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現象学的な心:心の哲学と認知科学入門 [本(脳科学]

『現象学的な心』
ショーン・ギャラガー(哲学)
勁草書房(2011)


原題:The Phenomenological Mind
非常に面白く読んだ。

分析哲学者と現象学者は仲が悪く相手を全く無駄な学問と見ている。

分析哲学の心の哲学者たちが現象学を内観主義的なものであると考えてきた。

現象学的な洞察に依拠する学問:
実存主義、解釈学、ポスト構造主義、ポストモダン

知覚はすでに意味を持っている。
ギブソンのアフォーダンスは現象学かも。

現象学者は知覚を純粋に主観的な現象としてではなく
世界のうちにあり動機と目的を持った
身体的な行為者である知覚者によって生きられているものとして研究する

現象学は対象が経験のうちで自らを示す様式に関心を持っている。

現象学の四つのステップ:
1.エポケー:自然的態度の停止
2.現象学的還元:経験対象と経験そのものとの間の相関に注意
3.形相的変更:相関の本質や不変をとらえる
4.相互主観的確証:発見された構造の普遍性を考察

記憶は心の独立した一能力ではない。
記憶とは別個の分離可能な様々な過程から構成されている。

自分の知覚それ自体時間的な幅を持った過程であることを認識している。

心と世界の関係は内的関係、関係項を構成する関係
因果性という外的関係ではない、心と世界の相互依存

水槽の中の脳の思考実験は身体の必要を示すもの
見るということは常にどこかの場所から見るということではないだろうか

自動的で無意識的だが反射的ではないのがサッカード眼球運動。

ミラーニューロンの共鳴プロセスは
相互主観的な知覚プロセスの一部と見なすべき。

他者の心的状態は隠れているのではなく身体的に行動に表現されている。
故に心の理論は知覚なのだ。

・今日の一言(本文より)
Phenomenologists suspend these kinds of questions and all judgements about them. They start with experience.
現象学者はこうした類の問いとそうした問いに関する判断のすべてを停止する。現象学者は経験から始めるのである。
현상학자는 이러한 종류의 질문과 그러한 질문에 관한 판단의 모두를 정지한다. 현상학자는 경험으로부터/에서 시작하는 것이다.
现象学者停止思考这种问题和其问题的一切判断。现象学者是从经验开始的。

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