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通訳者向け速記、V式改 [考えたこと]

こちらは情報が古いので 新V式改:メモ&通訳用速記法 をどうぞ。

通訳者向け速記、V式改というものを考えている。V式をもとに通訳や一般のメモに使いやすく変更したもの。速記は、会議などで用紙や机が前提に設計されている。それをより広汎に使えるようにしようというのがこの案。

速記できる通訳者がいればその逐次通訳能力が絶大なものになることはすぐわかると思う。しかし、実際にそういう人はいないようだ。その原因はやはり速記が通訳の現場に不向きにできているからだ。通訳では再認性の高さも重要である。反訳に時間がかかるものはダメなのだ。速さを犠牲にしても再認性を高めねばならない。

また用紙の制限の問題もある。速記は小さな字が書きにくい。日常のメモに使うには、速記の字は大きすぎるのだ。

まず文字の長さの三段階を二段階に変更する。V式ではハマヤ行が三倍長だが、これは長すぎる。とくにイエの母音の音が続くと縦に長くなり不便である。それでヘメだけは半円になっているのだが、ならば全部半円にすればよい。
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(例)はひふへほ


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(例)まみむめも


残るヤ行はア行の拗音と考える。カギ付きのア行で表記する。これで三倍長は不要となり長さは二段階でよくなる。実際には1:3ぐらいの長さにした方が再認しやすいと思う。
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(例)やゆよ


長音。長音の隙間空け、あるいは点は、イエ音が続いて離す必要があるときなど混乱しやすい。あるいはナヌとか、オトとかのときは、スペースを空けないとわかりにくい。そこで長音は線尾にカギをつける。拗音と同じ方法である。
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(例)かい、とう、いい、こうこう


こうすると、線と線の間のスペースには意味はなく、つなげても空けてもよくなり再認性が高くなる。わかりくくなりそうなところは分かち書きすればよいのだ。

また拗音と長音は同時に出現しやすい。すると平べったいランドルト管のようになって書きやすく、再認性も高くなるのだ。カ行サ行ナ行ハ行マ行ラ行など曲線のものは同じ内側に曲げ、ア行タ行ヤ行など直線のものは反対側にZを描くようにする。またチュに関してはカギはつけずにそのままで長音のチューとする。日本語にチュはほとんどないからである。
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(例)しょうしゅう、きょうとう、りょうしゅう、ちゅうとう


"ちゃ行"、"や行"の拗音カギは冒頭は鋭角な角にし、長音カギはカーブにする。冒頭をカーブにすると線全体がカーブして"さ行"、"か行"になりやすいため。
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(例)ちゃいな、ゆうしゅう


長音+んは、長音の折り返しの後で丸を書く。
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(例)トーン


半濁音パ行。線頭の切り線は濁音の切り線と混同しやすい。そこでパ行はハ行のU字の平べったい曲線にして表す。少し書きにくいがそもそもパ行は少ないからこれでも十分だ。
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(例)ぱぴぷぺぽ


濁音。濁音の切り線は余分な動きで、スピードが落ちる原因になる。そこで半濁音のルールを濁音に適用する。語頭では直角の線を下もしくは曲線の外側に書き、語中では前の線に重ねる。これは前の発音からのリエゾンによる連続という濁音の音韻学的特徴と一致するのだ。
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(例)さいがい、じんじゃ、きょうどう


ひゃ行、びゃ行、みゃ行はほとんどが長音が付くか、"く"がつき、そのままのひゃ行、びゃ行、みゃ行は存在しないので、長音カギを省略する。
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(例)びょういん、びゃくや、みょうあん、みゃくはく、みゅーたんと


次は漢字音のク。これもンと混同しやすい。そこで平べったい円のツをクとする。
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(例)きょういく、かくせい


"えき"など"え母音"のときの"く"とするルールに、"し"の後の扁平円は"き"のルールを追加する。漢字音で"しく"はなく"しき"があるため。
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(例)こうしき、しきてん


促音のッと漢字音のツ。線末で反転して小さくはねる。漢字音のツはンやクと混同しやすく、促音のッも濁音の切り線と間違いやすい。しかし促音のッははそもそもツと区別しなくても混同する心配はほとんどない。思いつくのは"さつき"と"さっき"ぐらいだ。アタヤ行の長音と区別するため、少しカールさせてはねる。
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(例)ふっかつ、らっぱ


外来語で頻度の高いFのファ行。これはパ行とカーブが逆になる形とする。Vのヴはファの濁音とする。
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(例)ふぁ、ふぃ、ふ、ふぇ、ふぉ


ワ行は小半円とする。ウ行の小半円をムとする。ワ、ウィ、ウ、ウェ、ウォ=ヲを表す
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(例)わ、うぃ、う、うぇ、うぉ=を


ハ、マ、パ、ファ行はカーブが強いので、線の終わりだと次の線が書きにくいことがある。その場合は、真ん中のふくらみ部分から続ける。
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(例)はくさい、めがね、ばすぽーと


外来語などの"ップ"には垂直方向への長円をつける。
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(例)こっぷ、らっぷとっぷ、きっぷ


語中のルをンの円から線がはみ出たものとする。
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(例)たるたるそーす、くるくるまわる


よく使う助詞"は・も・が・の・を・に・へ・で・と"について。は=わ、を=うぉ、と、で、へ=え、はそのままで。助詞の"の"にをの小半円の逆向きを使う。"が"は終端の右上に離して短い"つ"方向線、"に"は終端の右下に離して短い"い"方向線とする。
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(例)大阪はたこ焼きが有名で、人気のある店はいつも人でいっぱいだ。


接続詞や文末についての略号を作る。文末の"~だ"、"~である"、"~です"などは直線を長く引く。肯定の接続"~で"、"~して"などは上向きのカーブ、否定の接続"~ではなく"、"~ない"などは下向きのカーブ、逆接の"だが"、"しかし"などはチェックマーク、強調の"特に"は○、追加の"さらに"、"また"、"だけでなく"はつながった+マークとする。通訳用なので同じ意味は同じ符号とする。
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(例)~だ、~して、~ではなく、しかし、特に、だけでなく、


※以上、この方式のセールスポイントは、長さが2段階しかなく用紙の制限が少ないこと、切り線を排除して濁音を書きやすくしたこと、長音の空間がないため分かち書きしやすいことである。

※なんで小半円のム、"ップ"、語中のルがあるのかって?それは韓国語のパッチム、ㅁ、ㅂ/ㅍ、ㄹのためなのさ。これで簡易に韓国語速記もしようと思っているから。韓国語を知っていれば、韓国語はもともとカナで書き取っても、復元できるので、兼用として使う狙い。

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