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反貧困-「すべり台社会」からの脱出(岩波新書) [本(格差問題]

『反貧困』
湯浅誠(野宿者支援活動)
岩波新書(2008)


貧困の実態を知る良書

日本は一度転んだら
どん底まですべり落ちていってしまう
すべり台社会。

寝る場所がなく放浪する人たちへの無情な言葉。
牧師:
ここはみんなの場所だから寝させてあげるわけにはいかない。
その代わり祈ってあげるから。
警察:
生駒山まで登ってまた降りてくれば夜は明けてるよ。

セーフティネットの三層構造。
雇用、社会保険、公的扶助、そして刑務所が第四のセーフティネット。

生活保護の偽装問題。
しかし濫給は14669人に対して漏給は600-850万人。
およそ500倍である。
生活保護の対象なのに受け取っていない人が、
対象でなく偽装で受け取っている人の500倍いるのだ。
どちらが真の問題なのかはいうまでもないだろう。

貧困の社会階層化。
生活保護受給者の25.1%が生活保護家庭で育っていた。
さらに母子家庭は40.6%。

アマルティア・セン:
貧困はたんに所得の低さでなく基本的潜在能力が奪われた状態。
貧困とは他の選択肢を等しくは選べない状態。
人の潜在能力を奪う社会が経済的にもマイナスなのは明白だ。

闘うためには闘わなくてもいい場所が必要。
貧困に転落する人たちには、そうした場所がないのである。

貧困の皮肉。
路上生活者だった社長、前橋靖。
今や搾取する派遣労働の貧困ビジネスに手を染める。
マージンを規制すればこうはならないと思うのだが……

・今日の一言
人が闘うためには闘わなくてもいい安全地帯が必要である。
사람이 싸우기 위해서는 싸우지 않아도 되는 안전지대가 필요하다.
人为了战斗,需要不需要战斗的安全地带。
People need the safety zone where they don't need to fight to fight.

タグ:湯浅誠
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