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女性解放思想の歩み(岩波新書) [本(哲学思想]

『女性解放思想の歩み』
水田珠枝(政治思想史、女性学、政治学)
岩波新書(1979)


まとまって読みやすい良書

グージュの女性の権利宣言
"女性は断頭台にのぼる権利をもつのだから、
演壇上にものぼる権利をもつべきである"

女性解放の問題とは、
労働と母性の矛盾の問題である。
主要な3つの運動
参政権運動、教育の機会均等の運動、売春禁止運動。

ロックやルソーといった思想家が、
女に対しては自由でないのが面白い。

『『青鞜』女性解放論集』
堀場清子(国文学)
岩波文庫(1991)


資料。

私は詩心が全くなく、詩に何も感じないのだが、
平塚らいてうの"元始女性は太陽であった……"
の、散文詩だけは不思議な魅力を感じる。
言葉の勢いとリズムとのびのびとした主張、
この宣戦布告のような感じが共感できるのかも。

『青鞜の時代』
堀場清子(国文学)
岩波新書(1988)


平塚らいてうとその周辺の人々がよくわかる良書。

女とのスキャンダルをネタに書く小説家など、
男どもが実に情けない。
禅で鍛えられた
平塚らいてうの冷静な強さが印象的。

ところで。
私は五千円札の樋口一葉の肖像が無表情で好きではない。
らいてうの若い頃の写真が美人で可愛いので、
次回のお札はこの肖像をリクエストします。

『平塚らいてう評論集』
平塚らいてう(女性解放運動・婦人運動を指導)
岩波文庫(1987)


資料。

前半の散文詩が何度読んでも格好いい。
文章の練習に購入した。


『むしろ女人の性を礼拝せよ』
平塚らいてう(女性解放運動・婦人運動)
人文書院(1977)


資料。

スウェーデンの女流思想家エレン・ケイ
恋愛のある結婚はすべて道徳的であり、
恋愛のない結婚はすべて不道徳という。

結婚してから愛が芽生えるケースもあると思うが、
まあそれはあまりに確率的でよくないか。

『死刑制度の歴史』
ジャン・アンベール(法学、法史、ローマ法)
文庫クセジュ(1997)


死刑の歴史。さすがに薄すぎて物足りない。

終身隷役刑の方が死刑より抑止力があるという。
死刑はその場で終わるが、
終身だと印象が長く続くため。

平等性の原理、死には死を、あるいは、
被害者は殺人者の排除でしか
慰めを見いだすことはできない、
また殺人犯の存在自体がスキャンダルだ、
隷役刑の費用は国家の余分な負担だ、
といったところが死刑の支持意見。

中世フランスでは軽犯罪でも死刑になった。
窃盗犯を死刑にすると殺人が増える。
窃盗した者は殺人を躊躇しなくなるからだ。

『社会認識の歩み』
内田義彦(経済学史、社会思想史)
岩波新書(1971)


社会認識の歴史。

マキャベリ、ホッブス、スミス、ルソーなど。
一人一人が賭をする人になると客観的認識が出て来るという。
今の日本人は賭をする人ではないのかもしれない。


『女性解放思想史』
水田珠枝(政治思想史、女性学)
ちくま学芸文庫(1994)


近代民主主義理念の出発点に
強い女性差別思想を見る。

ルソーにしろ、当時の思想家は
どうも今から見るとおかしな人が多いな。


・今日の一言
元始女性は太陽であった。
In the beginning, woman was truly the sun.
원시 여성은 태양이었다.
原始女性是太阳。

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