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バックラッシュ!-なぜジェンダーフリーは叩かれたのか? [本(日本の問題]

『バックラッシュ!-なぜジェンダーフリーは叩かれたのか?/宮台真司・上野千鶴子,他/双風舎/2006』
著者:反撃する社会学者たち
評価:良書・全く正しい・社会問題は心理問題ではないと知るべし!

豊かな社会では人々の不安は共通しやすいが幸せは多様化する
不安のポピュリズムは効率がよいのだ。
今の日本はまさに不安のポピュリズムに覆われている。

鈴木謙介は、各種世論調査を調べると、
右傾化の担い手は主に60代以上の男性であることがわかるという。
ネットの若者のネトウヨは単に祭り騒ぎしているだけなのだろう。

ジェンダーフリーは日本の少子化の原因なのか?
山田昌弘と原田曜平は正しい解答を示す。
近年の非婚化は、専業主婦になりたい女性と、
女性を支えられない男性のミスマッチから来るものだ。
すなわち、古典的な女性観こそ非婚化を生み出しているのだ。

八木秀次、林道義、小谷野敦らの妄言がばっさり斬られていく。
というか、こいつら全員専門外じゃん。

八木秀次:思想史
林道義:ユング心理学
小谷野敦:文芸評論家

何でこういうシロートどもに発言させるのかね、日本のマスコミは……

『現代たばこ戦争/伊佐山芳郎/岩波新書/1999』
著者:弁護士、たばこ病訴訟弁護団長
評価:社会問題としてのタバコを知る・良書

世界の喫煙率
98年日本:男55%女13%
94年米国:男28%女23%
95年タイ:男49%女4%
94年スウェーデン:男22%女24%

さすがに男女平等の国スウェーデンは女の方が喫煙率が高い。
就業率と喫煙率に相関がある感じがする。

98年マルボロ一箱の値段
日本は260円
イギリスは673円
オーストラリアは596円
アメリカは281円
日本のタバコは安い。

タバコにはヒ素とダイオキシンも入っているそうだ。
毒の缶詰と呼ばれるのもむべなるかな。

よくある妄言。
祖父はヘビースモーカーだが90歳まで生きた。

これは、高速道路を歩いても危険ではない、
というのに等しいという。
たまたまそういう人もいるということ。
ちなみに私の祖父もヘビースモーカーだが96歳まで生きた。(笑)

JTは大蔵省の主要な天下り先だという。
税収源として貴重なのでなかなか手放さないわけだ。

『戦争を知らない人のための靖国問題/上坂冬子/文春新書/2006』
著者:ノンフィクション作家
評価:感想文・中国人が納得するわけはないが気持ちはわかりやすい

細木数子も首相の靖国参拝を支持しているという。
何だか嫌だな。

国立追悼施設を作るなら硫黄島の摺鉢山の山頂にせよという。
これは同感。
硫黄島こそ米軍が最も恐怖し、大きな損害を出した戦場だからである。

靖国の成り立ちから見て祀るに相応しいのは、
戦場で命をかけた人たちだ。
一般人は靖国に祀らなくてもいい。
しかし、背後で兵士を動かし、
死地へ追いやった馬鹿エリートどもを一緒に祀らないで欲しい。
それが戦場で散った戦士たちへの礼儀ではないだろうか?

『無防備な日本人/広瀬弘忠/ちくま新書/2006』
著者:生理心理学
評価:いまいち・テレビの論調レベル

97年神戸の児童連続殺傷事件から、
堰を切ったように少年少女の凶悪殺人事件が起きたという。
正しくは報道されるようになっただけなんだが……

サーズの感染死亡率は10%で、65歳以上だと50%。
スペイン風邪の致死率は2.5-5.0%で、
普通のインフルエンザの50倍だったことを考えると、
サーズの凄さがわかる。

『日本的自我/南博/岩波新書/1983』
著者:社会心理学
評価:比較対照がないので分析になっていない

子どもが、預けた隣家で事故死した事件。
賠償金を請求して提訴したのだが、
その行為に匿名の非難の手紙と電話が殺到したという。
全くその頃から日本は変化していないことがわかる。
縦社会における苛めの順送り現象がそのままなのだ。


・今日の一言
メディアは専門家の発言を取り上げるべきである。
The mass media should bring up the opinions of experts.
매스 미디어는 전문가의 의견을 알려야 한다.
大众媒体应该提出专家的意见。

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