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より良い外国語学習法を求めて [本(言語学]

『より良い外国語学習法を求めて』
竹内理(英語教育学、教育メディア学)
松柏社(2003)


正しい外国語学習を知る良書。
外国語学習成功者の秘密を知る。

本の内容を細かくとりあげたりせず、
この本から見い出すことができる法則を述べることとする。

英語の学習法では多読がよいとか、
浴びるように聞くのがいいとか、
あるいはたくさん話すのがいいとか、
文法をしっかりした方がいいとか、
いろいろな方法があって対立している。それはなぜか?

語学には学習段階があり、
入門/初級と中級/上級では方法が異なるのである。
また、インプット=聞く読むと、アウトプット=話す書くでも異なる。
レベルの上下と、言語の入出力は、それぞれ方針が正反対になるのだ。

・入門/初級のインプット学習
細かく丁寧が基本。
一字一句のディクテーションと単語一つ一つ調べての文法学習となる
単語も特定分野の語彙を集中的に覚える。

・入門/初級のアウトプット学習
勇気を持っておおざっぱにが基本。
意味を通じればよしとして積極的に話し、間違っていても書いてみる。

・中級/上級のインプット学習
おおざっぱに全体像をつかむのが基本。
聞くときもざっと流して大意をつかむ。
読むときもフレーズを捉えて日本語に訳さずに読み、多読する。

・中級/上級のアウトプット学習
細かく丁寧が基本。
正しい語順で話すように気をつける。
書いたものはネイティヴにチェックしてもらい細かい間違いを直す。

この本の例を読むと、語学学習の方法に関する混乱は、この、

入門/初級と中級/上級の違い
インプットとアウトプットの違い

に起因することがわかる。

多読や会話を実践を強調する人は、
自分たちが学校でしてきた学習を全く無駄と主張する。
しかしそれは実は、自分たちが既に上級になったため、
初級の学習が不要になっただけなのだ。

文法からの丁寧な学習を主張する人は、
会話では本当の語学力を獲得できないとする。
しかしそれは多くの学習者が初級でつまづく理由を忘れている。
学校英語はアウトプットが貧弱なため、
インプットだけになってしまい、学習効果が定着しないのだ。

文法派はインプットとアウトプットの違いを理解しておらず、
会話派は入門/初級と中級/上級の違いを理解していないのである。

……さて、ここからは、
中級レベルと思われる私の現在の学習法を提示する。
一応、参考になるのではないかと思う。

読解力をつける
英文読解では、文章をフレーズに分解して理解する。

フレーズとはどんなものか。
『認知意味論の原理/中右実/大修館書店/1994』
を参考にして考えたのが、
おそらくすべての言語が共通して持つと考えられる、
以下の5種類のフレーズである。

主題フレーズ
 英語では主語が相当する。冠詞など限定詞で始まることが多い。
述語フレーズ
 述語。英語では動詞句+目的語である。助動詞で始まることが多い。
語説明フレーズ
 語を説明するフレーズ。関係詞を使ったものや形容詞句が多い。
句説明フレーズ
 句を説明するフレーズ。to不定詞や、前置詞+場所、副詞句が多い。
文説明フレーズ
 文を説明するフレーズ。接続詞、コメント節など。コンマで切れることも多い。

フレーズを読みとるにはコツがある。
英語の基本的なフレーズ構成は、機能語+自立語なので、
機能語に注意するのである。

もう一つはは代名詞である。
英語のフレーズ構造の特徴として、
代名詞は強声で発音しない限り、
単独でフレーズを構成しないということがある。
英語の代名詞は、
核になる述語動詞の作用範囲を示す動詞の付属物であるためだ。

もしも仮に、以下のような文があったら、
For years the press overlooked the problem. But now, if anything, they are making too much of it.
(DUO3.0より)
フレーズごとに改行し、単語の意味を付ける。

For years
 the press
 overlooked the problem.  見過ごす
But now,
 if anything,
 they are making too much of it.

ネット上で、興味のある文章を見つけたら、
フレーズ分割して、語訳を付け、読むことにしている。

語彙力をつける
単語力
http://www.tangoriki.com/
で語彙力を付けるのがよい。
単語力はレベル別単語の三択チェックテストのサイトだが、
時間が点数に考慮されるのが特徴。
そのため、辞書をひいて解答しても点数はほとんど変化しない。

そこで私は、分からない単語については、
マクミラン英英辞典のCD-ROMを使って、
じっくり解答することにしている。
どうしてもわからないものについては、
アルクの英辞郎
http://www.alc.co.jp/
を使うこともある。

作文力をつける
自分の興味のあることについて文章を書く。
そのとき、グーグルなどの検索エンジンを利用する。
フレーズ検索、ワイルドカード検索、マイナス検索が便利。

・フレーズ検索
作った文を""で囲んで検索すると、
その文の全体が一致するものを検索する。
文が正しいとヒット数が多くなる。
文章が複数頭に思い浮かび、どれが正しいかわからないとき使うと便利。

・ワイルドカード検索
文の間に*を入れると*を任意のものと認識して検索する。
コロケーションを確認できる。
フレーズ検索でヒットしないとき、
間違っていそうな部分を*にすると正解が見つかりやすい。

・マイナス検索
単語の頭に-をつけるとその単語のないページを検索する。
フレーズ検索で関係ないものが余分に多数ヒットするとき、
マイナス検索で取り除く。

この3種の検索をうまく組み合わせると解答を見つけやすい。
これで出来たものを先生に見せ、添削してもらう。

会話力をつける
一番安上がりなのは英会話喫茶。
ネットで探しても複数見つかるので行ってみよう。

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