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新しい労働社会-雇用システムの再構築へ(岩波新書) [本(格差問題]

『新しい労働社会』
濱口桂一郎(労働法、社会政策)
岩波新書(2009)


新しい労働社会を構築する分析と提言。良書。

日本型雇用の特徴。
雇用契約に職務が
定められていないメンバーシップ契約。
欧米と違う構造を持つ日本は、
当然違った対応が必要になる。

日雇い派遣への正しい対策は3つ
・マージン規制
・危険有害業務への派遣規制
・派遣先に使用者責任を負わせる
マージン規制するだけでも全く違うと思うのだが、
なぜしないんだろう?

日本のシングルマザーの就業率80%の異常さ。
生活保護より貧しいこと。
日本人はどうも子どもを親の所有物と勘違いしているように思う。
むしろ社会から借りて、
一時的に預かっているぐらいに考えるべきと思うな。

大衆社会で個人たる市民が
中間集団抜きにマクロな国家政策の選択を迫られると
わかりやすく威勢のよい議論になびく。
小泉政権時代は典型的だったし、太平洋戦争前もそうだった。
マスコミの問題でもあるし、
専門家の意見がどう届くかという問題でもある。
今はインターネットがあるので、
該当分野の専門家が積極的に発言することは大事だと思う。
間違ってもメディア政策学の先生が、
マクロ経済を語ったり、それを真に受けたりしちゃいけませんね。

経済財政諮問会議に労働者代表と消費者代表を参加させること。
経済というのは、資本家、労働者、消費者の三者の構造なんだから、
それぞれに力がないとバランスが悪いものだ。
日本は特に消費者の力が弱すぎたと思う。
日本にもラルフ・ネーダーが必要なのかもしれない。

著者のブログ
EU労働法政策雑記帳

・今日の一言
大衆社会で個人たる市民が中間集団抜きにマクロな国家政策の選択を迫られるとわかりやすく威勢のよい議論になびくものである。
대중사회에서 개인인 시민이 중간집단을 통하지 않고 거시적인 국가정책의 선택을 재촉받으면 명백하고 강한 논의에 따르는 것이다.
在大众社会中的个人,如果不通过中间集团,被迫选择宏观的国家政策的时候,他们很容易服从来势汹汹的争议。
The individual citizens in mass society will follow the simple and energetic opinion when they are under pressure to select a macro-level national policy.

タグ:濱口桂一郎
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