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恥と意地-日本人の心理構造(講談社現代新書) [本(社会心理学]

『恥と意地:日本人の心理構造』
鑪幹八郎(教育学、精神分析)
講談社現代新書(1998)


恥に対する学説解説と意地の分析。

日本人の意地、韓国人の体面、中国人の面子は基本は同じか。

前半の恥の分析が的はずれ。
恥と罪は本質的に違う。
罪は愛であり、恥は怒りなのだ。

少し説明しよう。
恥というのは、他者の注意指摘及びそれが予想されるときに生まれる。
他者の注意指摘とは、自己の行為を制御する行為であるから、
当然、反発を覚える。これは状況的には怒りの発露場面であるが、
人生の成長発達の中で経験することで獲得していく感情である。
本来、怒りであるものの一部が
経験により恥へと変化していくのである。
怒りの一部が恥へと進化するのである。
はずかしめを受けて怒りを覚えるというのはよくあること。
恥が怒りから生まれたものだからだ。

罪、罪悪感とは愛する相手からの信頼を失う行為をしたり、
それが予想されるようなことをしたときに生まれる。

愛とは、相手に対する無償の協力行為であり、
相手のために何かをしてあげようという気持ちである。

罪悪感とは相手への愛が不可欠なので、
愛を感じない対象には何をしても罪悪感など生まれない。
戦争で敵を殺すのに罪悪感を感じないのも
相手が愛の対象ではないからだ。
愛からその広がりとして罪があるのである。

そして、その罪を事前に回避しようという気持ちが責任感である。
責任感は罪悪感が生まれる前に動く積極的なものである。
愛から罪悪感が生まれ、罪悪感から責任感が生まれるのだ。

責任感もまた愛が根にあるため、
相手への愛がなければ責任感など生まれようもない。

日本は罪の文化でなく、恥の文化と言われることがある。
これは、日本には宗教的な意味の罪がなく、
欧米より強い恥の感覚があるためである。

宗教的な罪とは、
神という愛の対象を裏切ったと感じるときに生まれる。
宗教の弱い日本では、神に対する罪は成立しない。

ただし、日本人も罪悪感はある。
日本人の自殺の多くは
自らの責任を全うできなかった罪悪感によるものだ。
家族や社会に対する罪があるのである。

『自由からの逃走』
エーリッヒ・フロム(社会学、心理学、精神分析学)
東京創元社(1941)


ファシズムはなぜ生まれるのか。

自由であることは孤独でもある。
ファシズムは人を孤独から救うのだ。


『日本人の心理』
南博(社会心理学)
岩波新書(1953)


日本人の悪い部分を知る良書。

旧日本軍で、将校は下士官を殴り、下士官は上等兵を殴り、
上等兵は兵隊を殴り、兵隊は馬を殴る。
だから、馬に傷のある中隊は制裁が盛んだとわかるという。
韓国で嫁いびりは赤ん坊の尻を見れば分かるというのと同じ。
いじめの順送り構造だ。
日本は欧米に苛められアジアを苛める。
日本はアメリカの属国と思っているから韓国を中国の属国と罵る。
韓国の小中華意識を強調するのも日米安保同盟が裏にある。

日本の非合理主義の言葉。
"世の中のことは理屈通りに行かない"とか、
"人間は理屈で割り切れるものではない"という思考停止の言葉。
聞くたびにうんざりする。

くだくだ言わずに考えろ。考えてわからなければ調べろ。
考えもせず調べもせず放言する奴は軽蔑に値する。

『面接力』
梅森浩一(人事部長、国際人事コンサルタント)
文春新書(2004)


面接に関する技法を知る。

服装関係なしの人物本位の会社とは、
人に不快感を与えずお洒落する能力があるかを見ている。

謙遜するときは、有名人の名句やことわざを引用してみる。
数字を引用するときは下一桁まで言い、数字への強さを見せる。
最後に何か質問はありませんか?に、
特にないと答えてはならない。ここでうまくアピールするのだという。

『生き方の人類学』
田辺繁治(社会人類学)
講談社現代新書(2003)


実践とは何か。記述的。

いかに実践を通して自己を統治し自分の生き方を探究するか。

ウィトゲンシュタインの言語ゲーム
実践という事実がまずある。
その結果ルールに従っているように見える。
実存主義にも関係しそうだ。
ルールが先にあるものと、ルールを見いだすものの違いが難しい。

『「甘え」と日本人』
土居健郎(精神科医)
斎藤孝(教育学者)
朝日出版社(2004)


雑談。まあ読みやすいです。

漱石は甘えたことがないく、学生の甘えを同性愛と誤解したそうだ。

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