SSブログ

英語を学ぶ人・教える人のために-「話せる」のメカニズム [本(言語学]

『英語を学ぶ人・教える人のために/羽藤由美/世界思想社/2006』
著者:第二言語習得研究、外国語教育学
評価:あなたが英語ができないのは単に学習時間が足りないだけです。


母語との距離が学習の難易度を決める。
ドイツ人の400時間の学習が日本人の1500時間に相当する。

ところが日本の中学の英語の時間は270時間、
高校の英語の時間は470-650時間でしかない。
にもかかわらずドイツ中学の英語の授業は日本の1.3倍あるし、
オランダは3倍の時間数がある。
カナダではフランス語の初級レベルに1200時間必要とされ、
中級で2100時間とされる。

日本人が英語が話せたらおかしいのである。

学習において知るべきこと。
文法項目の発達順序は教え方にかかわらず同じ。
三単現の-sより進行形-ingが先、
規則過去より不規則過去が先。

言語には学ぶ順序があるのだ。
従って、しっかり一つずつ進むより、
ある程度大まかにに進めて、
ときどき振り返るのが効率的になるのである。

これは語彙についても似たことが言えるので説明しておこう。
単語を暗記するとき、
一回で覚えられる単語と
何回も繰り返してやっと覚えられる単語があるのはなぜか?

結びつきの数の違いである。
意味の各種の関係、コロケーションなどよく結びつくものは、
簡単に覚えられ、結びつけられるものが少ないと、
覚えられないのだ。

ここからは学習効率における重大なルールが生まれる。それは、
覚えにくいものは覚えてはいけないということ。
覚えられないものは、今は覚える時期ではないということなのだ。
そうした単語も学習が進んで、その周辺の語彙を覚えた頃に、
もう一度遭遇すると、今度は一度で覚えられてしまうのだ。
覚えられないものはどんどん見捨てて、
覚えられるものから片っ端から覚えていく方が
最終ゴールは近くなるのである。

・今日の一言
外国語学習者の文法の習得順序は教え方にかかわらず同じになる。
외국어학습자의 문법 습득 순서는 가르치는 방법에 관계 없이 같아진다.
外语学习者掌握语法的顺序,不论教法的差异都一样。
In spite of different teaching methods, every order of acquiring grammatical elements of foreign language is the same.

タグ:羽藤由美
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。