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第1感-「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい [本(発想と効率]

『第1感』
マルコム・グラッドウェル(ジャーナリスト)
光文社(2006)


直観が推論より正しいケースの紹介と
その考察。面白い。

結婚が長持ちするには好意的感情が
敵対的感情の5倍以上必要とのこと。
会話の中の、防衛、はぐらかし、
批判、軽蔑がどのぐらいあるか。
特に軽蔑が最も重要で、
これが多い夫婦は長続きしない。

その人の部屋を15分観察すると、
長年の知り合いより相手を理解できる。
観察ポイントは3つ。

・どんな個性を主張しているか
ハーバード大学の卒業証書など自慢できるものを置いているかどうか。
・行動の痕跡
脱ぎ捨てられた服やアルファベット順のCDなど思考パターンを示すもの。
・思考と感情の制御
アロマキャンドルなど心理を安定させるもの

医者が医療事故で訴えられるのは、ミスの回数と無関係。
訴えられたことのない外科医は、診察時間が平均で3分以上長かった。
また診察の時間配分の明示して話す習慣を持っていた。
患者が医者個人をどう思うかで訴えられるかどうかが決まるのだ。

身長と収入の関係。
アメリカ男性平均身長は175cmだが、男性CEOの平均身長は182cm。
182cm以上はアメリカ男性の14.5%だが、CEOの58%は182cm以上ある。
188cm以上はアメリカ男性の3.9%だが、CEOの約1/3が相当する。
これを計算していくと、身長2.5cmは年に783ドルに相当するらしい。

身長が高いほど、経済的に有利になる。
人は背の高い人に威圧感を覚えるため、
それだけ指導力を得られるためであろう。

バン・ライパー
戦争は先が見えないむちゃくちゃで連続性のないもの。
戦闘のさなかに合理的分析はふさわしくない。
将軍が戦場で後方の指揮に従わないのもそのためである。
現場指揮官の有能さは、訓練と実戦で磨き上げられた直感によるものであろう。

即興芝居では、
登場人物がその場で起きたことをすべて受け入れるとユーモアを作りやすい。
相手の言うことを否定しないのである。
これは、普通の会話でも言えること。
相手の言葉を否定する人の会話は面白くないものである。
相手の言葉を否定せずに受け入れて発展させてこそ会話は盛り上がるのだ。

情報が増えると判断の正確さは変わらないのに自信だけが増す。
星野仙一も、相手チームの情報を集めるのは、
自分たちの自信を強めるためだと言っていた。

おいしさの判断では、美味しい理由を列挙させると判断がおかしくなる。
思考プロセスを書き出すと洞察力が低下するのだ。
顔の記憶でも、その顔を言葉で表現すると記憶が低下することが知られている。
言葉は、時系列的存在であるため、記憶に序列が出来てしまい、
記憶の重要度が混乱するためである。
重要ではない細部に記憶力が奪われて全体像が崩壊するのだ。

人間は、心拍数が115-145のとき適切な判断ができる。
人種差別を巡る大規模暴動の3回は、
カーチェイスの後の警官の行動により引き起こされた。
カーチェイスの後の興奮状態で警官が暴力行動に出たのである。
この人間特性の最もひどい状況が戦争である。
略奪、虐殺、強姦が起こる原理もここにある。

『偶然からモノを見つけだす能力』
澤泉重一(海外プラント建設)
講談社+α新書(2002)


セレンディピティにまつわるエピソード集。

ガリレオ
宇宙は数字で書かれた書物である。

セレンディピティとは、
探し物をしているとき当てにしていなかったものが見つかること。
その力のこと。

エウレカと叫んだアルキメデスのように、
科学の発見の多くは偶然の発見が多いようだ。
こうした偶然の発見をする力とは何か?

考えるとまず、まず情報に接する機会を多くすること。
同じことばかりの繰り返しでなく、
好奇心を持って知らないことに挑戦することだろう。
変化を好むことはセレンディピティを高めるだろう。

それを見逃さないことも重要だ。
何気ないことに重大な発見があり、それを捕まえる。
それには知識が必要である。
幅広い知識があるから、
何気ないことからも結びつけることができるのである。

その知識は死んだ知識でなく、生きた知識でなければならない。
その知識が宇宙の時空間構造のどの位置を占めるのか知り、
天の網の目においてどこに結びついているか知らなければならぬ。

発見とはちょうど
ジグソーパズルの欠けていた一つのピースを見つけるようなものだ。
そのピースにより、すべてが解決し全貌が明らかになるのだ。
何もない部分に一つのピースを見つけても、
どこに置くべきかなどわかりはしないのだ。

それには、欠けていたピースの周囲のピースが
埋まっていなくてはならない。
追い求める対象があるなら、
その対象についてだけ学ぶのではなく、
その周囲の知識を埋めておくということが必要なのだ。
幅広い知識を持ち、有機的な関連を作って保持していなければならない。

・今日の一言
やぶ医者ではなく無愛想な医者が患者に訴えられる。
돌팔이 의사가 아니고 무뚝뚝한 의사가 환자에 소송당한다.
不是庸医而是简慢无礼的医生被患者控告。
Patients sue unsociable doctors, not quack doctors.

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