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日本銀行は信用できるか(講談社現代新書) [本(日本の問題]

『日本銀行は信用できるか』
岩田規久男(金融論、経済政策)
講談社現代新書(2009)


今、日本で何よりも一番本当に大事なこと。必読書。

日銀の金融政策は前例主義を原則とする
東京大学法学部卒の官僚によって運営されている。
日銀副総裁と大蔵事務次官経験者が
交互に日銀総裁になる慣例が続いていた。

その結果、日銀は銀行の過剰貸し出しを減らすのに
コール・レートを上げずに貸出限度額規制や窓口指導で対応する。
行政指導の原理である。
経済学の常識を無視してお役所のやり方にこだわってるのだ。

金融緩和の必要性。
リーマン・ショック直前と09年5月の資産を比べると、
FRBは2.4倍、イングランド銀行は1.9倍になったが日銀は1.02倍。
貨幣増加率は日本は1%だが、
イギリスは18%、アメリカは10%、ユーロ加盟国は6%。
英米欧州の銀行が金融緩和し日銀がしないので円高が進む。

日銀はインフレ目標を採用すべき。
インフレ目標採用国の中央銀行は、
政策手段選択の独立性はあるが目標設定の独立性はない。
2006年、インフレ目標採用国は25ヵ国。
政府がインフレ目標を設定しその手段は銀行が決定するべき。

1%未満の物価上昇率は3%以上同様に経済に有害である。
ところが日銀の金融政策の目標はゼロ・インフレであるという。

デフレはなぜ駄目か?
デフレになると借金を返済できない企業が続出して倒産が増える。
借金の支払いはデフレでも減らないため。

なるほど日本企業が内部留保を貯めるわけだ。
デフレで借金が出来ないからじゃないか。

これは本当に大事なことなのだけど、
日本ではあまり理解されていない。

日本のデフレはモノより日本円に価値があるからだし、
円高は日本円がドルその他よりも価値があるからだ。

円強くして日本国民滅ぶ。
お札という紙切れを守って人が痩せ衰えていくのが日本である。

・今日の二言
日本銀行は法学部出身者ばかりで経済の専門家はいない。
일본은행은 법학부 출신자만 있고 없고 경제 전문가는 없다.
日本银行的人都是法学系毕业的,没有经济专家。
The Bank of Japan is only composed of law department graduates, there are no professional economists.

インフレ率2%のとき経済は最も安定する。
인플레율 2% 때 경제는 가장 안정된다.
通货膨胀的比率百分之二的时候,经济最安定。
The economy will be the most stable when the rate of inflation is 2%.

タグ:岩田規久男
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