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子どものうそ、大人の皮肉:ことばのオモテとウラがわかるには(そうだったんだ!日本語) [本(日本語学習]

『子どものうそ、大人の皮肉:ことばのオモテとウラがわかるには』
松井智子(認知科学、語用論)
岩波書店(2013)


会話力とは何か、その曖昧な言葉の本当の意味を
自閉症児や幼児の言語研究を通して解き明かす。

学業成績は忍耐力と関係する。
15分待ったら二つあげると母親にいわれて、
15分待ってマシュマロを二つもらった子どもの学業成績は、
待てなかった子どもよりも明らかに高かった。 
学習はまさに勉強、強いて勉めるものと言えよう。

幼児と自閉症児はある程度共通している。
自閉症児は皮肉を理解しないが、
普通の子どもが皮肉を理解し始めるのも、
小学校に上がってからである。

そして自閉症児の問題は言語能力と関連する。
文構造の理解と誤信念の理解は連動しているのだ。

この本にはこうした高機能自閉症児の会話を
面白く多数収録している。

母:空気を読めるようになりなさい。
子:空気は読んではいけません、読むのは字です。

自閉症児の問題の重要なポイントと思われる
リアン・ホリデー・ウィリー(Liane Holliday Willey)の言葉。

"ことばと意味は一対一で対応していると思っていた。"

言葉の意味とは、それが生み出す行為なのであるが、
自閉症児は、目の前に見えるそのものだと理解しているのである。
このことは、自閉症児には、脳の前部にある運動連合野と
後部にある感覚連合野との連結に困難があることを
意味するのかもしれない。

・今日の一言(本文より、映画 Being There)
As long as the roots are not severed, all is well. And all will be well in the garden. In the garden, growth has it seasons. First comes spring and summer, but then we have fall and winter. And then we get spring and summer again.
庭の植物の成長には季節がある。根さえしっかりはえていれば、すべてうまくいく。秋が来て冬が来ても、春には必ず芽が出る。
뜰의 식물의 성장에는 계절이 있다. 뿌리만 튼튼히 자란다면 다 잘 돼간다. 가을이 오고 겨울이 와도, 봄에는 꼭 싹이 돋는다.
院子的植物生长展现了季节。只要有结实的根,一切都会顺畅。秋去冬来,春天发芽。

タグ:松井智子
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