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詩とはなにか-世界を凍らせる言葉(詩の森文庫) [本(読書と文章]

『詩とはなにか/吉本隆明/詩の森文庫/2006』
著者:詩人、思想家
評価:詩の理論についての考察

現実の社会で口に出せば、
全世界を凍らせるかもしれないほんとのことを、
かくという行為で口に出すことという。
世界を凍らせる言葉、か。
詩は力ある言葉、言葉で何かを生み出すというより、
それ自体が力なのである。
散文は想像的現実、詩は想像的なもの自体。
詩はまさにそれ自体なのだ。

ちょっと呪文とも似ているようにも思った。

喩の三分類、感覚喩と意味喩と概念喩
感覚喩:感覚の類似を利用した喩え。
意味喩:対象の類似を利用した喩え。
概念喩:運動感覚の類似を利用した喩え。

言語表現の要素:韻律、選択、転換、喩
言葉そのものに力を持たせるためには、
この四つの技法を学ばねばならないようだ。

『詩的レトリック入門/北川透/思潮社/1993』
著者:詩論家
評価:詩の技法について考える

詩と散文の違いは余白の魔性。
詩はなぜあれほど紙面に空白が多いのか、
まあリズムを取るためなのかな。

詩における意味とは何よりも意味のずれ。
詩的直喩は、意味と像の新たな、
あるいは未知の類似関係の発見することで成り立つ。

言葉そのものの意味がそのまま機能することがないのが詩である。
その言葉の字義そのままではない意味が新しく生まれているのだ。

『汝、尾をふらざるか/谷川雁/詩の森文庫/2005』
著者:詩人、革命家
評価:資料

出だしの詩がリズムがよいので参考に。


『アリストテレス詩学 ホラーティウス詩論/岩波文庫/1997』
著者:古代の哲学者
評価:アリストテレスの古代人らしからぬ分析力が面白い

歴史家は既に起こったことを語り、
詩人は起こる可能性のあることを語る。
詩作は普遍、歴史は個別である。
詩は言葉から生まれる人間の特性を捉えたものだが、
歴史は人間一人一人のユニークな行動だからである。

性格描写の4目標
・優れた性格
人格の卑しい人間を視点人物にしてはいけない。感情移入できぬ。
・相応しい性格
あり得ない不自然な設定もだめ。
・読者に似た性格
能力は違っても性格は読者に似る方が感情移入しやすい。
・首尾一貫した性格
物語の始まりと終わりで性格が違うとついていけないもの

筋を組み立てて仕上げるには出来る限り目に浮かべなければならない。
まず、映像的に考えてから描く。
頭で映画を撮影してから、文字へと変換するのだ。

アフォリズム集より
・卵から始める
卵が孵るまではじっと我慢あるのみ
・努めて簡潔さを求めると曖昧になる
簡潔でわかりやすいと思いきや、誤解を招くもの
・言葉はいったん放たれるとあと戻りができない
ネットの言葉はまさにそうだ。ネット魚拓とか取る人いるし。
・詩は絵と同じ
リズムがあるのに時間はないのだ。

・今日の一言
詩は世界を凍らせる言葉である。
Poetry is words which freeze the world.
시(詩)는 세계를 얼게 하는 말이다.
诗是让世界冻住的语言。

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