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意識は実在しない-心・知覚・自由(講談社選書メチエ) [本(脳科学]

『意識は実在しない』
河野哲也(哲学、倫理学)
講談社選書メチエ(2011)


この著者のよいところは
たくさんの他の著者の書籍が紹介されているところで、
一緒に考えることができる。

感情の分析の難しさとして、
古代のローマのfastidiumを挙げている。

私はこれは、
嫌悪感+軽蔑感という合成感情と理解して問題ないと思う。

クオリアという考え方に批判的。
クオリアの概念はセンスデータとほとんど同じとする。

赤いリンゴを見ている知覚と、
赤いリンゴを見ているかのように見える幻覚のあいだには
同一のクオリアは存在しない。

これは違うだろう。同一のクオリアが存在する。
なぜなら幻覚もまた知覚であるから。
幻覚は無から生じるものではない。
それは過去の知覚から生まれるのだ。
幻覚の本質は記憶である。
記憶とは過去による知覚である。
現在の知覚もまた過去の知覚である。
遠い星を観察したとき、私たちが見るのは数年前の過去である。
8.6光年離れたシリウスを望遠鏡でいま見ることと、
8.6年前に体験した交通事故により事故の悪夢を思い出すことは、
変形度が大きく違うのみで現在の知覚である。

・今日の一言(本文より)
移動しても自分に付き添う物が自己の内部である。
이동해도 자신에게 따라 붙는 것은 자신의 내부이다.
即使移动时跟随自己的是自己的内部。
The thing that comes with you when you move is a part of you.

タグ:河野哲也
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