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神と自然の科学史(講談社選書メチエ) [本(科学史/医学史]

『神と自然の科学史』
川崎謙(科学教育、理科教育)
講談社選書メチエ(2005)


教育に対する言語の影響の分析は面白いが、科学論としては失格。

科学は事柄を理解すること、技術は計画により何かを作ること。
科学の目的は認識、技術の目的は制作。
私なら、技術は認識を元にした行為だが、
科学は行為による認識といいたいな。

数学的記述をわかると同一視することが
西欧自然科学を成立させたという。
数学を理解した上で記述できれば、
対象を理解しているのだから当然である。
「わかる」ことの条件より
「数学で記述する」ことの方が厳しいのである。
対して、自分で数学に記述できるのに、わからないことは有り得ない。
数学で記述できないのに「わかる」ことは有り得る。

イデアとは?
五感で認識されず理性で認識される普遍的実在、
類的特性であり、数学的図形に類似する。
イデア論は、アフォーダンスに近いところを捉えていたように思う。

易経の繋辞伝
形而上者謂之道形而下者謂之器
形而上は道であり形而下は器。

聖書の言葉。
人はパンだけで生きるのではない、
神の口から出る一つ一つのことばによる。
後半は知らなかった。
キリスト教徒とは創造主の言葉よって生きる者というわけ。

言語の意味や冠詞については、
マーク・ピーターセンを読んで勉強しなおしたほうがよいと思われる。

西欧科学と呼び科学の普遍性を否定するのだが、
これはあまり説得力はない。
ある地方で発生したから、
その地方特有の背景を述べて特有だといってしまえば、
普遍的なものなど何もないだろう。
西洋哲学と東洋哲学は比較できるが、
西洋科学と東洋科学などという比較は成立しない。
範疇の階層が異なっているからだ。

タグ:川崎謙
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