SSブログ

中国=文化と思想(講談社学術文庫) [本(中国事情]

『中国=文化と思想』
林語堂(作家、古代中国音韻学、比較文学)
講談社学術文庫(1999)


中国論の古典的名著。

李四光の中国における戦禍の周期的循環説
800年で一周するという。

1.まず短命で強力な王朝による統一がある。
2.その後の内乱と再統一による同化、栄光と繁栄の時代。
3.そして内戦から南北朝が続き、
4.最後は異民族の侵入で幕引きとなる。

1.西周⇒2.春秋⇒3.秦楚対決の戦国時代⇒4.秦の統一
1.秦⇒2.前漢・後漢⇒3.魏晋南北朝⇒4.隋が統一
1.隋⇒2.唐⇒3.五代・宋・南宋と金⇒4.元が統一
1,元⇒2.明と清⇒3.中華民国と中華人民共和国

今は南北朝時代なわけね。
しかし、時代も違うわけだから、
南北朝ならぬ二大政党時代にして欲しいね。
この後は、異民族の乱入と同化、そして栄光の時代か……

林語堂の予言。(原著は1935年)
中国人は砂で、日本人は花崗岩。
次の世界大戦があれば砂は吹き飛ぶだけだが、
花崗岩は打ち砕かれるだろう、と。
砂のしぶとさと花崗岩のもろさがあらわれたわけだ。

中国の階級は二つだけ。
特権の官僚階級と税を納め法に従うただの人。
ここから根源的な平等意識がわかる。

人々は法廷で争うことを避け、
問題の95%は長者たちにより解決されたという。
『主張する〈愚民〉たち/大沢正昭,他/角川書店/1996』
と、意見が正反対になっている。
時と場合によるということか。


『「反日」とは何か/熊谷伸一郎/中公新書ラクレ/2006』
著者:中国人戦争被害者の裁判支援活動など
評価:中国人活動家の実態・中国人がいかに日本を知らないかわかる

石原都知事公式サイトのコンテスト小論文の第三位入賞作は、

虫か人民狂話国と強盗思想としての中華思想。

これはいくら何でもひどくない?
小学生の落書きみたいなのが3位入賞とは……
石原くんの知能に合わせているのかなあ。

中国人活動家の実態。
彼らは政府の支援はなく、
政府から活動が制限されていることがわかる。
そもそも昔から共産党は親日的だ。
日本軍のおかけで天下を取ったのだし。
江沢民は例外なのだ。

問題は中国政府でなく中国民衆なのである。
中国人活動家は一般より日本について詳しいはずだ。
ところが奇妙な知識が次々と出てくる。

沖縄の中国返還説は、
台湾を独立させようとするなら沖縄の独立を促す、
台湾は中国領への対抗としての発言だといい、
沖縄が中国領だったこととは関係がないという。
そして沖縄の人の思いを尊重すべきだという。

すなわち、琉球国は中国領だったと思っているわけであるし、
台湾にはそれほど独立派はいないと思っているのだ。
ひどい知識である。

朝貢している国は中国の領土というのだろうが、
それでは、李氏朝鮮も中国領になってしまう。
実際、日清戦争のときの中国の新聞では、
わが領土である朝鮮半島に日本が侵攻したとなっている。
近代国家というのは何か全く知らないようだ。

また、日本政府に心から反省してもらいたいといい、
アジアへの侵略が誤りと認識しておらず正そうともしていないという。

しかし、日本は何度も謝罪はしているし、
そもそも政府という機構に"心から"というのは無意味な考えだ。
また、こうした"反省してもらいたい"というような、
上から見た発言に右翼は反応しているのだから、
これは逆効果でしかないだろう。

中華思想は周囲の国から面子もらうものである。
文化の源流として立ててもらうことなのである。
しかし、日本はその中華思想の領域から既に離脱して、
西洋思想に移転している。
日本は既にアメリカを立てているので、
さらに中国を立てることはできないのだ。
すなわち、中華思想が侵略思想ではなくても、
日本はもはや受け入れられないのである。

また中国の戦争被害者の訴訟が裁判で却下されることを挙げ、
日本政府の不誠実を述べるが、
裁判は司法であって政府の問題ではない。
無茶な意見だろう。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。