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〈私〉の存在の比類なさ(講談社学術文庫) [本(英語学習]

『〈私〉の存在の比類なさ』
永井均(哲学、倫理学)
講談社学術文庫(2010)


茂木健一郎の愛読書。

自然法則を持ってしてもどの生命体がこの私であることを決定できない。
なぜ他人が私にならなかったのか、
過去現在未来の無数の人間のうちこの人間が、
そしてこの人間だけが私であり、
他はそうではないという事実の持つ偶然性と、
それら無数の人間も
どれも私ではない私は存在しないこともできたはずなのに
実際にはそうなっていないという事実の持つ奇跡性。

私は永井均であることは偶然であり、
それゆえそうでないことが可能である。

私があなたであると想定すること自体がエラーなのだろうか。
あるいは「なぜ」という言葉の用法の誤りかもしれない。
偶然の事象は「なぜ」に答えることができないのだ。
シュレーディンガーの猫が生きていることを発見しても、
なぜ死なずに生きていたのかには答えることができない。
偶然だからである。

あるいは脳を分割した場合はどうか?
分断脳の究極のケースを想定すれば、
左右の脳がそれぞれに独立に精神を持つことが理論的に可能だろう。
もしあなたが二つに分割されたとき、
あなたは右のあなたになるのか、左のあなたになるのか?
もはやこれは考えることもできない。

・今日の二言(本文より)
The limits of my language mean the limits of my world.
私の言語の限界は私の世界の限界を意味する。
나의 언어의 한계는 나의 세계의 한계를 의미한다.
我的语言有限意味着我的世界有限。

I am my world.
私とは私の世界のことだ。
나는 나의 세계이다.
我是我的世界。

タグ:永井均
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