診してしまい、何らかの治療を始めてしまうと、
医師もいまさら癌ではないと言えなくなる。
誤診として訴えられてしまうところを、
患者が勝手におかしな治療をして治ったと喜んでいるのだから、
医師は万々歳である。ほくそ笑みつつ"奇跡だ"と言って喜ぶだろう。

癌の診断技術が上がるにつれて
こうした癌の自然緩解のエピソードは減少すると予測される。

常に直感的に判断する訓練を重ねると人生の利益に有効だという。
直感的に判断することによる失敗と比較しないと論拠になりません。
人間が直感で行動していかに失敗するかという心理学の実験は
大量にあります。
直感による成功と失敗を比較して始めて意味を持つわけ。

モーツァルトの音楽が肉体や精神の健康を増進するという。
これは単なる都市伝説です。
既に否定されています。有名だと思うんだけどな。

・今日の一言
偶然を正しく理解するのは難しい。
It's difficult to properly understand coincidence.
우연을 정확하게 이해하기 것은 어렵다.
理解偶然很困难。

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