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時間論(ちくま学芸文庫) [本(哲学思想]

『時間論』
中島義道(ドイツ哲学)
ちくま学芸文庫(2002)


時間認識の成立の条件を問う
一般の時間の定義と違う。
時間というより時間感覚もしくは現在感覚を問題としている。

現在中心主義から過去中心主義へ
時間を知っていることとは二重の視点を知っていること

過去の諸現象を想起によって先後へと秩序づけることのうちに時間了解の根源がある

想起によって過去と現在が当時に現れる
過去中心主義とは過去の成立を時間成立の根源的事態とみなす時間論
過去の登場によってはじめて時間を成立する

責任は過去に完結した自由な行為にのみ向けられる
自由による因果性は自然因果性とは別のレベルで成立する
自由な選択は行為の後に責任を問うときに作り上げるもの

時間認識は想起を中心に成立し、
想起している時が現在であり、
想起の対象の時が過去である。

現在は自由に行為しつつある時という意味がある
今は関係を意味する言葉。今は何かと比較してこそ今

・今日の一言(本文より)
Since God created time when he created the universe, there was no time "before" God created the world.
アウグスチヌス:神は世界ととも時間をも創造したのだから、その前にとは無意味である。
하느님은 세계와 함께 시간도 창조한 것이기 때문에 그 전이란 무의미하다.
上帝创造世界的同时也创造了时间,所以"之前"这个说法没意义。


『「私」の秘密:私はなぜ〈いま・ここ〉にいないのか』
中島義道(ドイツ哲学)
講談社学術文庫(2012)


心とは実体概念ではなく関係概念
いま私は失神していると語ることは不合理。
さっき私は失神していたはごく自然。これはなぜか?

私とは時間との関係によってはじめて成立する

ヒューム:
熟睡しているとき夢中なとき私は存在しない

想起に基づいて、
あとで「私は~した」という過去形の文章を正しく作成できる者が私である。

大森荘蔵:想起の対象がじかに立ち現れている
私のみが、過去と現在とを「またぐ」ことができる
私は想起の主体

ストローソン『個体と主語』:
観察に基づいて他者に帰属させるものを、
観察に基づかないで自分に帰属させるような自己帰属者として他者を見る。

ポンティ:
自分の手の写真や筆跡は識別困難なのに
影法師やフィルムに映った歩きぶりは認知できる

タグ:中島義道
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