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心理学で何がわかるか(ちくま新書) [本(心理学]

『心理学で何がわかるか/村上宣寛/ちくま新書/2009』
著者:認知心理学、統計分析
評価:心理学を概観する良書。著者の自慢と前書きは余分


本文と前書きがかみ合っていない。
本文は"かもしれない"と公平に書かれているのに、
前書きは断言になっているのだ。
またところどころ日本語がおかしいところがある。
著者の思い出話と前書きは無視して読めば、
これほどコンパクトに心理学をまとめた良書はないと思う。

子どもの性格への育児態度の影響力はほとんど0。
性格は生まれつきで、その上の行動レベルへ影響を与えるのだ。

記憶の練習をしても記憶力自体は鍛えられない。
記憶の方法を改良することができるだけである。
ときどき記憶力を鍛えると称してメモを取らない人がいるが、
あれは全く無意味、というよりほとんど逆効果である。

攻撃行動の抑制とカタルシス理論は科学的に否定されたこと。
カタルシスというのは、おそらくは身体運動による発散なので、
ゲームや映像といった身体疲労を伴わないものでは効果がないのだ。

暴力映像と暴力行為:メタ分析の結果
・暴力行為の直接関係しない指標では効果量が0.25
・直接関係では0.02と無視できる値
直接関係しない指標が問題になりそうだ。

凶暴性は遺伝子の影響力が50%。
生まれつきの暴力性があるのである。

凶悪性暴露テストのチェックの項目の一つ。
詩を読むのが好き。
これは感情の起伏と関係するのだと思う。

統計の大事さと理解。
ルイの統計医学はかつて、
フランスの科学アカデミーに生身の患者を診ないと批判された。
だがその生身を見ない医学こそが患者を助けることができたのである。

・今日の一言
記憶の練習をしても記憶力自体は鍛えられない。
기억 연습을 해도 기억력 자체는 단련할 수 없다.
无论怎么练习记忆,不会锻炼记忆力本身。
You cannot strengthen your power of memory even if you exercise your memory.

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